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近代文語文読解練習 高山樗牛「美的生活を論ず」3
2の続き
道徳とは何かという話から始まって、道徳には意識と行為と両方が必要だみたいなことを話していた。その続き。
逢着は「でくわす」で、そのあとは二重否定。本当によく出て来る。「このように検討してきたら、私はここで一つの疑惑にでくわさざるを得ないのである」ということだが、要するに大きな疑問にぶつかるということ。
今度の「乎」は疑問で良いと思う。主君や国の為に命を落とした者、あるいは父母によく
近代文語文読解練習 高山樗牛「美的生活を論ず」2
1の続き
テキスト:高山樗牛「美的生活を論ず」(1901年)
「二 道徳的判斷の價値」より。「斷」は「断」。「價」は「価」。道徳的判断の価値について。
この「夫れ(それ)」は品詞でいうと接続詞になる。itの意味ではない。『日本国語大辞典』では「文の初めに用いて、事柄を説き起こすことを示す。そもそも。いったい」と説明される。出てきたら「そもそも」と思っていればだいたい間違いないだろう。そもそも
近代文語文読解練習 高山樗牛「美的生活を論ず」1
青空文庫に入っているテキストなどを題材に近代文語文の読み方の解説を試みたい。
以下、高山樗牛「美的生活を論ず」(1901年)を取り上げる。底本は「日本現代文學全集8 齋藤緑雨・石橋忍月・高山樗牛・内田魯庵集」講談社とある。初出誌と比べた際に文字の異動がある場合があるが、練習用なので青空文庫版を用いる。
高山樗牛については以下を参照のこと
この論文は全部で七章からなるが、まず「一 序言」から。
近代文語文読解練習のはじめに
難しい字をしって解読しがたい古文を読むというのは福沢諭吉的には「学問」ではないのだが、一方で「人間普通日用に近き実学」に「万国古今の有様を詮索する書物」としての歴史はあるのである。
「平家物語」があれほどのアニメに、鎌倉殿の13人があれだけのドラマになったのは、たぶん「平家物語」や『吾妻鏡』がちゃんと現代語訳されてきたからだろう、という話を先日友人とした。
明治の文章というのは、現代語訳がちゃ