見出し画像

しゅわっとする日々 冷やし中華について

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。


こんにちは、松竹梅です。よろしくおねがいします。まだまだ暑いですがみなさまおかわりありませんか。

こう暑いと私もついうっかり冷やし中華など食べてしまうのですが、食べるたび思います。今、本当に食べたいのは多分これじゃないと。すっぱいし。いつもなにか狐に摘まれたような心地で食べおわります。

私は夏はまあまあ好きな方ですが、冷やし中華に関わる人たちって基本的に夏が嫌いなんだと思います。ラーメン屋さんも忸怩たる思いできゅうりとか刻んでると思うし、お客さんも、冷えてて腹にたまれば何だっていいや、ちょっとすっぱいけど、みたいに思ってるはずです。夏を満喫するためじゃなくて夏をやり過ごすための料理、冷やし中華。

でも夏って本来やり過ごすものかもって気もします。夏場、店をつぶさないために、従業員の生活を守るために、今日も冷やし中華を作るラーメン屋さん。

夕暮れ時、ひぐらしのこえが聞こえるようになりましたね。

もうすぐ夏がおわるのはみんなが冷やし中華を食べたから。

やがて人々は冷やし中華を忘却し、またあつあつのラーメンをすすりはじめるのです。

【今回の執筆担当者】
松竹梅/好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?