バンコクへ(その2)
早朝にひとり朝の街を散歩する。これは旅の大きな醍醐味。ローカルな風景と出会える確率も高いような気がするのだ。朝から通りの向こうでたむろするトゥクトゥク運転手のおじさんたち。車通りも少なく、日差しも強まる前の少しさわやかな風が吹く。
ホテルから北に進んだ道のカーブに、焼き鳥の屋台が出ていて、ものすごい量の煙が出ていた。買った大きなよく分からない鳥の焼き鳥は、硬いけど栄養があると思って食べるか(半生だったらどうしよう)。
更に進むと、麺を売る屋台もあったので、ローカルと一緒にプラスチックの椅子に座ってすすってみる。何の変哲もない日常の朝に突然割り込んできた異国人にも変わらない態度で接する屋台の人たち。お腹も満たされたので、また歩き出す。
高速鉄道からも見たけれど、チャオプラヤ川沿いに位置するバンコクは小さい川や運河が張り巡らされているみたい。昔の名残なのかなと思っていたけれど、低い橋をくぐって、水上バスがやってきた。乗っているのはスーツ姿の会社員やリュックを下げた学生など。今も通勤の足として現役なんだな。狭い運河を船がすれ違うのは迫力がある。水面が大きく揺れて、波が運河脇を歩く自分にも当たりそうなほど。水はあまりいい匂いがしない。
大通りに出れば、仕事場へ向かうたくさんのスクーター。小さな屋台や、車輪付きの荷台がおかれ、軽い揚げ物や焼き菓子をおばさんたちが売る準備を始めた歩道の真ん中に、山積みになったお風呂の椅子のような緑・ピンクのプラスチック椅子。今日の暑さがまた、日本とは違う青い空からやってきてそれをアスファルトが反射しはじめる頃には、屋台の前に並べられた椅子に通学生や地元の人々が座り、街のクラクションにも負けないほど大きな声が飛び交っているのだろうか。
今日は市内を観光するのだが、その前に、明日行こうとしているアユタヤ行きの列車のチケットを買いに行く。日本でチケットを購入できなかった。タイの国鉄のサイトで席を選択するところまで行くのだが、クレジットカードの入力がうまくいかなかった。できたというブログもあったが、直接駅で買うことに。Hua Lamphongに到着。しかし、勘違いしていて、駅の係に聞くとここではなく、列車は北のKrung Thep Aphiwat 駅から出るという。そこでもう一度サイトからチケットを申し込んでみると、今度は成功。ブログでも、タイ国内だとアクセスできるとのことだったが、その通りだった。直前だったので、エアコン席はなくファンのみの等級だったが、やむを得ず。
気を取り直して、午後は寺院巡り。その前に昼ご飯を食べる。いくつかリストアップしてもらっていた中から近いところへ。Tha Suphan通りとチャオプラヤ川にはさまれた路地のエリアには、少しおしゃれなお店も多い。
日差しが強くなってきた。北側の入り口まで歩いていくのも大変だ。トゥクトゥクが列になって止められていて、前の席に足を投げ出して寝っ転がっているおじさんがいる。欧米系の若者たちと交渉しているおじさんもいる。
王宮とワット・プラケーオは同じ敷地にある。これが、タイ人やタイで考えれられてた、”豪華絢爛”というか、最上の世界か。非日常という言葉では語れない、美しく異質な世界に足を踏み入れたこの感覚が久しぶりだ…。よほど勉強していかないと、今自分が見ているものが凄いということはわかっても、何が凄いのかというところまでは辿り着けない。そして今回も、「すごかった。美しかった。しかし何を見せられて何を僕は見ていたんだろう。」という気持ちなのである。それでも世界の色々なところに行ってみたいよ。
どこかで涼をとりたい。王級敷地内のカフェはいっぱいなので、来た道を戻り、古い建物を改装したブルーラテの有名なカフェで一服。日本人の二人組がいた。雨季があるとはいえ、この暑さは住むには厳しいものがあるな。
https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g293916-d12616862-Reviews-Blue_Whale_Cafe-Bangkok.html
Wat Pho。おそらく涅槃仏を見るのは初めて。それと関係があるか知らないが、なんとなく木陰も多くて、ゆったりとした時間が流れていた。子供の声が響いて、子猫がひょこっと売店の陰から顔を出す。
次の目的地Wat Arunは川向い。渡し船に乗る。タイでは渡し船に乗る機会が思いがけず沢山あった。日本ではどこでも川には橋が架かっていてとても便利だが、それはそれで味気がない。ちょっとした違い、ちょっとしたドキドキ。(地下鉄でも渡れる)水面には西日が当たり、強い風と行きかう船で小波が揺れる。川の先に、高層ビルがちらほら見えるけれど、広くて強さを感じさせる空だ。
日も暮れて、夜ごはんのレストランへ。時間が早く、予約は前倒しできなかった。目の前にカフェがあったが、ホテル専用なのか終わってしまったのか、他にもあまり空いているところがなかったが、なんとか探してくれて、そこで休憩してから行くことに。夜の川沿いの裏路地の暗がりは何か違法なことが行われていそうな雰囲気なんかもある。
https://www.tripadvisor.com/Restaurant_Review-g293916-d3743620-Reviews-Vivi_The_Coffee_Place-Bangkok.html
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