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普通の看護師が歌舞伎町ホストにハマったお話1

そのころ私は就職1年目の終盤
仕事も日常業務はおおむねこなせるようになり、先輩に怒られることも少なくなってきた。勤務は2交代、月5回程度の夜勤でまだまだ未熟ながら病棟ナースの一員として認められるようになってきたころ。

プライベートでは恋愛に苦戦中。
大学卒業間際から大好きで仕方がない人がいた。彼をかすくんとしよう。
かすくんは有名私立法学部の1つ年上の大学院生。週5~7回だいたい22時ごろ電話をくれる。1年目のしんどい時期はずっと彼との電話があったから仕事を続けてこれた。

先輩に怒られたり、仕事がうまくできずに悩み、毎日のように泣いてた私に
「ねぎちゃんは泣き虫だね~」
「そんなにつらかったら辞めて俺のところにお嫁にくればいいよ」
「俺とねぎちゃん以外みーんなじゃがいもだよ、大丈夫」
いつもそんな感じで仕事のことに深入りせず、ゆるーく流しながら話を聞いてくれた。私がひたすら泣いてる時は彼の日常のなんでもない話をゆっくり続けてくれた。いつも私が寝落ちするまで電話をして、朝おはようラインをして仕事に行く。

悩んでいることを事細かに聞き出してアドバイスされたりせずに、ただただ聞いてくれるその距離感がちょうど良かったし、何より彼の声を聞いているととにかく心が落ち着いた。

でもかすくんとは恋人の関係にはなれなかった。
毎日のように電話をして、時々会って、ごはんを食べて身体の関係を持つ。いわゆるセフレ。最初はそれでも良かったし、幸せだと思ってた。彼の存在がなかったら仕事が続けられない、心がパンクしてしまうという依存もあったと思う。

でもやっぱりしんどい。
身体は求められるし、毎日電話もしてくれる。私にこんなに時間を使ってくれるのに、なんで付き合えないの?
でもそれを口に出すとこの関係さえも終わってしまう。彼の前ではにこにこ良いコでいるだけ。

だきすきー!っていうと「俺もねぎちゃんだいすきだよー」って言ってくれる彼の言葉だけを信じるしかなかった。(スキの気持ちがある人とセフレになるもんじゃないね)

そんな生活を1年くらい続けたころ、彼から離れようとしてみた。
こんなことを続けてちゃいけないやめないと。
でもかすくんを好きな気持ちは消せない
かすくんとの電話がなくなったらしんじゃうくらいつらい寂しい。

そんな時、年度末賞与が出たんですよね。
就職1年目でそんなものがあることは知らなかったので、不意打ちで一年間がんばってきたご褒美、みたいな感じがした。
そこでなぜだかホストクラブに行こうと思った、このお金で。

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