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この世は仮の宿だからこそ

 とうとう12月、2022年も最後の月になってしまいました。2020年はあっという間に過ぎて行ったし、2021年もあっという間。たぶん今年も同じようにあっという間に終わってゆきます。きっとこのまま私の生も、長い一夜の夢のように、ごくあっさりと途切れるでしょう。「天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり」とは、まことによくいったものです。


 先月は中旬ごろからやっとスケジュールも落ち着いてきまして、noteやキャスなどの更新も、安定的に続けられるようになってきました。今月もそれなりに色々と予定はありますが、ウェブ上での発信は普通にやれるだろうということで、マガジンでのnoteエントリの定期更新は継続いたします。


 今月分のマガジンは上掲リンク先になりますので、よろしければご購読くださいませ。内容としましては、従来どおりテクストの記事が月~金曜日の週5回(原則として朝8時に)必ず更新され、その有料部分は全てマガジンを購読することで読むことができます。また、より踏み込んだ内容を語るツイキャス放送・録画の視聴パスも、本エントリ下部から取得が可能です。最近はnoteエントリの補足及び質問対応等をツイキャスで行うことが多いので、とりわけ読まれたい記事が複数ある場合には、マガジンを購読されたほうがお得になることは多いかと思います。

 なお、先月分のマガジンは下掲のリンク先です。ご購読いただいている方は、もちろん従来どおり記事の閲覧もツイキャス録画の視聴もそのまま可能ですので、過去エントリを見返される際等に、ぜひご利用くださいませ。


 さて、11月は最初のエントリから「最近の世相」に対する憤懣やるかたないお気持ちを書き連ねたりしておりましたが、1か月のあいだ色々と書いたり話したりしたおかげで、私のソウルジェムも多少は浄化されてきたようです。今月は、Youtubeチャンネルのほうでゲーム実況をやったりなど、楽しい計画もいくつかありますし、おそらく2022年は愉快に終えることができるのではないかと思っています。


 先月のエントリでは、「原理原則から思考を積み上げて、眼前の物事を理解する」ことの重要性と、その営みの本質的な楽しさについて、多く述べることになりました。ただ、そうした記事に対する諸々の反応や、あるいは世間の人々が報道で話題の事件等について語るコメントなどを眺めていると、「そもそも各々の事案について、立ち戻るべき原理原則が何であるのかということ自体が、多くの人々にとって不明瞭になってしまっているのではないか」ということは、やはり改めて考えざるを得ません。

 上記のことは、とりわけ価値判断にまつわる問題について当てはまる話ですが、この現状を「大きな物語の喪失」という、やや陳腐化した表現で説明したくなる方もいるかもしれません。しかし、私の視点からすると進行しているのはむしろ逆の事態であって、様々な形で差異のある各別の事案に直面した個々人が、自身の教養(Bildung)に照らして適切な原理原則に立ち戻り、その立場から適切な対処を行うという、多様性の基礎となるエートスが失われているからこそ、とにかく世間で広く流通していて「怒られない」であろう画一的な振る舞いだけを、ほとんどの人が選択し続けることになるという、どちらかといえば「全体主義」の社会に近い状態が結果的に実現されているのが、現状ではないかと思われる。こういう世の中であるからこそ、各人が自律的な人格を形成(Bildung)することがより大切になると私は考えているのですが、そんなことには頭を使わないのが「現実的な大人」であると思う人のほうが、残念ながら近時はずっと多いようです。

 全体公開の記事で述べられることは上の段落にあるような抽象的な話にすぎませんが、たとえばこうした話を具体的な事案に即して語り直してみることが、今月のエントリのテーマにも何度かなるだろうと思います。私としては、いつもいうように、誰にでもわかる基本的な原理原則から思考を積み上げて、世界や人間の相当複雑な構造まで理解することができるようになるという経験は、それ自体として多くの人にとって楽しいものであるに違いないと確信しているので、その経験を共有できる機会を、できるだけ増やしてゆきたいというのが衷心からの願いです。本noteも、もちろんそのためのメディアの1つですね。


 最後に恒例の告知ですが、限定キャスで回答を希望される質問や相談等のメッセージは、ツイッターDMもしくはグーグルフォームにて受け付けておりますので、そちらのほうにお送りください。また、対談のお申込みや読書会への参加希望等の様々な提案・連絡・雑談等も同じところにお気軽にどうぞ。師走というくらいで皆さん忙しい時節かと思いますが、どうぞ流感になど罹患せぬよう、お身体を大切にお過ごしください。

 それでは今月も、どうぞよろしくお願い申し上げます。


※以下のマガジン有料エリアには、今月配信するツイキャス放送(録画)の視聴パスを記載しています。このパスで視聴可能な動画URLは、配信があるたびに、順次以下に追記してゆく予定です。

瞑想と結跏趺坐、一魚一会、理解と翻訳の関係など
高齢独身者の未来、フェミニズムと結婚制度、社会正義の問題など
ニー仏こわい問題、epiphany、女性表象問題の急所など
保険とBI、自立とは何か、表現の自由とその制約など
支援と搾取の関係、アメリカとチーズのことなど

 12月のツイキャス(録画)視聴パスが記されているのは本エントリのみであり、今月の他のエントリには有料部分にもパスの記載はございませんのでご注意くださいませ。

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2022年12月のエントリをまとめたもの。記事の有料部分は全て読める上、踏み込んだ内容を語るツイキャス放送(録画)の視聴パスも入ったお得なセットです!

2022年12月のエントリをまとめたマガジン。当月公開記事の有料部分が全て読めるのに加えて、ツイキャス放送(録画)の視聴パスも入ったお得な…

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