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いや、初見ではわからんだろ!『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』の感想や「アレって何」という話

なかなかにライフポイントを削られる映画でしたよ。

『劇場版少女歌劇レヴュースタァーライト』のざっくりとした感想

初週末......とはいきませんでしたが、週明けに『劇場版少女歌劇レヴュースタァライト』を観てきました。

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劇場版少女歌劇レヴュースタァライト
制作年:2021年 / 制作国:日本
監督:古川知宏

漫画にアニメに舞台にとメディアミックス作品として展開していた『少女☆歌劇レヴュースタァライト』の映画化作品。2020年にはTVアニメシリーズを再編集した『少女☆歌劇レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』が上映され、今回はそれを踏まえた上での完全新作として劇場版が公開されました。

観てきた感想をざっくり一言でいうと

メタファー地獄

面白い映像と良い歌の連続に見惚れてしまうのですが、ただし内容に関しては、結構脳をフル回転して観なくてはいけないから厄介。

何コレ?何コレ?となるシーンの連続で噛めば噛むほど味が出るのは間違いないんだけど、かなり癖の強い味のガムに仕上がっているのでそもそも人は選ぶ映画という印象でした。

で、私はどちらかと言えば乗りきれなかったのが正直なところです......。
理解するために、今映画で起きていることの真意を汲み取る作業が億劫で、ただ負担に思えてしまったのが残念。この映像おもしれー!と興奮する場面はもちろんあったのですが、考えることへの負担が多すぎて気持ちよくそれを浴びられなかったのが残念でした。

もっと気持ちを楽にこの映像の波を浴びたかったよー!

この映画、初見ではわかりません!

本作の劇場用タペストリーなどには、公式で“初見でもわかります”というワードが載っているのですが、正直わかんない人の方がほとんどだと思いますよ、これ

一応物語の軸として、主人公の華恋とひかりの関係性こそ映画内で理解はできるんですけど、その他のキャラクターの関係性については、以前のシリーズを踏まえてないと流石に無理。

TVアニメシリーズをまだ観ていない私は、昨年観た総集編映画の『少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト ロンド・ロンド・ロンド』の記憶を蘇らせながら鑑賞。この子とこの子は仲が良かったな.....とか、この子はなんだか特別な境遇の子だったな.....とか思い出しながらでやっと食いついていけるので、この映画、紛れもない一見さんお断り映画だと思いますよ。

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よくよく考えたら、本作ではキリンさんが「わかります」を口癖に全然わかんない展開を繰り広げてきた作品。“初見でもわかります”は全然わからないという遠回しのギャグだったのかな?

初心者にオススメする劇場版少女歌劇レヴュースタァライトの見方

野暮は承知で、この映画の仕掛けを理屈で受け止めるとしたら

聖翔音楽学園の第99期生である華恋たちが卒業を間近に控え、それぞれが大人の階段を登ろうとしている姿を、歌劇に見立てて見せるという映画

と思えば自然と飲み込めるでしょう。

TVアニメ『新世紀ヱヴァンゲリヲン』の最終話付近で、シンジの内面を描いた前衛的な映像が話題になりましたが、あの作品の感覚に近く、おそらくこの映画で展開している劇の裏では、それを象徴するような出来事が展開されているのでしょう。

いつまでも一緒だと思ってた友人と卒業を契機に進路が分かれて揉めあったり、みんなとは変わった進路に進もうとする同級生が疎かったり......そんなやりとりが、まさに“劇的”な表現で描かれている映画なのでしょう。

劇というフィルターを外すと、現実世界ではどんなことが起こっているのかを想像しながら観ると楽しめると思います。


で、個人的な各種考察は、ネタバレ有りで以下。

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