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バンコクへ(その3)

今日はアユタヤにショートトリップ。朝早く宿を出る。地下鉄で国鉄の駅へ。冷房は相変わらず寒い。通勤する人たち。乗り換え駅では、エスカレーターを大勢の人が急ぐ。バンコクの日常と私たちの非日常が重なる。

相変わらずの渋滞。これでは水上バスを使いたくなるわけだ。
地下鉄の駅から国鉄の駅は屋内でつながっているとはいえ、相当歩く。この歩いているスペース、何にも使われていなくてもったいない。待合場から少し離れた場所にATMがある。コーヒーやファストフードも売られている。
古い3両の列車が来た。ちなみにどこかのバスターミナルからアユタヤ行きのミニバスも出ているという。
軍人が警備員の代わりに車内を警備する。観光客だけでなく、空港へ行く人、帰省する人などが、大荷物を持って入ってくる。欧米の若い女性が、冷房が寒くてパーカーを着た。

・キャッシング    :2220THB/ 8972円
・Sukunvit→Bang Sue :36THB


列車は遅くもなく特別速くもないスピードでバンコクの街を抜け、郊外へ。遠くに、公営団地のような古い高層建築が見える。線路の周りには、湿地帯と草原の中間のような地形が広がる。アユタヤまでの道のりで、人家がなくなるようなルーラルな地域は見当たらなかった。平野だし、人は住みやすそうだもんな。

アユタヤの駅はどこにでもある海外の田舎駅で、インドのカジュラホに似ていた。駅舎の出口付近におじさんが地図を持って待っているのは、これはもうトゥクトゥクの勧誘に違いない。アユタヤ駅は遺跡群からは離れているので、まずは乗り物を使うしかない。自転車で回るというのもあり、そうしている人たちも少ないけれどいた。さすがに暑いので交渉の末100バーツまでまけさせた。最初200で吹っ掛けてきて、100まで下がったから、もう少しは下がるのだろうな。一人の時ならどこまでも頑張るけれど、それを見ている人がいると、けち臭いと思われるのもアレだな。。各遺跡の周遊を持ち掛けてきたがそれも断った。

古い駅舎に”Free-Wi-fi”の看板
朝は早いけど、トゥクトゥクが寄ってくることは予想済み
「つべこべ言わずに、ほら!はやく」みたいなことを言っている。厳密にはこれはトゥクトゥクではない。

・トイレ   :5THB
・三輪オート(アユタヤ駅→ :100THB/台


オートはスピードを上げて、舟がとおる川の上を渡り、整備され、独得な形の街灯の並ぶ街道を走る。開放感のある後部座席で風を感じ、旅を感じる。旅の空気が肺を満たす瞬間だ。遺跡に近づけば、緑も多くなり、家の隣の空きスペースに青い屋台を立てて野菜を売ったり、スナックをつくっていたり、売店に大量に水を積んだトラックから積み下ろしを若者たちがしていたり。庭にバナナの木が何本も植えられて、屋台をサイドカーにしたバイクと、砂だらけのヒュンダイの車がすれ違う。最初の目的地、
Wat Lokayasuthaという場所へ。

涅槃仏は1956年に復元されたものだが、外にさらされているため、損傷も激しい一方、建物に収まっていないので全体を撮ることができた。青空の下、なんと開放感のある眠りだろう。足の指の長さがすべて同じなのは何か意味があるのだろうか
野犬なのか飼い犬なのか。お釈迦様の目の前で、負けじと自由に道路に寝そべる
ビルマの侵入によって徹底的に破壊されたアユタヤ。そびえたつprangが侘しさを伝えている。観光客が少なくてその雰囲気を存分に味わえた。
アユタヤの一般的な家。地味に高床式になっていることに注目。少し曇っているとはいえ、暑い


