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誰もが最初はスタートライン


こんにちは。neige+の猪俣です

今日は10月31日。

前回の投稿からまた少し期間が開いてしまいました。

月に1度は更新しようと思っていましたのでぎりぎりの投稿となりました。下書きをすでに終えていたのになぜこんなにも開いてしまうのか。。。

今回は過去の自分の苦い失敗経験も含めて記事にしています。ハンドメイドで販売をされていると、きっと誰もがどちら側の経験もされることかと思います。うまく伝えられているかわからないけど勇気を出して文章にしてみましたのでよかったら読んでいただけると嬉しいです

さて、早速本題になりますが、その前に前回の記事はこちらから

早速ですが、商用利用に関しての続きの記事になります。

「商用利用とは?」


結論から申しますと、「商用不可」が他人のデザインを無断で利用することがNGということに対し、「商用可能」とは、個人の小規模な販売などに対して、デザインを無償で提供されているという意味合いになります。

ただし、気を付けなくてはいけないのは、デザイン元がどこであるかは明確でないといけません。つまりはそれが「著作権」にあたります。

著作権フリーではないことは気をつけないといけません。

このことを前回もお話させていただきました。


私が手作りを始めた2005年当初は、まだオンラインショップもそこまでメジャーではなく、イベントなどで販売される方が多い時代。

私自身も無知なまま本に掲載されている作品そのものを真似して、作って販売したことも実際ありました。

その後、何をきっかけに知ったのかは忘れてしまいましたが、結構早い段階で「著作権」の存在を知るのです。

確かに、改めて購入した本の奥付(本の一番最後に著者や編集者さんの紹介があります)を見直すと「著作権」のことに触れています。

では、「同じものを販売したい場合や、ブログで紹介する場合にどんな表現を使った方がいいのか」

実際出版社に電話して問い合わせたこともありました。

参考パターン:○○○雑誌


頂いた回答はこちらでした。

パターン元を表記したらいかがでしょうか?とのこと

当時の私は、経験もなく手芸本からヒントをもらうことが当たり前の状況でした。そして手芸誌は作ってもらうためにあるのだから、それを作って販売してはいけないとなると、見ると作りたくなるから購入することができないと、極端な結論を自分の中で出したこともあります。

そうしたら手作りを始めたばかりの私は、何を参考にしていけばいいの?

そんなジレンマを感じながらも、段々と上手な付き合い方を見つけます。それが「アレンジ」です。

元ある形から、自分好みの形に変化をさせていくということです。

でも、まだそれでは真似してることとやってることは変わらないので、そこから少しずつ作り方やデザインを研究して、自分らしさを加えていくうちに、自分の好みが見えてきて、さらには作り方も工夫をするようになって、自分の「好き」が形に変わっていきました。

そうなってくると、元あったデザインは気づいたら使うことがなくなり、自分で最初から考え、型紙も思い通りの形になるまで試作をして、アイデアがどんどん降りてくるようになってイメージを膨らませながら作品を生み出せるようになっていきました。

それでも「オリジナル」というまでには程遠く、自分らしさを表現することを信念に続けてきました。

誰もが最初は同じスタートラインから始まります


目に入るものを情報とし、形にしていきながら自分のものにしていく過程は、今ブランディングされている方も、最初はきっと誰もが経験していくものかと思います。

そこから抜け出すか、そのまま同じ場所にいるかは本人次第

そんな経験をしてきたからこそ、「商用不可」と言う言葉は、手作りをこれから始めたいと言う方にとっては大きな壁になってしまうのではと思うようになり、ブログでフリーレシピの公開をはじめるようになったのも、実はそれがきっかけです


だからもし、いつか自分が著書本を出版する機会があったら、そう言う壁にならないようにしたい。そう言う思いでいました。

現実にはそうも簡単にはいきませんでしたが、ようやく2020年から「商用可能」を前提にした本を出版が叶いました。



他人の作品の模倣は著作権侵害になる?


著作権侵害という言葉を目にされる方は多いかと思いますが、ハンドメイドにおいてももちろんあります。

素敵な作家さんの作る作品をみて「真似して作ってみたい」

そう思うことはとても自然なことかと思いますが、トラブルの原因になることは現実にとても多い問題です。

実際私自身もまだ未熟だった頃大変大きな失敗をしました。

「真似っこさせてもらってます」


たったこの一言でお相手の方を傷つけてしまいました。

今でもお相手の方は私の名前を見るたびに嫌な気持ちになってるかもと思うといたたまれません。

実際どういうことかと申しますと、当時交流のあった憧れのブロガーさんに「とても素敵なので真似っこさせてもらってます」と想いを伝えたことが原因です。

当時の私にとってはそのくらい「尊敬してます」という意味合いでもあったのですが、その方からのお返事は本当にご本人からなのか?とびっくりするくらい、文面からも伝わるほど激怒されてて、とてもブログから伝わってくるしっとりとした感じの人柄とは思えない強い言葉でした。

