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ハタチの自分という亡霊を成仏させた話

先日は成人の日だった。
かつての成人だった私は、それから10年以上が経過している。

当時、いろいろな理由があって成人式に参加しなかった人もいると思う。
そもそも振袖を着ることすら叶わなかった人もいるだろう。

私は当時、無職というとても居心地の悪い状態でありながら参加した人間だ。
ただ、少し違う方面でさまよっていた、かつての自分の「亡霊」を成仏させることに成功した。
今日はそんな話をしようと思う。

袴(はかま)姿への憧れ

なんだかんだ成人の儀を迎えた私。
大学は通学制から通信制に変わっていた。

高校までは目立たなかった発達障害の特性が災いして、
大学にうまく通えなくなった。それでも通信制の大学で単位を取得した。

バイトはしていたけれど、田舎でできる仕事といえば接客業。
通信大学の学費を最低限、という感じだった。

妹は特殊な専門学校に通っていて、通常の大学のように4年制。
学業は苦手なようだったけど交友関係も広く、無事卒業した。

成人式のときに着た着物と、そのときに買ってもらった袴を履いて。

私は大学1年を通った時点ですでに通信制に転入をしたので、
成人式でも着物は購入せず、レンタルで済ました。
二度使うならまだしも一度しか使わないしと、私も思ったし、親もそうだねと。

でもずっと、袴を履く、という憧れは、心のどこかにくすぶっていたと思う。

貧乏人にはハードルが高い

着物を着る、というのはとかく一般人にはハードルの高い話だと思う。

オンオフ問わず出没する着物警察の目。
押し売りしてくる着物関係の業者。
そもそも着物って高すぎると。

そのハードルを下げてくれたのが、
私が現在までに度々お世話になっている、
茨城県笠間にある千成屋さんだ。

こちらは非常にリーズナブルな価格で着物のレンタルを行っている。

柄も価格帯によって選べる種類は異なるけれど
モダンなものから古典的なものまで選べるし、
洋風MIXなんてオプションもある。洋服の延長線のようなファッションを楽しむことも可能だ。

私はここで、洋風MIX、偕楽園の散策に合わせたシンプルな和装、
紫陽花まつりに合わせた浴衣、そして念願の袴姿でのセルフ撮影を
季節をまたいで楽しんだ。

なんだかんだで袴姿はあまり気に入ってない……というか(笑)、
洋風MIXと浴衣のコーデが我ながらお気に入りすぎたので、そっちの印象が強くなってしまっているのだけれど。

ずっと、
お気に入りの着物で納得のいく写真が撮りたいなーって願望が亡霊のように自身の頭の片隅にあって。

それが成人を過ぎ大学卒業の時期を過ぎて、
10年近く経って叶えてあげられたことに、よかったなあと思っている。

そうでなければもしかしたら、
死ぬ間際に「ああやっておけばよかった」って後悔することのひとつだったかもしれない。

いくつだってやりたいことは叶えておこう

成人の日、「かつての成人」であろう人々が色々と呟いていた。

私は成人の日の写真だって納得いってるものではない。
なんか口紅が濃くて似合っていないし。(今考えればパーソナルカラーとパーソナルデザインに似合っていないんだなあと)

そりゃあ、ハタチの頃というのは一度きり、あの時しか作れない思い出だ。
私が大学卒業の袴姿を撮りたいなら、あの頃しか撮れなかった。

でも、やっとけばよかったなあって思いがあるなら、
今からでもやればいいんじゃないかと私は思う。

私も、30歳で袴姿とかアレかなあ……洋装MIXとかやっぱり20代の子のほうが似合うんだろうなあとか色々考えてしまうことはある。

それでも、後悔はしたくなかった。

そして、自分で納得できる写真を人目気にせず撮ればいいと思うのです。

「暫定遺影を撮る」という心持ちで

写真館など他人がいる状態では、私は変な力が入って写真がうまいこと撮れたためしがない。
それは過去の若い自分に戻れたとしても一緒だと思う。

また、「自分を喜ばす」という一心で着物を着たり、自撮りをするってのがどうしても気が進まないという人もいると思うのです。
私も、おそらくこの「自己満」というだけでは動くことができなかった。

私はいつも自分の姿を撮ろうとするとき、
「暫定の遺影を撮ろう」というミッションを課しています。

別に、自殺するつもりとかは一切なくて。
ネガティブな意味じゃなくて、人はいつ死ぬかもわからないから。

私は写真が苦手ですし、交友関係も少ないからその写真は未来永劫使われることはもしかしたらないかもしれないけど、
とりあえず暫定的に「この自分いかしてるやん」という写真を更新しておくことは大事かなと。

変な写真を使われたくはないじゃないですか。

こう思ったら、そこそこ写真を撮ることに積極的にはなれました。
コロナ禍で会えない祖父母に写真付きハガキを送るというのも兼ねて。

やりたいことを叶えるために

私は近くに4000円程度から着物のレンタル・着付け込みのサービスを行ってくれる千成屋さんがあってとても嬉しかったです。

お住まいの地域で成人式のサービスをやっているところは一杯あると思います。まずはそちらで個別に打診してみるのも手だと思います。
わけあって今、かつての成人式(or卒業式)のリベンジをしたいのだと。

お着物屋さんはやはり人生の節目において記念になることをサポートしてくださるので、けっこう親身になって話を聞いてくれる可能性が高いです。

ただ成人式のプランとなると数万円かかるところも多いのですよね。
もちろん費用面問題なければそちらでお願いするのがいいかと。

私はそこまでお金をかけられなかったので、
最初は楽天市場などで「着物のレンタル」を調べてみていました。

お安い着物をレンタルして、近所の美容室などで着付けをお願いすれば、
とてもリーズナブルにお着物を着ることができます。

ほか、近所で「着付け体験」を探してみるのもいいと思います。
観光地であればそういうサービスを行っていることも多いです。

ただ、私が一番オススメしているのはやはり、
笠間の千成屋さんで着付け体験をされること。
ここまでリーズナブルで、袴や小物などオプションを用意されてるところは他にあまりないと思います。

笠間であれば近くに笠間稲荷神社など観光地もあり、
撮影もはかどります。

近隣にお住まいの方でなくても。
正直、笠間に旅行に着て着付け体験をしたほうが安上がりになることも多いのでは。
着物フルセットだとレンタルでも数万はしますので、それであれば旅行も楽しめてそのついでに非日常な体験ができて一石二鳥です。

コロナ第6波が落ち着いたら是非足を運んでほしいなと思います。

笠間で撮った洋装MIXのやつ。陰キャなのでカメラ目線キメキメは無理だった(笑)

自分なんて大嫌いでした。今も好きではないです。

ああでもこの写真の自分っていいやん。
あの時すごくワクワクしたなあ。

なんだかんだでこういうことにお金を使えるようになった、わたし大人になったなあ。

のちにこういう気持ちになれたから、
私はやってよかったです。

あなたも、過去の後悔。「やってみたいな」って憧れが少しでもあるなら、
チャレンジしてみませんか。

未来の自分は、自分で喜ばせることができるんです。

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