見出し画像

自部署で雇用を禁じたら、1年で仲間が8.5倍に増えた経営の話。


ランサーズの根岸です。

2019年4月10日、新しい働き方LABを発足しました。そこから1年間、僕の部署では、勝手に、新規の直接雇用を禁じていました。結果、仲間が8.5倍になり、行動スピードの質と量が飛躍的に向上しました。

図23

なぜそんなことをしたのか? Facebookにポストしているとおりなのですが、少し言い方を変えると、「仲間=社員」「社員=コミットメントが高い」「社員がいないとミッション遂行できない」という、思考そのものが、ただの言い訳で、モッタイナイと気づいてしまったから。

「仲間=社員」という前提で考えると、何が起きる?

画像2

上司「これを実現しよう」
部下「いや、それをやるには人が足りないです」
上司「では何人いたら実行できるの?プランして」
部下「はい…」
(1週間後)
部下「これだけの人数が居たら、できます」
上司「人材難だからそんなに採用できないだろ。採用できる根拠は? 仮に採用できたとしても育成に時間かかるだろ。両方できるのか?」
部下「は、はい……」
(1週間後)
上司「どうだ?」
部下「煮詰まってます」
上司「ん~、目標設定見直しを上に相談するよ」
(上の人の会議調整で1週間)
上司「・・・ということで、現実的ではありません」
さらに上司「そこの知恵を絞るのが役割だろ」
上司「は、はい……」

そうして、採用できないから進まない。成功も失敗もしないまま、時が過ぎ、タイムオーバー。現実的な解がないまま、突っ走ることになる。そして・・・

「雇用形態は関係ない」という前提で考えると、何が起きる?

画像3

上司「これを実現しよう。体制はつくれる?」
部下「社員じゃなくてもいいですよね?」
上司「どっちでもいいよ」
部下「出社は必須ですか?」
上司「どっちでもいいよ」
部下「フルタイムじゃなくてもいいですよね?」
上司「雇用も、場所も、時間も、全部手段でしかないから、どっちでもいいよ」
(1週間後)
部下「15人集まりました。しかも最初に声をかけた人が、別の仲間も連れてきてくれたので一気に増えました」
上司「どうやったの?」
部下「雇用関係も出社も関係ないから、ネットで声かけました」
上司「なるほどね」
部下「すでにzoom会議も始まっていて、施策案が3つできています」
上司「よろしく」
(1週間後)
上司「どうだ?」
部下「1つは仮説が当たったのですが、2つは大失敗しました」
上司「何を発見できた?」
部下「よかったのはこれで、悪かったのはこれです。だから次の手に移っています」
上司「わかった。報告はしておくから、推進よろしく」
(上の人の会議調整で1週間)
上司「・・・という状況で、次のステップに進めています」
さらに上司「了解。よろしく」

雇用という手段にしばられないおかげで、成功と失敗をスピーディーに体験し、成功確度をあげていく

差分は何か?
直接雇用ありきの思考か、そうでないかで、「選択肢」に差があるから、「実行確度」と「実行スピード」が全然違います。

よかったこと① 仲間を探す範囲が広がる

図2

直接雇用ありきの思考の場合、往々にして、①出社できる距離に住んでいること、②フルタイム勤務が可能なこと、が大前提となります。さらに、その人はもちろん、その人以外の関係者も増えてしまう。どちらが明らかに商圏が広いか一目瞭然です。(※上記の表は、企業が東京にあるという想定)

企業目線でいうと、採用とは、自社(商品)を、求職者に購入してもらうこと。ある意味、ECサービスの変化にも似ている。

たとえば酒屋。従来は、酒屋に来店できる人だけをターゲットに商売をしていた。でも、もうそれだけだと成長しない。ネットで販売することで、商圏を、あるどこかの町から、日本中ひいては世界中に広げた。

よかったこと② 同調ではなく協調の体制になる

画像5

直接雇用の関係だと、(必ずしも悪いことではないが)どうしても上下関係が発生します。雇用契約しているからね。でも、多くのケースにおいて、上下関係は明らかに弊害のほうが多い。指示を受けて、指示どおりに動くことになりがち。

忖度しながらやるから、良いアイデアやするどい気づきがあっても、それが表に出づらい。雇用の縛りがないとフラットでオープンな関係が築きやすい。だから、新しい発想や意見が、忖度なく次々飛び出します。(※目指したいこと、達成したいことだけは一緒です)

上下関係があると、上司の想像力が限界
経験は上司のほうがあるかもしれないけど、これだけ変化が激しくて、先が読めない時代だから、5年前の経験なんて昔ほど価値がない。もちろん意味がないとは思わないけど、少なくともそう考えたほうが健全で妥当だ。どう考えても、フレッシュな人のほうが面白いよね(41歳、自戒を込めて)

よかったこと③ 仲間が仲間をつれてくる

画像6

仲間には、別の仲間がいます。目指したいことが一致していたら、仲間が仲間をつれてくるようになりました。類は友を呼ぶから、すぐに共同体になれます。採用でいうとリファラル採用みたいなものです。

その結果、1年間で、同じ目標にワクワクできる仲間が8.5倍(4名→34名)になりました。34名は雇用関係はありません。

4名の経験やアイデアと、34名の経験やアイデア。どちらが、発想力が豊かか。どちらが、新しいチャレンジがしやすいか。

もしも1年前、直接雇用に固執していたら
絶対に30名以上の仲間は増えなかった。仮に3名は増やせたとしても、さまざまなコストがかかったはず。いま、コロナで大変な時期です。収束は願うばかりですが、実行力は何も変わっていない。むしろ、いま、逆にどんどんアイデアと企画が出てきて、実行が大変ww

30名以上の仲間って?
新しい働き方LABというフィルターを通して、30名以上の仲間ができました。職種も住んでる場所も何もかもバラバラ。多数の広告賞を取ったクリエイターもいれば、海外で活躍する人もいたり。唯一同じなのは、目指したい世界。誰もが自分らしく働ける社会をつくりたいこと。だから助け合うし、相乗効果も出る。出過ぎて大変ww

とはいえ、なんでもかんでもうまくいったわけではありません。もちろん大失敗もたくさんある。むしろ多いです。でもだからこそカイゼンできたこともあるので、ぶっちゃけ話は、今後公開していきます!

スマート経営を知ってもらいたい

図3

ここまで書いてきたのは良い面ばかりですが、もちろん、この1年すべてがスムーズに進んだわけでありません。壁もたくさんありました。失敗もたくさんしました。仲間がすごく増えましたし、人不足の感覚は基本的にはなくなったけど、瞬間的に足りない!って感じてしまうこともありました。ただ、制約は発明の母と信じて、直接雇用を増加することだけは断固拒否の姿勢を通しました。

武士は食わねど高楊枝。1年が経過し、仲間のおかげで、これからの新しい組織の在り方がみえてきました。少なくとも僕自身は、しっかりとオススメできるところまできたので、導入支援サービスを開始します。

スマート経営の話を聞いてみたい。サービスとして提供開始していますが、ただ、話を聞いてみたいだけで大歓迎です。

任天堂の売上は結果でしかなく、もっと大きな視点で「ゲーム人口の拡大」をビジョンに活動していた岩田さん。僕はまだまだ全然足元にも及びませんが、そういった視点で、スマート経営を伝えていきたいと考えています。

お問い合わせからでも、僕に直接ご連絡をいただいても、よかったらどちらでもお気軽にご連絡ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?