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現代医学の基礎②
前回は、細胞の構成や細胞分裂、組織の大まかな分類なんかをやったので、
今回は各組織のもうちょい具体的な特徴について確認していく。
・上皮組織
・結合組織
・筋組織
・神経組織
という順でみていく。
上皮組織
皮膚の表面や内臓の表面・内腔
に位置する組織。
コラーゲン線維の板(基底膜)の上に
細胞同士がくっついて並んでいる。
細胞間接着装置
くっつくための細胞間結合装置には
密着結合(タイト結合)・接着結合
デスモソーム(接着斑)・ギャップ結合
がある。
【密着結合/タイト結合】
細胞表層を隙間なくくっつけて
細胞の間から物質が入れない
Ex.)血液脳関門・毛細血管内皮
【接着結合】
密着結合のすぐ下で、隙間に接着剤
(カドヘリン)挟んでいる。細い繊維
(アクチンフィラメント)で補強
されている。
【デスモソーム/接着斑】
形は斑状で、隙間にカドヘリンを
高密度に挟んでいる。やや太い繊維
(中間経フィラメント)で裏打ち
されている
Ex.)表皮
【ギャップ結合/細隙結合】
形は斑状で、隣の細胞間を情報伝達
係の膜タンパクが貫通している。
Ex.)心臓(機能的合胞体)
がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1665805140379-MS4PmgBgPe.png?width=800)
~デスモソームっていう名前が敵キャラっぽいけど、細胞くっつけてるいいやつ~
上皮組織の分類
上皮細胞は、
・並んでいる細胞の形・配列や
(扁平/円柱/立方・単層/重層/多列)
・細胞のもつ機能
(保護/感覚/吸収/線)
によって分類される
まずは、形・配列による違いを確認。
なんでそんな形態になってるのかを
イメージしながらだと覚えやすい。
【単層扁平上皮】
薄い細胞が1層だけなので
物質を出し入れする場所に多い。
Ex.)血管内皮・リンパ管・肺胞
【単層立方上皮】
扁平上皮より分厚い分
ミトコンドリアがたくさんいるので、
エネルギーを使って
物質を出し入れする場所に多い。
Ex.)甲状腺濾胞・尿細管
【単層円柱上皮】
立方上皮より高さがあり
分泌物をためられるので、
物質を分泌する場所に多い。
Ex.)消化管粘膜
【線毛上皮】
線毛が粘液や微粒子を運ぶので
これらが移動する場所に多い。
Ex.)気道(多列線毛)・卵管(円柱線毛)
※多列上皮はぱっと見、重なってんのかな?
って思うけど単層
【移行上皮】
層の厚みを変えることができるので
液体をためておくところに多い。
Ex.)尿路(腎盂~尿道前立腺部)
【重層扁平上皮】
薄い細胞が重なって保護してくれるので
外部刺激が加わりやすいところに多い。
Ex.)皮膚・口腔~食道・直腸下部・膣
![](https://assets.st-note.com/img/1665555093430-YTHLCI30y6.png?width=800)
~働きに適した形になので、結局機能の違い?~
機能による分類には
保護(保護)・感覚・吸収・腺上皮
がある。
まぁ、名前のまんまの機能なのだが、
腺上皮に関しては、分泌様式によって分布している場所や呼び方が変わるので要確認。
![](https://assets.st-note.com/img/1665553371639-EMunJ4eHIP.png?width=800)
~ワキガはアポクリン腺と細菌のコラボ~
結合組織
器官や組織の隙間を埋めて支える組織で
線維性結合組織・軟骨・骨・血液・リンパ
がある。
細胞外マトリックス*の中に細胞成分が
散在しているのが特徴。
*細胞外マトリックス=線維成分+基質
名前がかっこいいから難しそうだが、
細胞の周りにある物質たちのこと。
線維性結合組織
狭義の結合組織はこいつのこと。
密生結合組織と疎性結合組織に分けられる。
【密生結合組織】
線維がみっちり並んで強度が高い。
Ex.)腱・靱帯・真皮・強膜・骨膜・心臓の弁
【疎性結合組織】
線維がまばらで柔軟性の高い。
Ex.)皮下・粘膜下・各種器官の周囲
※特に脂肪細胞が多いと脂肪組織という。
![](https://assets.st-note.com/img/1665714807690-MoTdiW8BGD.png?width=800)
~膠原線維も細網線維もコラーゲン問題~
膠原線維はコラーゲンが太い束になってて
細網線維はコラーゲンが細い網目状
(名前のまんま)
で結合の仕様が違う。
細網線維は、細網内皮系の器官を構成し、
網目の間にマクロファージがたくさんいて、
体を守ってくれている。
