【映画レビュー】素敵な素敵なファンタジーワールド!『ミューン月の守護者の伝説』の感想!
明日5月20日(金)から東京・大阪・京都で公開スタート。
ということで、応援も兼ねてこのタイミングでレビュー記事を。
『ミューン 月の守護者の伝説』のざっくりとした感想
東京アニメアワードフェスティバル2015で優秀賞を獲得したヨーロッパ生まれのアニメーション映画が7年の時を経て、全国公開!4月19日(火)には東京都写真美術館でGW先行公開を実施されていましたが、本格的な上映は5月20日(金)からということで、実質スタートはここからです。そして恐れ多くもパンフレットに私も寄稿させていただいておりますので、その点でも是非是非足を運んでほしい一本です。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
素敵。
寄稿しているからヨイショしているように思われかねないのが悩ましいのですが、本当に好きな一本でしたわ。ファンタジー冒険譚であり、成長劇であり、チーム映画であり。そしてなにより個人的には本作を“恋愛映画”の棚に収めたい!
キャラクターたちのなに星人だよって感じの異形ぶりに驚いてたのに、いつの間にか「素敵だ〜」とウットリさせられているのだから油断できません。
以下、ざっくりではなくもっと詳しい感想を書いていきます。
ミューン、ソホーン、グリムのチーム感
この映画の良さは大きく分けて2点。
まず1点がキャラクター。
メインキャラクターのミューン(青い子)、ソホーン(マッチョ)、グリム(ヒロイン)はもちろん敵キャラや脇役にいたるまで、それぞれがしっかり厚みのある個性を持っています。
登場時こそ悪役かと思っていたリユーンが特に顕著なのですが、本作に登場するキャラクターは良いヤツ、悪いヤツといった分け方というよりも、それぞれの性格の傾向の違いがぶつかり合って成長や対立といったドラマとなっていくのが自然で良い!
アニメや漫画のように良いヤツ、悪いヤツがはっきり分かれていることの方が現実ではかなりレアなので、『ミューン 月の守護者の伝説』ぐらいの温度感がしっくり来るし、この温度感で最初は対立していたミューンたちの仲が深まっていくので、余計に気持ちが良い。
それとない演技で、心境の変化などを描いていく瞬間とか、心の中でいいねボタンを何度も押してますよ。細かな「キミ、良いやつじゃん」ってポイントがいろんな視点でいくつもあって、愛おしさがどんどん積まれていきます。
新作RPGを遊んでいるかのような世界観
本作の良さのもう一点。
2点目は世界観。
昼と夜で世界が分かれていたり、謎の巨大生物が太陽や月にチェーンでつながれていたり、と知らない神話を注ぎ込まれるような世界観がまた良いんだ。
観終わった後の清涼感は、新規のRPGタイトルを一本遊び終えたようで、この後味はなんだか久しぶりかも。
言うてファンタジー作品が特筆して好きではないのですが、そんな私でも本作の世界観にはうっとりする瞬間があるほどで、演出だけでなく、世界観でもしっかり語る瞬間があるのがまた素敵。
2Dアニメーションの使い方は……
唯一惜しいと思うのは、実は7年という月日を経ての上陸の弊害としての見劣り。
ディズニーやピクサー、ドリームワークスアニメーションといった作品が3DCGアニメーションの技術を向上させている今観るとやはりひと世代前の映画という感じはしてしまうのはやむを得ない。
時差のありがちな海外アニメーション界ではしょうがないね。
2Dアニメーションを3DCGアニメーションと組み合わせるのも、夢のシーンや回想シーンなどで取り入れたり(『カンフーパンダ』シリーズなど)と2010年代前半でもそこまで珍しいものではないのですが、ストーリーに組み込むことこそ少なめ。『スパイダーマン:スパイダーバース』や『私ときどきレッサーパンダ』など現代に続く2Dと3Dの境界をなくしていく時代の到来前夜に位置付けされる一本というのが正解かもしれないですね。
まとめ
そんな感じで、しっかり優良映画でございます。
東京・大阪・京都以外も順次上映館が増えていくそうですので、ぜひ最寄りの映画館で上映の際はぜひ足を運んでくださいませ。
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