オルゴール売り場で落とした心臓のかけらとピアスホールのひかり
不自然な敬語で話す後輩がうらやましくてチロルをあげる
親友が死んだのも夏 まだ髪が長かったから処女だったころ
水をでて生きる覚悟が足りなくて涙の味は海とおんなじ
コンタクトレンズが軋んで不自然な光がわたしの目だけに映る
反射する海の切れ間がゆがんでくここで何人沈みましたか
廃墟ってからっぽで好き 灰色は黒でも白でもなくて大好き
不謹慎だって罵る父親のゆがむ眉毛と睫毛を見てた
イッツマインわたしを消費しないでと言えないままで走らされてる
大人ってたぶんこういう感情を上手に隠して笑うんだよね
2018/3
#tanka #連作