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闇汁 2022年12月ポレポレ俳句部


闇汁会のごときポレポレ俳句部(森の中の田んぼ)


ということで、2022年最後の俳句部の題詠は「闇汁」でした。
1年を振り返ってみると、何だかあっという間のようにも感じるけれども、具体的に、あんなこともあった、こんなこともあったと思い出すと、長かったようにも感じます。時間というものは不思議なもんですね。人の一生を時間の集積だと考えるならば、人生も、短いようで、長いような、伸縮自在の変なものなんでしょうね、きっと。


闇夜汁箸で掴むは我の首(のん)


1コマ漫画にしたらおもしろそうな俳句ですね。俳句部の途中で、のんさんが闇汁の雰囲気を味わってみましょうと言って、部屋の電気を消してしまいました。5分間くらいでしょうか。あの5分間は長かったな。総じて女性陣は落ち着いていましたが、男性陣はソワソワしてましたね。


闇鍋も終つてみんな照れ笑ひ(松竹梅)


再び照明が点いた時に、私は訳もなく笑っていたけれど、あの時は心底安心したんですよ。どうも私は視覚に頼りすぎているのかな。災害に見舞われたりすると全然役に立たない人間なんじゃないかと思って、ちょっと反省しました。この俳句は、日常と非日常が切り替わった時の人間の何とも名付けようのない心境が詠まれていておもしろかったです。


亡き人の箸を置きをり闇夜汁(紙の舟)


今日の昼間に、ボランティア仲間と2人で喫茶店に入り、1時間ほど話をしました。お互いの家族のことなんかについて。その時に、やっぱり家族って大事なんだな、と素直に感じました。今頃になって気づいても遅いかもしれないけれど、今後の人生の目標を、自分が死んだ時に、悲しんでくれる人をできるだけたくさんつくる、という事に設定してもいいんじゃないか、と思いました。亡き後に箸を用意してくれるとまではいかなくても、時々は思い出してくれるような人がほしいと思ったんです。明日になったらまた考えが変わるかもしれないけれど。



闇汁の夜に宿りし子もありや(楽来)


ありやって何だ、と思いましたけど、まあフンイキですフンイキ。
さて、今年の俳句部はこれで終わりですが、年末から年明けにかけて、どんな俳句が頭に思い浮かぶのか、自分でも楽しみです。あまり勉強熱心ではない私ですが、来年もよろしくお願いします。最後の一句はラップ調で。


闇汁やいくじなし(と)言われたくなし

楽来/その道のプロ

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