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[好きな広告を勝手に解説するシリーズ] イナバ物置 ~100人乗っても大丈夫!~

「好きな広告を勝手に解説するシリーズ」 vol.15は、イナバ物置の広告「100人乗っても大丈夫!」です。

ターゲットは顧客じゃない!?

広告の基本は、誰に、何を、どのように、です。この「誰に」は、通常顧客が設定されますが、この広告のターゲットは、イナバ物置の社員(正確には、イナバ物置の営業をしている人)です。

TVCMはあらゆる広告手法の中でも高額です。費用面だけでなく、相対的に準備が大変だからPDCAは回しづらい。ある意味一発勝負だから、ダイレクトに業績に近づきたくなるため、顧客に向けてコミュニケーションしたくなる。そもそも、セオリーどおりだから問題ありませんが。

ところが、この広告は、社員がターゲット。物置を買う人ではなく、売る人に向いているので、商品を購入する人が業績に一番近いとすると、少し遠いのです。

注)広告の表現は顧客に向けています。ただ、「壊れない物置です」としか言ってません。それくらいシンプル。しかも、100人のれるサイズの物置がほしい人ってどのくらいいるのか?と考えると、マスでやる意味が薄すぎる。

インナーモチベーション

では何故社員向けにやるのか。インセンティブの設計が普通と違うからです。ひと工夫あります。

広告は普通、顧客に向けてベネフィットを提示し、価値を感じてもらい、購入アクションを促します。

この広告は、社員に向けて、「業績良かったらCM出演権あげます」と裏でベネフィットを提示し、営業活動を強烈に活性化し、営業マンを通じて顧客にベネフィットを提示し、価値を感じてもらい、購入アクションを促しているわけです。

いずれもエンドの顧客に着地するのですが、物置のニーズの広さ、事業の業績が上がる構造、営業マンの特性、を踏まえたときに、ひと工夫あるプロセスになった。

初回はマグレかもですが、2回目以降のCMは間違いなく意識しているでしょうね!

以上、広告好きの私見でした。

その他の「好きな広告を勝手に解説するシリーズ」はこちら。通勤電車などの暇つぶしにのお供に。

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