Ex.)胸腺・骨髄・リンパ節・脾臓など
軟骨組織
表面は軟骨膜に覆われていて
中身は軟骨基質と軟骨細胞。
基質を作る軟骨細胞はその中(軟骨小腔)
に閉じこもっている。
軟骨組織は、マトリックスの違いから
硝子軟骨・弾性軟骨・線維軟骨に分けられる。
【硝子軟骨】
膠原繊維の間にコンドロイチン硫酸が
たっぷり含まれていて半透明。
すりガラスみたいなのでこの名前。
大体の軟骨がこのタイプ。
Ex.)関節軟骨・肋軟骨・気管軟骨
【弾性軟骨】
弾性線維多めでうっすら黄色い。
弾力があるのでこの名前。
Ex.)喉頭蓋軟骨・耳介軟骨・だいたいの鼻軟骨
【線維軟骨】
膠原線維多めで強い。
Ex.)椎間円板・恥骨結合・関節円板・関節半月
![](https://assets.st-note.com/img/1665715169475-RZ5EI126j3.png?width=800)
骨組織
表面が骨膜で覆われていて
中身は骨基質と骨細胞。
骨基質は他とは違い無機質が多い。
(70%くらいHA:ハイドロキシアパタイト)
軟骨同様、骨細胞も骨小腔に閉じこもりがち。
と見せかけて、骨細胞は、実はコミュ力高く、骨細胞同士が突起を伸ばしてネットワークを
作っている。
このネットワークは骨芽細胞や破骨細胞ともつながっていて、骨のリモデリングを調節している。
![](https://assets.st-note.com/img/1665715916508-9LajjVkcq7.png?width=800)
~骨全体→骨単位→基質と細胞の順でイラスト書くのがめんどくさくなってた様子が見て取れる~
~骨のリモデリング~
骨は、常に改築(リモデリング)されていて
破骨細胞による骨吸収と
骨芽細胞による骨形成を
繰り返している。
破骨細胞は単球由来の細胞で、
酸(H⁺)や酵素(カテプシン)で
古い骨を溶かして骨吸収窩を作っては
別の場所へ移動していく。
骨芽細胞は、その穴を埋めるように
骨基質を分泌して類骨(未熟な骨)をつくる。
さらに、
基質小胞(カルシウムやリンを引き寄せる)
を分泌して石灰化を進める。
※ついでにALPの話※
石灰化のときに働くのが
リン酸化合物を分解する酵素。
ALPことアルカリホスファターゼ。
骨折や骨肉腫などで骨が破壊されると
血中濃度が上がる。
(肝胆道・小腸などいたるところにあり、
肝胆系の疾患でも上がるので要鑑別)
ちょっと息抜きに
※さらについでの話※
カタカナが覚えられない!!
っていう声をよく聞いた気がするが、
”ホスホ~”ってきたらリン関係かな?
”~アーゼ”ってきたら酵素かな?
くらいの感覚を身に着けることを
お勧めする。
Ex.)ホスホリパーゼ
”リポ”は脂質なので、リン脂質関係
の酵素だということが分かる
ここいらは、生化学的なところで、
がっつりやると結構しんどい。
てことで、ときどきこんな感じで
息抜きがてら記載していくので、
へぇー。くらいでOK( ´∀` )b
~骨の発生~
リモデリングする以前に、
どうやって最初の骨ができているのかって話。
骨の発生の仕方によって
軟骨内骨化と膜内骨化に分類される。
【軟骨内骨化】
だいたいの骨はこれ。
①軟骨で原型が作られる
②軟骨膜の細胞が骨芽細胞になる
③軟骨が石灰化されて骨になる
軟骨が骨に置き換わるので
『置換骨』と呼ばれる。
【膜内骨化】
頭蓋冠・鎖骨がこのタイプ。
①結合組織内の未分化の細胞が骨芽細胞になる
②骨芽細胞が骨をつくる
何もないところから骨を付け加えるので
『付加骨』と呼ばれる。
血液・リンパ
血液の
細胞外マトリックスが血漿(体重×5%)
細胞成分は血球(体重×3%)。
他の結合組織と違って、血球が血漿を分泌しているわけではないけど、便宜上、ここに分類されているらしい。
血漿は、水の中に電解質とか血漿タンパク質とかが含まれている。
血球のざっくりした特徴はこんな感じ。
赤血球:酸素運搬担当(血球の99%これ)
核無しでほぼヘモグロビン。
白血球:免疫担当
好中球・好酸球・好塩基球
リンパ球・単球がいる。
(好中球が一番多い)
血小板:止血担当
巨核芽細胞がちぎれてできる。
詳しく触れると終わらない気がするので、
関係各所で小出しにしていこうと思う。
ちなみに、血液の流れる血管は3層構造
外膜:疎性結合組織
中膜:平滑筋
内膜:単層扁平上皮
![](https://assets.st-note.com/img/1665806390921-vetvBosS6N.png?width=800)
筋組織・神経組織(次回)
小ネタを欠いてたら長くなったので
残りは次回。
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