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神経系②-1 末梢神経~構造と機能~

神経系は、中枢神経の構造と機能、障害された時の症状で終わっていたので

次は、末梢神経について確認していこうと思う。
ここからの記事は
・末梢神経の概要
・脳神経の分類と走行
・脊髄神経の走行
・感覚&運動の伝導路
・自律神経の分布
の順で投稿する予定。


末梢神経の概要

中枢神経=脳&脊髄
そこから出入りしているのが
末梢神経脳神経脊髄神経
    (12対) (31対)

※正確には脳神経の出どころは主に間脳や脳幹

末梢神経はその性質によって
・体性神経(求心性=感覚N・遠心性=運動N)
・自律神経(交感N・副交感N)
に分けられ、
いずれかの線維の単品orセットで結合組織に包まれて束になっている。

末梢神経の種類
~末梢神経は味方によって名前変わるので
「は?(*´Д`)」ってならないように~

感覚神経

感覚神経は、
末梢で受け取った刺激を中枢に伝えるため
二股に分かれていて、細胞体のところで神経節を作る。
受容器→感覚神経→中枢
の流れは共通だが、
刺激の種類によって受容器は様々。

【特殊感覚】
嗅覚・視覚・聴覚・平衡覚・味覚
は、鼻・眼・耳・舌といった
専用の感覚器がある。

【体性感覚】
体性感覚は、
皮膚で感知する表在感覚
筋・腱・関節で感知する深部感覚
がある。

特殊感覚と体性感覚
~体性感覚のイラストはどこの関節やねん、とか
考えてる暇があったら次にいこう(*´ω`*)~

※小体とか盤とか終末とかは、書籍によって
 表現違ったりするので、カタカナのとこだけ
 覚えればOKかと

運動神経

運動神経は、
中枢からの指令を骨格筋に伝える。
中枢→運動神経→骨格筋
の流れ。
・α-運動Nは錘外筋線維(いわゆる筋肉)
・γ‐運動Nは錘内筋線維(in筋紡錘)
に分布している。
筋肉を持続的に収縮させられるのはこれらの運動Nがαγ連関してくれてるおかげ。

~αγ連関ってなんぞや?~
筋肉が伸びるのに合わせて錘内筋が伸びると、筋紡錘は、Ⅰa群求心性線維経由で中枢に信号を送り、α-運動Nによる筋肉の収縮が促す。
(筋紡錘が「引きちぎれるっっっΣ(´□`ノ)ノ」と感じた結果起こるのが伸長反射。)
γ‐運動Nが錘内筋線維をピンと張ると筋紡錐の感度がアップして、錘外筋線維の収縮しやすくなる。
感度を調整することで程よい緊張具合をキープできるよっていう話。


自律神経

自律神経は、
内臓で受け取った刺激を中枢に伝え、
中枢からの指令を平滑筋や腺に伝える。
骨格筋と違い意識して動かすことはできない。
内臓→自律N→自律N→中枢
中枢→自律N→自律N→内臓

てな感じで、他と違って末梢神経間でいったんシナプスる。
昔は自律神経は遠心性のものだけと思われてたけど、もちろん求心性のものもある。
(内臓求心性線維…そのままの名前。)
Ex.)ツェルマーク・へーリング反射
頸動脈洞で血圧上がってる!と気づいた舌咽Nが延髄にお知らせ。
直ちに血圧下げ隊の迷走Nが出動する。
鍼で人迎(胃経のツボ)を刺激したら血圧下がるのもこれ。

自律神経については、もうちょっと掘り下げたいので別に記事を作成予定。


脳神経

脳神経は左右12対あって、出どころが上にある順にⅠ~Ⅻの番号が振られていて、感覚性・運動性・副交感性の線維を含んでいる。
ここでは、脳神経の番号と名前を一致させて、その役割と走行を見ていきたい。

脳神経の名前と役割

脳神経(CN.)は、12対あって、それぞれ名前がついているので、ゴロで覚えるのが得策。
学校で習ったのは、
いでて、滑車のさん()のそと
)、かお みみ のど()に
 ふくぜつ()」
意味はわからんが、勢いで覚えた記憶あり。

