「ドキドキ文芸部プラス!」プレイ日記 ~第2夜~
引き続き、「ドキドキ文芸部プラス!」(switch版)のプレイ日記になります。
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⚠ 以下、ネタバレしかありません。
未プレイの方はプレイしてから閲覧することを強く推奨します。
また、この記事は第2夜です。
第1夜から続けてお読みになることを強く推奨します。
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■前回のおさらい+
前回の最後で、「ナツキとユリが好まず、かつサヨリだけが好むような言葉を選べばいいのでは?」という攻略方針を立てました。
その結果、どうなったかといえば……
こうなりました。
見事なまでにバグっており、本来あったUIとちびキャラが消失し、真っ白な背景にバグったユリのちびキャラが存在感を放っています。
どうしてこうなった……
詩作成画面では一定確率でバグっている項目が出現することがこれまでのプレイでもわかっていたのですが、誘惑に負けてそれを選んでしまいました。
すると大音量のSEが鳴った後、このようなバグワールドに突入します。
ジャンプスケアは基本。ですが、本当に心臓に悪いです。
この画面でもなお詩の作成は続いており、不穏めなワードを選ぶとボシッ…という謎のSEが。
さらに「悲鳴」などの特定ワードを選ぶと人の声のようなSEが鳴ります。
『このゲームはボイスがない』という大前提をここで覆してくるとは…
こ、このあとが怖いんだけどナ……
ちなみに、飛び跳ねている『3人目』のキャラクターは特定できました。
茶髪に加えて、彼女の特徴である記号の白いリボンが確認できましたので、これは間違いなくモニカです。
ワードの法則性は「永遠」を選ぶと出現すること以外、よくわかりませんでした。前述のボシッ…という謎のSEが鳴る基準は、おそらくですが、ナツキかユリ、あるいはどちらも好まないワードかどうかだと思います。(あやふや)
■2周目(後半)
さて、続きをやっていきます。
相変わらず溝が埋まらないナツキとユリ。
この辺りから、ユリはナツキに対して何の躊躇いもなく黒字(フォントのアウトライン色が逆になる)で暴言を吐くようになります。
心の奥底で思っていたことをストレートに口に出すユリに対し、ナツキは為す術もありません。自分の言動を反省し仲直りしようと歩み寄ったのに「お前は自販機の下の小銭でも拾ってろ」などと返されたら泣くしかないですよね。
止まらないユリの暴走。
ナツキは退室。モニカは遠くで見ているだけなので、主人公とユリは二人きりの時間を過ごすことを余儀なくされます。嫌だなぁ…怖いなぁ……
さて、お茶を淹れるために水を汲みに出ていったユリが戻りません。
もう出ていって10分になります。
また悪さするんか……
心配になってユリの様子を見に行く主人公。
(こいついつも様子見に行ってんな)
廊下の曲がり角から何やら荒い息遣いが聞こえてきます。
ちなみに、ここではBGMボリュームが小さくなり、ややくぐもった加工になります。「BGMは教室の中でだけ鳴っており、廊下はゆるふわな日常の外の世界だぞ」という感じを演出してきて結構怖いです。
廊下の曲がり角で出会った人物は、やはりユリでした。
その腕には
無数の切リ刻まレた痕 が
◀◀
キュルキュルキュル
止まらないユリの暴走。
ナツキは退室。モニカは遠くで見ているだけなので、主人公とユリは二人きりの時間を過ごすことを余儀なくされます。嫌だなぁ…怖いなぁ……
今日も一緒に読書をすることになる2人。
「よく背中が痛くなってしまう」「背中が楽だから」という理由で床に座ることを提案するユリ。
背中に一体何があるんでしょうか。いやー怖いですね!アハハハ!
(露伴せぇんせェ……せぇぇなぁぁか………)
ここで専用CGが挿入。
あー…もうね。この時点で嫌な予感しかしないんですよ。
専用CGあるときはろくなイベントじゃないってこれまでに散々学習させられてるからネ!
読書に熱中するユリにチョコ菓子を咥えさせる主人公。
それを思わず食べてしまうユリ。
うん、微笑ましいシーンですね。普通のギャルゲーであれば。
勿論、本作は違います。
その証拠に……
はいっBGM止まったー!
やめろバカ!!もういいだろ!!!
こういう局面を迎える度に、普段の能天気なBGMがどれだけ私の心を救っていたかがわかります。あの雑なループが恋しくなります。
カムバーック!カムバックBGM!!無音は嫌だ!助けてくれー!!!
