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サステナブルに暮らし、人生を楽しむ手段としてのタイニーハウス。

「タイニーハウス」と聞くとどんな印象を持ちますか?
僕はその言葉自体知っていたものの実物を見たことは無かったので、「小屋」とか「DIY」とか「ワークショップ」といった曖昧なイメージしかありませんでした。あとはタイニーだしかわいい?みたいな。


そんな僕が来ているのはオランダ第二の都市であるロッテルダム。workawayというボランティアマッチングサービスを使い、タイニーハウスを作っているというオランダ人カップルの元で1週間お手伝い出来ることになったのです。ワクワク。

アメリカで生まれたタイニーハウス

調べてみると、この家の形は1990年代のアメリカで提唱され、2008年のリーマンショックをきっかけに「シンプルで無駄の無い生活」が注目され、タイニーハウスはムーブメントとして広がっていったそうです。

http://yadokari.net/orchestra/orchestra-whatistiny-about/

ただ、タイニーハウスと一口で言っても、自分で作るor業者にお任せ、居住用or作業用or商業用、固定型orモバイル型…など多種多様らしいのですが、僕がお世話になったホストは、自分たちの住む家を0からセルフビルドしています。つまり、屋根から柱、壁、床、キッチン、家具まで全て材料調達から組み立て、設置まで自分たちで行っています。

そして、およそ1ヶ月半後には作業場から場所を移し実際に住み始めるんだそう…!今まで出来合いのマンションやアパート暮らしが当たり前だった僕には刺激の強すぎるお話でふ。

地球に優しい家づくり

更にすごいのは、サステナブルに対する彼らのこだわり。屋根には太陽光パネルを設置する予定で、完全オフグリッド(電力会社などの送電網に頼らない独立型電力システムのこと)を目指し、柱や壁、床などの外装・内装に使用している材は中古か誰かから譲り受けたものを出来るだけ選ぶようにしています。

なんとトイレまで手作り&エコ。無水式で、おかくずをかけるとにおいもしないそうです。

僕はこの1週間の滞在中、木材の分解や組み立て、ペンキ塗り、壁紙貼りなどをお手伝いさせて頂きました。

彼らとの距離

しかし更に驚くべきは(まだあるよ)、彼らはまだ27歳だということ。きええぇ。人と比べることはあまりしたくありませんが、僕と3つしか変わらない彼らがマイホームを待とうとしているこの事実と僕の現状を比べると、どうしようもない乖離を感じます。それも地球に出来るだけ負担の少ない形で。

僕はとにかく圧倒されました。2〜3年後の自分はどこで何をしているでしょうか?色んなパターンは想定出来るけれど、こんな未来は全く見えません笑。それどころかパートナーがいるかどうかさえ怪しいし、お金も多分無いし、家を作るなんて発想にすら及ばないと思います。

それでも、サステナブルはみんなのものだと信じたい。

それでも僕が勇気と希望を持てるのは、彼らのやっていることは、自分たちの暮らしを楽しみながらもサステナブルなものにシフトさせていくことだということ。例えば、新品を選ぶのではなく、中古の物や環境や社会に配慮されたものを選ぶとか、あるいは自分でちょっとした家具や日用品を作ってみるとか、そういうことなら自分にも出来そうです。

あと彼らは家作り以外にもこだわりを持っています。例えば、ヴィーガンであること、車も持っているけど自転車を使うこと(毎日20〜30分かけて通勤)、多くの物を持たないこと、プラスチックバッグを使わないことなどなど。

勿論日本で実践することが難しい部分はあるものの、明日から実践できることはあると感じます。(実際この1週間はほぼ全ての食事がベジタリアンorヴィーガンで全く問題なし、それどころか体調万全なので日本に帰っても続ける予定です)

これはナス、パプリカ、フェイクミート(豆腐)で作ったパスタ。

サステナブルはもっと多様であっていい。

僕は彼らがサステナブルなタイニーハウスを作っていると知ったとき、そこにサステナブルな暮らしの正解がある様な気持ちで飛び込みしました。しかし違いましまた。確かに彼らの暮らしも一つの正解ではあるけれど、僕には僕の、あなたにはあなたの正解があるはず。

毎日の暮らしの中のサステナブルを楽しむことの延長線上、あるいはその周辺に、彼らのやっているタイニーハウスという選択肢も存在しているのだと思います。

おそらく日本とオランダでも、「サステナブル」の形はは違うし、一つの国や地域、コミュニティの中でも一人一人が考え実践するサステナブルはもっと多様であっていい。そのためにはまだまだ選択肢が必要(特に日本)だけど、一人一人が自分に合った形でサステナブルを楽しめる世の中になればいいな、というかそうさせていきたいと思わせてくれる1週間でした。


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