読書10『大東建託の内幕"アパート経営商法"の闇を追う』2018年出版

元•山陰新聞で現在フリーライターの三宅勝久さんが10年以上に渡って取材した大東建託の悲惨な実情を書いた著書「大東建託の内幕"アパート経営商法"の闇を追う」を読了しましたので気になったところをまとめたいと思います。

•苛烈な労働環境

一日15,6時間勤務で土日祝出勤は当たり前、達成するのが難しいノルマ、上司からのパワハラ、地主やアパート経営者からの苦情、何をとってもよろしくない労働環境に大東建託の社員はさらされているそうです。それに比べて自分はなんて幸せな労働環境にあるんだと内心ホッとしました。

自殺や自殺未遂をする方は他社に比べて多く、退職者もひっきりなしということです。歩合制で給与が月1,000万円を超える場合もあるらしいのですが、社員が工事費や契約料を建て替えることが常態化しており、最終的には皆さん借金だらけになるとのことです。

地主はアパートを建てるつもりはないのに、契約書などを偽装して売上として計上する場合もあったそうです。ある時期から急激に建築数が増加したことで品質が悪くなって雨漏り、壁に亀裂、床が波打っているなど苦情が激増したそうです。

売上1兆円を超えている企業とは思えません。電通での自殺事件は記憶に新しいですが、あれは会社の中の一部の人間に問題があるだけでしたが、大東建託の場合、会社の体質としてかなりいびつな態にあると言わざるを得ないと感じました。

•自殺者が出たり、犯罪者が出ても会社側はダンマリ

大東建託はマスコミにとって大口広告主であるため、大々的に報道しないこともあって、会社側の体質はほとんど変わっていないようです。最近になって各地の労働基準監督署の指導が入って一部の社員をトカゲの尻尾きりのように解雇したそうです。大きな社会問題にならない限り、変わらないのだと感じました。

CMで知っていた印象が大きく変わりました。30年一括借り上げの家賃保証も10年たったら、家賃引き直しで地主さんたちはとても苦労されているそうです。契約書にごく小さい文字で書かれているらしいので、自分も何らかの契約があった場合は騙されないようにしなくてはと思いました。

どなたかの参考になれば幸いです。

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