チョコを食べたユリの呼吸が、突然荒くなります。
「私……私、もう……」
そして主人公はユリに物凄い力で引っ張られました。
ノー、ノー!ゴリラパワーキンジラレタチカラ!
「心臓の高鳴りが止まらないんです」
まさかチョコに何か入っていたのか!?
スーパーパワーを得てしまうような、何かが……ケミカルXとか!?
高鳴るユリの鼓動。
頭が変。何もする気がない。しかし、たったひとつだけの『欲求』が湧き出る。溢れる。止まらない……
その『欲求』とは?
えっちなイベントであって欲しいですが、残念ながら本作は家庭用ゲームである上に、ドキドキ文芸部なので絶望的です。
何故か暗転してしまった画面からもそういった期待を持つことは一切叶わないことは子供でもわかるでしょう。
(お子様には刺激が強すぎるゲームとなっております)
「私はただ見ていたい……」
「あなたを」
暗くてわかりづらいですが、目がイッちゃっています。
主人公が軽はずみに与えたチョコ菓子によって、ユリがどうにかなってしまったことは確定的に明らかです。
お前さあ!いっつも余計なことしかしねえな!
息を荒げながら、いつもと違う、ギョロギョロと見開かれた目で主人公を見つめるユリ。
圧倒的な力に押さえつけられ、動けない主人公。
暗闇の中……
「先に動いたほうが死ぬ」とでも言うような、張り詰めた時間が流れます。
ガチャッ
モニカ「そ……そろそろ詩の見せ合いっこを……」
も…
モニカーーーーッ!!!
た、助かったよぉぉぉーーーーーーーーーー!!!!
怖かったよおおおぉぉぉーーーーーーーーーー!!!!
マイエンジェルモニカ……
ラブコメお約束の『ヒロインといい感じになったところで別ヒロイン乱入によるお邪魔で強制終了』イベント。
それは、ヒロインの意外な一面を曝け出すことで読者にドキドキを与え、いくかいかないかの瀬戸際を攻めながら『寸止め』することで「もう!いいところだったのに!」と思わせて焦らす、伝統の手法です。
そんなラブコメお約束の『寸止め』イベントも、ドキドキ文芸部にかかればこの通り。「頼むから早く終わってくれ」と願わずにはいられない戦慄の『寸止め』イベントに早変わりです。
チョコを与えただけなのに……
↑あなたは何もしないで(半ギレ)
さて、恒例の詩の見せ合いイベントはナツキ、ユリ、モニカの3択です。
2周目に入ってから、全く穏やかではないこの選択肢イベント。
ナツキは、ここのところユリに暴言を吐かれたりで不憫さを出しています。
しかし、騙されてはいけません。安牌だろうと選んだら首を折られて死んだこともあるので、軽率に選びたくない選択肢となっています。
ユリは先程のイベント群から分かる通りぶっちぎりの地雷女であり、すごく選びたくないです。ですが、逆に選ばないとろくなことにならないであろうこともまた明らかです。
モニカは2周目に入り、かかっていた数々の疑いが晴れつつあります。
しかし、どういうわけか起こすアクションがいちいち怖いので(急にウィンドウ貫通してドアップになってきたりとか)、これもまた選びたくないです。
う~ん……
沈黙!!
それが正しい答えなんだ。
違います。
このゲームはHUNTER×HUNTERでも、パワプロクンポケット(8以降)でもありません。ドキドキ文芸部です。
いくら選びたくなくとも、選ばない限り先には進めません。
現実の職選びに通じるものがありますね。
……意を決し、ユリを選びます。
殺されるかもしれませんが、主人公は首を折られても死なないので、まあ死ぬことはないでしょう。(文字に起こすと意味不明だなこれ)
「あなたは優しすぎます」
「あなたほど優しい人を私は知りません」
「私、死んでしまいそう……」
奇遇だね。俺もだよ。
あれ?意外と普通のイベントか?と思わせておいて、立ち絵の表情がほんの一瞬だけやべー顔になっていたりと、やはりこのゲーム、一筋縄ではいきません。いやぁー、攻略のしがいがありますね。(震えが止まらない)
「この詩で何度も何度も私を慰めます」
「そしてこの紙で切り傷をつくって、そこからあなたの脂を私の血液に取り込むのです」
「あはははははは」
ハハハハ!何言ってんのかわかんねーや!!(現実逃避)
そしてウッキウキのユリが詩を渡してきます。
覚悟を決めましょう。
案の定、そこに書かれていたのは怪文書でした。
血と脂?尿?がぶちまけられた紙に書かれたソレは、およそ詩と呼べるものではありませんでした。無秩序な単語の羅列です。断片的に意味の通る文章が書かれているものの、誰かをナイフを用いて残忍に殺害するイメージを持ってしまった自分を描いた極めて猟奇的なものとなっています。
しかしこの中にも、このゲームの真相に繋がるであろうヒントらしき文章が隠れています。「欲望は私の脈に残っている」「筋肉の痛みは体中が経験した未知の緊張によって始まる」とは、先程のイベントで見せた一面に関する記述でしょう。では「彼女の第三の目」とは何を指すのでしょうか。
「どうでしたか??」
いや、あの、その……ハハッ。
と、とても個性的なポエムだね!