「私は販売する以上プロ意識を持ちやってます。だから本の掲載も全てお断りしています。だから真似はしないでください。とても不快です。」

うろ覚えですが、もっと長い文章だったけど、およそこんな内容だったかと思います。多分私は他にも何か自分の考えを伝えていたんだと思います

私自身、当初からブログで作品を公開する以上、真似をされることは避けられないことと思っていましたし、他の人も同じ思いだろうと勝手に思い込んでおりました。それが間違いだったと気づくのです

その後、相互リンクも外され、しばらく私自身もショックで立ち直れませんでした。

そこからです、何故か私は身に覚えのない疑いをかけられ「また真似ですか。友達が泣いています」と言ったようなコメントをもらうようになりました。

もちろん最初のやりとりがあってから、強い言葉を受けてトラウマとなり、自分自身深く考え、目に入るものが情報になってはいけないと、怖くなって他の方の作品を一切見ることができなくなっていました。だから何のことを言ってるのかは理解できませんでしたが、そういうレッテルを貼られてしまったことは自業自得なので何も言い返せませんし、モヤモヤとする日々が続きました。

その数年後、たまたま掲載された手芸誌にその方が掲載されていたので私は嬉しくなって久しぶりにその方のブログを見にいったんです。

そしたらその記事の中に「もう何年も経ってるのに、見るだけで心がざわつく・・・」というニュアンスの文面があり、あ。。。これは私のことだと悟りました。

その時すでに数年が経っていたのに、まだその方は気持ちを引きづっておられて、私はとんでもないことをしてしまったと今でも忘れられず申し訳ない気持ちでいっぱいです。

「目に入ることがなければ、真似したと言われても自分の心に正直になれる。だから一切交流を断ち、見ないことにした」

大好きだったブロガーさんとのトラブルがあってから、こんな寂しい決断をするしかその時は思いが巡らず、ハンドメイドランキングや、トラックバックピープルなど、今で言うSNSのような同じジャンルの方達との交流があったのですが、それも一切絶ち

ただ自分が伝えたいブログだけを書き続けていく。

そんな風に自分を追い詰めていた頃がありました。その殻が破けたのがあの2011年の「東北大震災」です。

今の発信側となった私の原点なのかもしれません。


「たくさんの人に真似をしてもらいたい」


その想いは日に日に強くなっていきました。

もちろん今でもその気持ちに変わりはありません。私は「真似っこしてます」と言われると嬉しいですし、嫌悪感を抱くようなことはありませんのでどんどん利用していただけたらとっても幸せです

必要とされたから著書本を出版させて頂けて、今こうして活躍の場を頂けているということにいつも感謝の気持ちを忘れません。

だから本があり、作り方を紹介する中で多くの方にチャンスの場を作ってほしいと心から願っています。

それでもつい最近「あなたの作品は模倣です」といったお怒りメールを頂きました。いくつかのサイト名を連ねた内容が書かれたものだったのですが、全然知らないサイト名ばかりで正直理解ができませんでした。

毎日SNSで発信する側になってからは、ほとんど周りを見る余裕がないので視野はだいぶ狭くなってしまっています。

情報が満載なインスタも、過去のトラウマからほとんどミュート状態にしていたり・・・。できるだけ目で見る情報を控えている状況がいまだに続いています。

似たようなデザインはたくさんあって、私自身が紹介しているレシピだからと言って私の所有物ではありませんし、権利を持たなければどなたのものでもないと思います。

著作権に関しましても、「あのレシピはいいけど、このレシピはダメ」など一つ一つ細かく説明するのは非常に難しいのでひとくくりにしている部分はございます。あとは個人様の判断に任せていますが、私も表現を工夫しないといけないなーと今回ありがたくも気づくきっかけになりました。

ハンドメイドはどうしても人が関わるだけに、誤解やトラブルは付きものかと思いますが、本来は温かいものであって、心穏やかに癒されるものであってほしいと願います。誰かを責めたりしてもなんの得にもなりません。

自分に返ってくるものが温かいものであるように、作っていて楽しい!使っても楽しい!そんな風に思いながら作る時間は心も育つ時間です

プレゼントする相手を思い浮かべて作る時間なんて、自然と顔がほころんじゃいますものね

相手の気持ちに立ちながら、これからも皆様が楽しく手作りライフを送れるように、楽しいレシピを提供し続けていけたらと思います。


最後までお読みくださりありがとうございました


2021.10.31

猪俣友紀






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