【映画レビュー】『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』の感想！アニメーションでもサンプリングはできるのか！？
これは掘り出し物だー！
『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』のざっくりとした感想
『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』を観てきましたよ。
まさかの貸切鑑賞。
劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ
制作年：2021年 / 制作国：日本
60分
監督：飯塚貴士
NHK Eテレで2017年より放送されている音をテーマにした子供向け番組『オトッペ』が初の映画化！恥ずかしながら、今回の映画化までその存在すら知らなかったのですが、公式YouTubeチャンネルは1億4千万回以上の再生がされているそうで、そんな支持がある作品なのかとビックリしてます。
主題歌が倉木麻衣さんだったり、ゲスト声優に斎藤工さんや藤原紀香さんなどなど、異様に豪華なのもさらに驚きのポイントです。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと
佳作。
遅れての鑑賞となってしまったのを後悔するほど、応援したくなる素敵な映画でした。
もっと詳しい感想を書いていきますね。
ただの子育て物に非ず！音楽物ならではの魅力！
本作の物語は、グータラなウィンディの元に突如として、見た目がそっくりな赤ちゃんが出現。怠惰な日々から一転して子育てに奔走せざるを得なくなるお話。
子育てをしていくうちに、自身の過去を振り返ることになったり、終盤では本当の親が現れ、すっかり親心が芽生えてしまったウィンディが、その別れと葛藤する物語となっています。
筋書きだけ追っていくと、意外とTVアニメシリーズなどに登場する“パパママになる系”のお話でストーリーに目新しい感じはそこまでしないながら、その味付けの仕方が『オトッペ』らしい。
何をおいても音楽が良い！
ミュージカル形式で、作中の要所で歌が流れるのですが、キャッチーで「あ、良い曲だ」と感じる体験の連続でした。見終わった後に、速攻でITunes Storeでサントラ探してしまうほど。残念ながら、10月29日時点でCDが発売しているのみ。ぜひとも配信をお願いします。
今作の音楽を担当しているのは吉田ゐさおさん。
実はTVアニメシリーズの主題歌などでも作曲を務めていて、映画鑑賞後に歴代主題歌動画とか観てみたのですがそちらも名曲揃い。変なのにキャッチーな曲の数々によってまんまと洗脳されました。動画再生数1億5千万を謳い文句にするのも納得。中毒性があります。
オススメは『チャラ・ザ・ワールド』。
電波ソングに見せかけて、めっちゃ良い曲なのです。
踊るシーナちゃんも可愛いです。地味に同じ振りでも表情を変えていたり細かい。
今回の劇場版では、エンドロールの曲が最高でした。
未就学児向けアニメとは思えないようなゴリゴリにカッコいい曲になっていて、シーナちゃんが本気DJしているんじゃないかという気がして良かったです。
アニメーションによるサンプリング
今作のもう一つの魅力が、音楽に合わせてアニメーションのテイストが変わる点。いつもの3DCGアニメーションがそこまで緻密じゃない分、ここぞのシーンで曲とビジュアルが変わるとしっかり映える！
もう一人の主人公のシーナちゃんがDJということもあり、アニメーション的なサンプリング（既存の曲から音や歌詞の一部を抜粋し、再構築する手法）という感じで、面白かったです。
本作では驚いたことに本当に既存の別のアニメーション映画のシーンを利用。赤ちゃんに名前をつけるくだりのアニメーションを担当した水江未来さんが過去に劇場公開した『ワンダー・フル！！』の映像がそのままエンドロールでは使用されています。
ちょっと他のアニメーション映画でも観たことがないような引用の仕方だっただけに、結構びっくり。DJ物という意味で盛り込んだ試みであれば『オトッペ』らしくてとても良かったと思いますよ。
すでに終映を迎えている映画館も多く、お伝えするのが遅くなってしまったのが申し訳ないのですが、一見の価値ありといった感じのお気に入り映画。
観れないという人もぜひ、この機会にTVアニメシリーズの『オトッペ』だけでも観てみてはいかがでしょうか。
リッスン！キケケ！
大人も聞いて楽しい、観て楽しい。良い映画です。
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