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ぐうの音も出ない

もし有名人とサバイバルゲームができるなら、だんぜん岡田准一とやってみたい。エアガンを手にした20人ぐらいで挑みかかり、素手で現れた岡田准一に制圧されたい。そう岡田准一をテレビで見る度に思う。もちろん『木更津キャッツアイ』も好きだが、『SP』以降のアクションゴリゴリ系も好きだ。そして理想の上司の参考にと『図書館戦争』でも見ようかと思った。

毎年お正月休みにビジネス書を読むことが習慣になっている。
目標管理を作成するためだ。自分の目標管理を作成し上司に提出し、自分は部下の書いた目標管理に目を通し、面談を進める。少しでももっともらしいことを言えるよう、その準備のためだ。

今年は『神コーチング』。元日本ハムファイターズの選手で、二軍監督でもあった白井一幸著。
コーチングの本と言うと、部下のタイプ別の接し方などを説く本が多いなか、この本は、上司である自分自身の行動の変革を迫る本だ。

会社でも、どれだけ言っても言うことを聞かない部下に手を焼いているリーダーがいるかもしれません。
言うことを聞かないどころか、言えば言うほど反発する。
そんな部下に対して、皆さんはどんな感情を抱きますか? そして皆さんはどんな行動を起こしますか?
おそらく、多くの人は「腹が立つ」とか「気分が悪い」とか感じることでしょう。「言っても言ってもやらないし、あいつは反発するばかりだから、もう言うのをやめた」と言って、諦めてしまうかもしれません。
なぜ気分が悪いという感情が生まれたり、諦めるという行動に出たりするかというと、そこには「部下を思い通りに変えてやろう」という心があるからです。
しかし、他人である部下を思い通りに変えることは、そもそも無理なのです。私たちはできないことを一生懸命コントロールしようとするから、フラストレーションが溜まったり、最後は諦める、つまり職責放棄したりしてしまうのです。
そもそも相手はコントロールできないと考えることが大事です。
言っても言っても動かないのは相手の問題ではありません。動くかどうかを決めるのは相手です。そこはあなたにはコントロールできません。
でも、言い方を変えることはできませんか?
伝え方を変えることはできるのではないですか?
最後まで諦めないことはできるのではないではないですか?
相手はコントロールできませんが、自分の考え方や行動はコントロールできます。だから自分がコントロールできることにだけ意識を集中すればいいのです。
言っても言っても動かないのは、言い方が悪いからなので、言い方を変える。相手が悪いのではなく、こちら側の問題です。

『神コーチング 人が育つ言葉』

こんな風にガツンと言われると、ぐうの音も出ない。そうかぁ、そうかぁと我が身を振り返り、過去の自分の言動を反省するしかない。部下とどう付き合うか、どう関わっていくのか、年を重ねるごとに考えがブラッシュアップされているといいのだが、鈍感さというか、厚かましさの鎧が年々頑丈になっている気もする。

尊敬できる上司や目標となる先輩に出会うこと、そういった出会いも部下には大切だと思うが、自分自身がそういった目標たり得ているのかと言われると全く自信はない。
岡田准一のようにアクションが上手い、それ以上に格闘技が師範級に強い、という圧倒的な存在感を持ち、しかも尊敬に値する人物なんて、そもそも田舎の中小企業に存在するのだろうか。
私だって、周囲からリスペクトされている雰囲気はなく、「(ネガティブな意味で)ビッグボス」と陰口を叩かれている気配すらもなく、部下から相手にすらされていないのかもしれない。
長年の慣れから、部下からどう思われているだろうとビクビクすることはなくなったが、部下との関わり方について、いまだ答えを見出せてはいない。

状況を変えるには、相手に焦点を当てるのではなく、自分自身の考え方や言葉のかけ方、行動の仕方に焦点を当てることが重要

『神コーチング 人が育つ言葉』

自問自答を繰り返す、自分との戦いは卒業したつもりでいたが、再び己との戦いの日々が来るのか。
岡田准一のような男闘呼への道は遠い。

今月の本
『神コーチング 人が育つ言葉』白井一幸(日経BP)

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