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フードロスとフードバンク

今回のテーマについて

こんにちは、Yukoです。今回は、フードバンクが、語られる文脈の一つ、”フードロス”について、どのようにフードバンクと結びつくのか、Yuko的理解を書いてみたいと思います。

フードロスについて

フードロスとは、一般的に、本来食べられるにもかかわらず廃棄される食品を指します。 日本におけるフードロスは、英語で言うFood Wasteを指していると言われますが、本来食べられる食品が廃棄される過程はFood LossとFood Wasteに分けられます

FAOの定義によると
Food Loss=フードサプライチェーンの生産、ポストハーベスト(収穫後の取扱:調製、輸送、貯蔵など、訳注)および加工の段階で発生する食料の量的減少
 Food Waste=フードチェーンの最終段階(小売および最終的な消費)で発生する食料の量的減少(廃棄)
 となります。

アジアにおける1人当たりの年間Food LossとFood Wasteの比率は約2:1となっており、フードチェーンの上流での廃棄が多いことが分かります。 本来食べられるはずの食品を無駄なく活用するためには、消費者に見えやすいFood Wasteだけではなく、上流のFood Lossも減らす必要があり、むしろそっちの方が効果刈取余地が大きいことが分かります。 よってもって、本記事ではフードロスとは、Food Loss、Food Wasteの両方を指すものとします!

フードロスって何が問題?

消費者庁が”食品ロスを国民一人当たりに換算すると"お茶腕約1杯分(約132g)の食べもの"が毎日捨てられていることになるのです。「もったいない」と思いませんか?”と呼びかけているように、よく、「もったいない」という言葉とセットで語られるフードロスですが、感情を抜きにすると、何が問題なのでしょうか?つまり、「もったいない」以外の何が問題なのでしょうか? (個人的には、社会問題の中でも、感情に訴えかける系ポケモンだなぁ・・と特殊なものと認識しています)

①資源の過剰消費

先にみたように、フードロスは、フードサプライチェーンの先頭、つまり生産から発生しています。
現在のシステム化されたフードサプライチェーンでは、消費されるまでにいくつものプロセス・時間がかかることが分かります。
 現在我々が消費している野菜は、農家の方が数か月前に種を植えたものでしょう。種を植えた時点では、最終的にどれだけ消費されるか、完璧に予測できるわけではありません。

 今回のコロナでフードロスが問題になっているのも、消費量が減っても生産量は即座に調整できないからです。 このように、大きなフードサプライチェーンでしか食品を手に入れることが出来ない現代社会では、消費する以上に生産され、一部が廃棄されることになります。

つまり、生産時に使用した水、電気などのエネルギーも過剰に消費されていることになります。
また、廃棄食品の処理にも燃焼時のエネルギー、ごみ処理時のスペース資源が消費されることになります。

②税金の無駄遣い 

上記のような、廃棄食品の処理には、税金が使われます。 フードロスがなければ、他の用途で利用できる、または我々が負担すべき税金が減るかもしれません。


以上のように、当たり前ですが、フードロスは、その他のゴミと同じ問題があるのですね。 ただ、その他のプロダクトと比較すると、サプライチェーンの長さ、消費期限によって、調整が難しい、ロスの発生しやすい製品であるかもしれません。

フードバンクは何ができるの?


フードロスの解決策としてフードバンクの活用が謳われています。 2020年には「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が施行され、基本方針として政府や自治体がフードバンクの支援等の施策を講じるように明記されました。 ただ、日本最大のフードバンクで2019年に活用できた食品は、約850トン日本の食品ロスは約600万トンと言われおり、0.001%に過ぎない量となります

フードロスは、フードサプライチェーンの各プロセスにおいて発生するものであり、消費部分のフードロス削減に効果のあるフードバンクはその一つの打ち手であるものの、根本的解決にはなりえないことが分かります

まとめ


・フードロスは、Food Loss(フードサプライチェーンの消費以前で発生するロス)とFood Waste(フードサプライチェーンの消費において発生するロス)がある
・フードロスは、「もったいない」という感情を抜きにすると、他のごみと変わらない問題がある
・フードバンクは、フードロス解消の1つの打ち手になりうるが、根本的解決にはならない

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