歩くこと15分ほど、お待ちかねのエレファント・ライド体験へ。アユタヤ・エレファント・キャンプというところで体験した。他にもいくつかゾウ乗りスポットはあったものの、ぼったくられるなどの情報も散見されたため、一番評判の良いところへ行くことに。こういう体験自体致し方ないところもあるのだけどね。全くの寡占状態だし。並んでいる人も少なかったので、すいすい始まった。やっぱり象の背中は高いな。インドのラクダより全然乗り心地がいい。ゾウ使いが裸足で曲がってほしいゾウの耳を蹴ると、その通りに歩いてゆく。だいたい、ウィハーン・プラモンコンボピットあたりまで行って折り返しだ。向こうから別のゾウがやってきて歩道からはみ出る。車もゾウに合わせて速度を緩める。チップはチップはゾウが鼻で掴んでもらってくれる。やはり利口だ。ハンニバルの時代や、昔の東南アジア諸国でゾウが戦闘に駆り出されていたというのはかなりうなずけるな。終わった後には、写真を有料で現像してくれる。これはいい写真だ。

ゾウだ!
ゾウだ!ゾウだ!
これ、アクティブそうな欧米人が意外とやってなかった。体験自体もっと混んでいるのかと思ったけれど。朝だからだろか。
色んなところで写真は撮られる
客が来るまではゾウの上で午睡

・ゾウ乗り体験 :900THB(内チップ100)
・写真        :160THB



エレファントキャンプからほどない、Wat Phra Ramという遺跡へ。受付のお姉さんは自分たちが行く予定の遺跡を聞いて、それなら周遊チケットでモトは取れないねとアドバイスをしてくれた。中はほとんどお客も来ず、悠々と見学できる。

中では、雇われのおばあさんたちが草をむしったり、木陰に座って休んだりしている。ベトナムからインドまで、レンガ造りは広く浸透していた。煉瓦というとなんとなく欧州のイメージがあったけれど。PrangやChediのいくつかはそのまま残っているけれど、意図して壊されずに済んだのだろうか。
利き腕の右腕と首をはねられてしまった石像。後ろの青空がその不在を一層引き立てる。これはどの国の遺跡でも見られる類のものだ。
こまめに休憩が必要なほどの殺人的な日差し。角の取れたレンガの上に腰を下ろして2Lの水の二蓋をあける。
胴体や首を失くした銅像たちの墓場のような雰囲気もある。尖塔のレンガの間からは、草が生えて、この遺跡は一体この先何を待っているのだろうか。いずれ我々が暮らす都会もこうなる運命だ・・

・Wat Phra Ram:50THB


遺跡に行く前に、トゥクトゥクの兄ちゃんが今まで寝ていたのに自分たちが通ると執拗に、乗ってくれ、安くするからヨォと言ってきて楽しく受け答えをしつつ断ったが、気に入られてたのか遺跡から出てきたときにもまたついてきたよ。暇なんだろうね。どこかの三輪オートから、ラジオが流れてきて、それはタイの演歌のような響き。

撮らせていただいた

お次は、ウィハーン・プラモンコンボーピットとワット・プラシーサンペットへ。遺跡には、たくさんの子供たち(小学生高学年~中学生)が校外学習か何かで来て、セイロン風だというChediのスケッチなどをしていた。日本と変わらない、音の出るお土産で遊ぶやんちゃなやんちゃな子どもたち。

Wihan Phra Mongkhon Bophit。新しい雰囲気だが、仏像は1600年代初頭につくられたもの。
昨日の寺院でも、敬虔な仏教徒の中にはひざまずく人もいる
優雅なChediはこれまで見た形とたしかに異なる。
暑すぎて動画を撮る気力を失くしていたみたい
かつてはアユタヤ随一の寺院であった。所どころ歪みや傾きが見える。

・Wat Phra Si Sanphet :50THB


レストランまでも暑いので、トゥクトゥクを使うことに、ドライバーが100THBから中々下げてくれなかったが、「駅から向こうの遺跡まで100THBだったぞ」と80THBで妥結。これでも高いだろうな。おまけにレストランの場所を間違えて通り過ぎたので、車体を叩いて、降ろしてもらう。
レストランは、白を基調とした、昔ながらの洋風なインテリア。忘れられているのかというくらい料理が出てこなかった。値段はバンコクと比較してリーズナブル。

https://th.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g303897-d12861295-Reviews-Sukunya_Bistro-Ayutthaya_Ayutthaya_Province.html


