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都合のいい魔法戦士

 いよいよ2019年の暮れも押し迫ってきたということで、毎日なんだかんだと買い物に行ったり段取りをしたりと、真人間ぽい作業に追われている日々である。

 このあいだ『進化心理学から考えるホモサピエンス』という本を読んだのだが、そこに「既婚の男性科学者は結婚後しばらくして急速に生産性が低下するが、独身者は引き続き大きな成果を上げるようだ」ということが書いてあった。もちろん進化心理学の本だから、繁殖の成功(結婚と子供の誕生)という男性の「究極の目的」を達成してしまったのに、その手段にすぎない論文の生産を行うことは当人にとって意味がないのだ、という解釈の提示のために、このデータが持ち出されているわけである。

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