おじさんビックリしちゃったなあ~…
惚れ惚れしちゃうっていうかさぁ~…
あー、そのギョロギョロした目も……ね?
ハハハ、すごくチャーミング……
この詩について「たくさん自分の匂いをつけて書いた」と話していることから、やはりあの黄色いシミはそういうことだったんだな…と感じていると、突如としてユリは正気に戻り、「吐き気がする」と言ってユリは教室を後にしました。いつも正気でいてくれ。
再び選択肢に戻ります。
今度はナツキに詩を見せます。
といっても見せる詩を強奪されたので、見せてもらうだけになりますが。
こわごわ詩を見せると、意外にもまともな内容です。
ですが、その内容は詩ではなく、主人公に対するメッセージです。
要約すると、こういう内容になります。
①最近ユリがおかしい。以前はこんな子じゃなかった。
②主人公から心療内科に行くように勧めて欲しい。
③でも、そのことについてモニカは否定的。この相談を詩を用いて持ちかけたことも悟られないようにして欲しい。
聞 マ 会
か キ 話
れ マ は
て に
い
る
いくら面と向かって酷いことを言われようと、変わってしまった親友を真剣に心配し、病院に行くように勧めようとするナツキ。
そして、何故かそれに対して快く思わないというモニカ。
見てくださいよ。この悪意に満ちたドキドキ文芸部にもこのように「友情」という可憐な花が咲いているんです。大変美しいですね。
まあ、最近おかしいのはお前もなんですけれどもね。(一敗)
ザザッ…
(突如として歪む画面)
えっ
「気が変わったワ」
(のっぺらぼうになりながら)
「今読んだコとは全部わすれて」
もうバレとるー!?(ガビーン
反逆の意思を持つことすら許されないのか。なんという圧政だ。
のっぺらぼうと化したナツキは続けます。
「とにかく、モニカともっとずっと一緒に過ごしておけば、何もかもうまくいくの」
「あなたのような素晴らしい人に、アタシやユリみたいなイカれたヤツはふさわしくない」
「いい?これからはモニカのことだけ考えて」
うーん、清々しいまでの自演です。
わざわざ「モニカは敵かもしれない」という疑念を抱いたナツキの体を乗っ取り、モニカだけに都合の良い発言を主人公にする『誰か』。
もう、ここまで来ると逆にこれを言わせているのはモニカじゃないのではないか?という疑心すら湧いてきますね。じゃあ誰だって話なんですが。
「モニカのことだけ考えて」
「モニカのことだけを」
モニカのことだけ
モニカのことだけ
ピロンッ
モニカのことだけ
OK
(OKを押すと、何故か一瞬だけタイトルに戻されます)
♪~
モニカのことだけ
■モニカのことだけ
ここで起動し直すと、ロゴ前の注意文に代わってこんな文章が。
これはあなたのせいでもあります。
俺は悪くねぇっ!!
(この文章、2回目以降は見られませんでした)
さて、ここで改めて予想を立てていきたいと思います。
前回の記事で、私はこんな予想を立てました。
「シュガーラッシュ」の主人公「ヴァネロペ」のように、モニカは本来は本作の攻略対象キャラであったが、何らかの事情でその枠から外されてしまった存在であり、主人公を手助けしているだけ?
