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PIN百物語 真夏の黒い影 byみんだん

あれは、私(みんだん)が小学校5年生くらいの頃だろうか

その時期は確か、暑い夏だったように記憶している


夕食も終え、普段ならば数時間ほどそのままダイニングでテレビを楽しむのだが

その日は早々に二階にあるリビングに移動し、くつろぐことにした


すでに夜も更けていたので、部屋の中は真っ暗だ

スイッチではなく垂れ下がる紐を引っ張るタイプの照明で、暗闇の中手探りで電気をつける

換気のためか、窓とカーテンが開け放たれている

ちょうどいいので、そのままかすかな風を感じながら、しばらくテレビを見ていたのだが


...何か嫌な予感がする...


妙なざわつきを感じ、家族がいる一階に移動することに

電気を消そうと、紐に手を伸ばすと...


バタバタバタバタ


大きな音と共に目の前を過ぎる黒い影

ふと手元を見やると、その影の正体がこちらにむけて威嚇しているではないか


手で掴みかけた電気の紐には、かなり巨大な黒い物体・Gが、羽を半開きにしながら止まっていた

どうやら窓から飛び込んで来たらしい


あまりの存在感とまがまがしい黒さに、私は電気を消すこともなくその場から逃げることしかできなかった


その後、私の報告を受けた母親が二階へと消えていき、大きな物音が響き渡る

家族と共に上がったリビングの窓ガラスには、大きなシミが残っていた


終わりに

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