「カーオ・パット・クン」?エビ入りチャーハン。生の野菜を食べるか否か迷うところ
グリーンカレー(辛すぎ)と、甲殻類のすり身を揚げた「トート・マン」的な料理

・トゥクトゥク :80THB
・昼ご飯    :470THB/2人  


回る最後の遺跡Wat Phra Si Rattana Mahathatへ。入り口では周遊券の価格について困っている人たちがいたので、さっき教えてもらったそのままのことを伝えた。

広い敷地内は、まさに遺跡・廃墟といった趣
胴体や首をもがれた銅像たち。廃墟を覆いつくす明るい陽光と、優しく降りかかる木々の枝葉。逃れられない時の流れと戦禍の悲惨さの希薄化。遺跡に新しい意味が与えられていく。
有名なやつ。植物の生命力に畏怖の心さえ感じる。
全ての侍従を無くした主の哀しみ
バンコクの寺院群も現役バリバリとは言えないのだろうけれども、アユタヤの遺跡はもう今後決して当初の目的として利用されることのない場所。ChediやPrangの尖塔だけが今でも空を目指しているみたい。遺跡は何を待っているのだろうか、何を待っているのだろうか・・そんな擬人化のイメージが頭から離れない。

・Wat Phra Mahathat :50THB


トゥクトゥクも飽きたので、グラブを呼んでみるとアユタヤでもやっている人がいたので乗せてもらった。帰りの列車までまだ時間がある。少しアユタヤの町中を散歩することにする。Chao Phrom Market という市場では、パラソルの下、生簀代わりの赤いたらいに、カエルやカニだったり、ウナギだかナマズだかの稚魚がいっぱい入っていて活きよくはねていた。「サワディ」と挨拶をすれば、可愛い声でおばさんが返してくれる。カエルの生肉がまるで鶏むね肉のように売られている。魚介類のほかにも、商店や八百屋のパラソルがあるけれど、人気は少ない。見たこともない調味料、何か唐辛子につけたような、小さいビニールにパンパンの汁。ブロッコリーやタケノコや知らないウリ類。ドラゴンフルーツ。しまむらのような、衣服類。これは何?といちいち聞きたくなるような楽しさがある。近くにPier船着場があるので、渡し船で駅側に渡ることができた。時間があるので、駅近くの最近のカフェでひと休憩。いろんなところに今風のカフェはあるものだ。


気分が悪くなるような臭いがするところも
魚介ゾーン。見知らぬ日本人が来ても、怪訝な顔一つしない人々がいい
人気(ひとけ)がない
Completely ローカル
地元の人も自転車を乗せて川を渡る。渡った先でおばさんに10THBを渡す。両岸には、レンタルサイクルのお店やお土産の売店がある。舟の上からは、川の水を浴びているおばさんなど、地元民の日常が垣間見える(都会から来たようなタイ女子たちは悲鳴をあげていた)。

・Grab  :68THB
・渡し船 :10THB
・抹茶ラテ:105THB


北へ向かう列車が到着し、旅客たちが席を立ち始める。異国の言葉で駅員が列車の到着と行先を伝え、降りてきたバックパッカーたちが目の前を通り過ぎ、向こうで乗客を乗せた列車がプラットホームを離れていけば、それは旅だ。
猛烈な日差しに地元のおじさんたちはぎりぎりまでホームのひさしの下にいる

バンコクに戻ってきた。マンゴーを食べるために、Mango Tangoという有名なマンゴー店に連れていかれる。マンゴーパフェを食べた。チェーン店だけど、こんなに新鮮なマンゴーは見たことがないかも。