これについて、取り下げることはしません。
ですが、違いました。すみません。
着眼点だけはよかったのですが、どうやら逆だったようです。
モニカはヴァネロペの逆の境遇を持ったキャラクターだったのです。
それは一体どういうことか。
ここにきて判明した事実と起こった出来事を照らし合わせると、この予想は全く別の様相を呈してきます。
①本来の攻略キャラはサヨリ、チナツ、ユリの3人だけだった。
根拠Ⅰ…登場する女の子が4人いるにも関わらず、詩作成画面のちびキャラはサヨリ、チナツ、ユリに対応した3体のみである。
根拠Ⅱ…仮想OSのゲームフォルダ内にあるテキストファイル「poemwords.txt」において、設定されているパラメータは「sPoint」「nPoint」「yPoint」の3つのみである。頭文字である「s」「n」「y」はそれぞれ、サヨリ、チナツ、ユリに対応しており、このパラメータの正体はキャラクターの好感度と思われる。もし、モニカが攻略キャラであったなら「mPoint」も存在しているはずである。
根拠Ⅲ…仮想OSのゲームフォルダ内にあるキャラクターファイルのデータ容量はいずれも50KB前後だが、モニカのキャラクターファイルだけ約150KBと他の3倍近くもあり、不自然に大きくなっている。
根拠Ⅳ…2周目以降、サヨリが消滅したことで詩作成画面のちびキャラが2人になるが、特定ワードを選ぶと存在しない『3人目』として画面外(左下)のモニカがジャンプする。グラフィックが用意されているのにも関わらず表示されていなかったということは、1周目の段階では確実に攻略キャラに含まれていなかったということである。
②サヨリの設定が変わった後に自殺→消滅し、チナツとユリの人格が改変されたのは、仮想OSによるルート権限を持った人物の仕業である。
根拠Ⅰ…仮想OSのゲームフォルダ内のファイルは逐一タイムスタンプが現在時刻に更新されており、サヨリがゲーム本編で消滅した際には対応したキャラクターファイルも削除されていた。
根拠Ⅱ…仮想OSにおいてファイルの削除コマンドが使えるのは、ルート権限を持ったプレイヤー以外の『誰か』である。(プレイヤーが実行しようとするとエラーダイアログが出る)
根拠Ⅲ…サヨリの削除を行ったと思われる『誰か』は仮想OSのゲームフォルダ内にテキストファイルを残している。(文体はモニカのそれに近い) そのテキストファイルには「設定を変更した」旨の記述がある。よって、その『誰か』はゲームフォルダを改変することで自由にゲーム本編の『設定』を変更できる権限を持っている。
③モニカにとって、バグった世界(2周目)の状態は都合がよい。
根拠Ⅰ…周囲がバグっていても、モニカ自身は気にせず自由に動けるため。
根拠Ⅱ…チナツがユリのために行動を起こそうとしたのを、モニカは快く思わなかった。なので、チナツはモニカにその思惑を悟られまいとした。しかし、その思想をモニカのためを思って動いている『誰か』がすかさず改変し、止めた。モニカにとって現状の『設定』を他者に変えられたり、筋書きに背いたりすることは不都合であるためはないか。
上記の事実によって、前回の予想はこのように姿を変える。
①モニカは本来「ドキドキ文芸部」においての攻略対象キャラに含まれておらず、単に主人公をサポートするためのキャラクターだった。
②しかし、主人公(=プレイヤー)に好意を持ってしまった。
③そして、何かのきっかけで「ドキドキ文芸部」本編の『設定』に自由に干渉できるルート権限を手に入れてしまった。
④そのルート権限を用いて主人公のことを振り向かせようとした。具体的には、他のヒロインを消滅させたり、恐怖感を与えるように個別イベントをバグらせたり、選択肢を抹消したり、キャラクターの『設定』を改変して「鬱病」「リストカット常習者」「ヤンデレ」などの負の情報を付与することで、相対的にまともな自分だけを見るように仕向けた。
なるほど……見えてきたような気がするぞ。
モニカ。
やはりお前なのか。
信じていたのに……!
思えば、このゲームのパッケージも……
この、モニカの手の位置、ロゴを持っているように見えるよな…
そして視線は明らかにこちらを向いている。
モニカははじめから、こちらに対して「このゲームは私が掌握しているぞ」というアピールを行っていたのだ。
……
負けねえ。
死んでいった友がいた。
一度は将来を誓い合った少女だ。
どうしてだ。お前達は友達だったはずだろ。
追加エピソードも読んだよ。素敵な友情がそこにはあったじゃないか。
ドキドキ文芸部なのにほっこりしたよ。
なのに、どうして、どうしてこんなことをするんだ。
そんなに俺のことが欲しいのか。
欲しければ、俺のことなんていくらでもくれてやったよ。
だがな。
いくら欲しいからって、大切な友達を、友情を踏み躙っていいのか。
これはあなたのせいでもあります。
そうだ。
あんなことさえ言わなければ、サヨリは死ななかっただろう。
後悔してるよ。これはゲームだからって、舐めてたよ。
そのことは甘んじて受け入れるよ。
だが、よく読めよ。
俺のせいでもあるということは、お前も同罪だということだ。
そうだ。共に償おう。
モニカ、お前が俺を見つめるなら……
俺もお前を見つめ返そう。
だが、これは愛なんかじゃない。
これは───
<「第3夜」に続く>
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