それぞれに含まれる神経線維の性質は
CN.Ⅰ 嗅N=感覚性(3)
CN.Ⅱ 視N=感覚性(3)
CN.Ⅲ 動眼N=運動+副交感性(7)
CN.Ⅳ 滑車N=運動性(5)
CN.Ⅴ 三叉N=感覚+運動性(8)
CN.Ⅵ 外転N=運動性(5)
CN.Ⅶ 顔面N=感覚+運動+副交感性(10)
CN.Ⅷ 内耳N=感覚性(3)
CN.Ⅸ 舌咽N=感覚+運動+副交感性(10)
CN.Ⅹ 迷走N=感覚+運動+副交感性(10)
CN.Ⅺ 副N=運動性(5)
CN.Ⅻ 舌下N=運動性(5)
となっていて、()内は、
3=感覚性
5=運動性
2=副交感性
とした場合の合計数。
これをもとに
「さんさん名古屋の後藤さん、
           とうとうゴーゴー」
というゴロをこれまた学校で教わったのだが、
ゴロで覚えるの苦手な葱は、
12脳神経のゴロでお腹いっぱいだったので、
「うん、無理(*´ω`*)」と即決して
・嗅ぐ・視る・聞くは感覚単品
・それ以外は運動性を含んでる。
・顔面・舌咽・迷走は全部
ってな感じで覚えた。
動眼神経と三叉神経は?
ってなりそうなところだが、
・顔面の感覚は顔面Nじゃなくて三叉N
・動眼神経はだいたいの眼の筋肉を動かしてる
 (=瞳孔括約筋・毛様体筋も)
ということさえ押さえていれば間違うことはないはず。

脳神経の役割
~嗅Nは、教科書に「嗅球に終わる」
って書いてたので中枢のとこに書いてるけど、
そもそも嗅N自体が末梢ではなく中枢N説~


脳神経の走行

脳神経については、
出発地点や穴シリーズ、神経節といった走行を覚えるのもポイント。

脳神経が通る孔シリーズ

神経節を作るのは、感覚Nと自律Nなので、
運動NのみのCN.Ⅳ・Ⅵ・Ⅺ・Ⅻはスルー。

神経節
~顔面Nの感覚性の神経節…言われてみればそこはかとなく膝…~

神経の走行が分かれば、神経系の疾患で併発する症状についても、ある程度は「まぁ、そうなるよね( ´_ゝ`)」って思える。
Ex.)下垂体腫瘍
  →
ホルモン異常+外側半盲
  でっかくなった下垂体が視交叉を圧迫
  ラムゼイハント症候群
  →顔面N麻痺+内耳N症状
  顔面Nがヘルペスウイルスにやられ、
  近くを通る内耳N(聴N)もやられる

~顔の神経 Ⅴ&Ⅶ~

三叉Nと顔面Nは結構枝分かれてて
試験とかにも出題しやすいのかな?
と思うのでちょっとCHECK!
基本的には
顔面の知覚≒三叉N
Ex.)三叉神経痛…顔が痛い
顔面の運動≒顔面N
Ex.)顔面神経麻痺…顔が動かない

ちなみに、顔面神経麻痺は、どのポイントがやられてるかで、症状の出方が違う。
・中枢性(核上性)→前頭部除く片側の表情筋✕
         =おでこのしわ寄せはできる
・末梢性(核性)→片側の表情筋✕
・膝神経節~✕→涙・鼻水✕
       (大錐体N・翼口蓋N節)
        聴覚過敏
       (アブミ骨筋枝)
        味覚✕/唾液✕
       (鼓索N/顎下N節)
てな感じ。
ちょっとややこしい気もするが、
走行覚えたらついでに覚えられる。


~眼の神経いろいろ~

顔の中でも眼やその付属器には、
感覚・運動・交感・副交感…
様々な神経が分布している。

眼の周りの運動&自律N
~瞳孔括約筋や毛様体筋は平滑筋なので動眼Nのなかでも副交感性の線維が支配してる~
網膜ズームアップ
~形的に杆体より錐体推し~

なので、眼にどんな症状が出てるかで
どのあたりがやられてるか推測できる。
Ex.)眼瞼下垂(上眼瞼挙筋✕)→動眼N
        (ミュラー筋の場合交感N)
    閉眼障害(眼輪筋✕)→顔面N
    視交叉✕→両耳側性(外側)半盲


てことで、今回はこの辺にして、
次回は脊髄神経!
神経叢とか、手足の神経の走行とか見ていきたいので長くなりそうな予感しかしない(;´・ω・)

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