街の一場面
たくさんはいらないけれど、意外といけるぞ

・Bang Sue→Mo Chit    :19THB
・Mo Chit→Siam      :47THB
・Mango Tango(パフェ):160THB


そのあと、時間があったので、プロムポン駅のThe EmQuartierというショッピングモールに行った。GENTLE MONSTERというアイウェアブランドやユニクロに行った。ユニクロで興味深かったことは、日本では見られないジブリアイテムが売られていたことと、ウルトラライトダウンとかの冬用アウターも普通に売られていたこと。地下鉄の冷房以外で着ることないだろ。需要があるってことかな。
バンコクの都会ぶりに驚いている。確かにまだ、胡散臭い部分や、貧しい働き方をしている人の数や、街のカオスぶり、郊外の未発展ぶりなどはあるけれども、バンコクだけでいえば、東京を抜かすのも遠くないのでは?と思ってしまった。ハード面だけではなく、中国、日本、インド、マレーシアなど様々な人種や宗教・信条を持った人々が暮らしていて、「自分とは違う人」(というのが適切なのか)とすれ違う頻度は東京の比ではなく、この多様性の内包力はこの先ソフト化の進む都市経済において強みになるはずだ。歩いているとそれを感じる。あとは政治と軍の力関係の問題などがあるだろう。


シャネルのイベント
この辺りのトラムの駅一つ一つにショッピングモールがあるイメージ

タイ古式マッサージを受けにいく。日本で事前に予約していたところで、怪しいところではないらしい。お店は、日本語の看板も多い在住の人たちの飲み屋街のような場所にある。この辺りはもはや東京の夜のよう。まず入ると、ハーブティーをくれた。日本人のスーツのおじさんがあとからやってきた。スタッフはタイ人のお母さんといった年代の方たちだ。着替えて、足を洗い、上の階の暗がりへ。ひさしで分けられたスペースに寝転がる。タイ古式マッサージが何かよく調べていかなかったけれど、受けたイメージは、ストレッチのハード版という感じか。足から脇腹からいろんなところを伸ばされて、最後は、馬乗りになってさながらプロレスのよう。ももなどの、そこ押さないでという個所の指圧は痛すぎたが、なんとか叫びをあげずに済んだ。マッサージというと何か特別なものと思いがちだが、これは例えばスポーツなど人々の日常と地続きな感じで、施術スタッフの地元のお母さんという雰囲気も頷ける。


日本の文化がここまで浸透していることに驚いた。ただ、在住日系会社の人がたくさんいるというだけではなく、店や(食)文化そのものが少なくともバンコクにはある程度行きわたっている

入り口を探すのに難儀した。近くにもう一店舗ある

・マッサージ :450THB


体もすっきりしたところで、夜ごはんへ。大通りは行きかうバイクの音。っ宝くじをホワイトボードに貼り付けた自転車が通り過ぎる。大通りから裏路地に一本入ったところにあるレストランは、これぞタイの大衆食堂といった雰囲気。だがお客は皆欧米人ばかりというミスマッチが面白い。ローカル価格はもう少し安いのだろうか。多国籍な言語がとびかい、ファンや備え付けの扇風機がひっきりなしに回っていて、それと同じくらい忙しそうに、女性の店員が注文を受けては戻っていく。注文をしても聞いてくれているのか心配になるくらい素っ気ない。隣のドイツかどこかの集団は酔っぱらって大盛り上がり、奥で女将のようなおばあちゃんが、店員にお金だけはしっかり計算するように言っている。身なりの貧しい、子供たちが、猫と遊び、欧米人に何かせがんでいる。最初は面白がっていた彼らも次第に煙たがっていく。店員が追い払おうとする。そんなことも気にせず下品に笑う子供たち。古びた自転車をゆっくりと漕ぎながら男が通り過ぎる。誰かとバンコクで待ち合わせをするときはこの店で落ち合いたいそんなお店だ。

https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g293916-d797986-Reviews-Suda_Restaurant-Bangkok.html


明日も仕事
薄味で懐かしい
少し足りなかったのでバーガーキング(マックは以前トランジットの時食べたのでタイは達成済み)。米料理もあるのがタイぽい

・夜ご飯              :680THB/2人
・バーガーキング(何かのバーガー) :1364円



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