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夏、夜更け、

スマホの容量がいっぱいになったので、古い写真データのバックアップを取りつつ不要ななものの削除をしていた。
基本的にはバックアップを取ったデータは消していくが、スマホに残しておきたい写真だけは、消さずにそのままにしておく。

イベントの写真とか、旅行の写真とか、友達と遊んだ写真とか、沢山の写真がある中で、自分がスマホに残すことを決めるのはどれも家族の写真なんだ。結局。

ちゃんと引きずってる自分がいることに、ちょっと安心する。
「引きずってる」と表すべきなのかはよく分からないけど。

母が亡くなって、もう2年以上経つらしい。

今のスマホは母親が亡くなった後に機種変更したものなので、母の写真は残っていない。
昔のスマホや、学生時代に使っていたガラケーの写真データは、ハードディスクにバックアップを取ってあったのだけれど、実は去年ハードディスクがぶっ壊れ、データがぶっ飛んでいる。
過去の自分とか思い出とかどうでもいいかなとか思い、データは諦めようかとも考えていたけれど、結局業者に頼んで高いお金を払ってデータ復旧を頼む決め手になったのは、母との思い出の写真が消えてしまうことが嫌だったからだ。

母親が亡くなったことは、私の人生の色んなものをなぎ倒して世界をひっくり返して、私の生き方に強烈に影響を及ぼしている。

家族が大事になったのも、母親が亡くなったからだと思う。家族の写真を残したくなるのも、母親が亡くなったからだと思う。

このことをこう真正面から話せるようになったのは、やっぱり2年以上が経ち、3年が目に入るようになってきたからなのか。

私は今、元気に生きていて、今までの人生で一番平穏に日々を送っています。
この平穏なメンタルの大元にあるのは母親が亡くなったことだと思っている。今私は、「母親が亡くなった後の私の人生」を歩んでいる。人生第二期を歩んでいる。

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