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定量分析のプロセスを言語化してみる

■これは何か

データ分析系の記事を見ていて、分析タスクが降ってきてからどういったプロセスで分析していくかを書いたものが少ない気がしたので言語化してみた。

■こんなこと書いてる

・分析の目的のおさらい
・分析のプロセスの概要、詳細
・具体的な例

■分析の目的

一言で表すと、意思決定するために事象の解像度を上げる。

例えば、ある事業を存続させるか撤退するのか決めたいとする。存続可否と関係がありそうな情報は星のようにある。それらすべてをただ眺めていても可否を決めることはできない。なので、意思決定に必要な情報を明確(シンプル)にすることが必要。今回の例だと、

・その事業が赤字なのか黒字なのか、他社や市場と比較した時の良し悪し
・今後その数値が改善する見込みがあるのか、改善アクションのROIは許容範囲か
・その事業が間接的にでも会社に利益をもたらしているか

このような情報があれば意思決定しやすくなるのかなと(現実はもっと複雑だと思いますが)そしてこれらの情報を意思決定者に分かりやすく伝えるまでが大事。

■分析のプロセス

では、どのようなプロセスをたどれば意思決定に繋がるデータ分析ができるのか。

1.何を意思決定するのか明確にする
言葉の通り。
A,Bパターンどちらが優れていているから変えるべきなのかそれとも現状維持なのかを決定する、のように何を決定するのか定義する。ここがしっかりと定義されていないと、大幅な手戻りが発生するため注意が必要。

2.意思決定の為に必要なデータを明確にする
どのようなデータがそろっていれば1で定義した意思決定が可能になるのかを意思決定者と定義する。
A,BパターンのPVやCV,CVRといったデータがあれば判断できるといったように。どのデータで意思決定できるか明確に定義できない場合は、仮定でもいいので定義しないと分析できない。

3.データの収集方法を考える
2で定義したデータをどのように収集するのか。
DBからSQLで収集するのかユーザーアンケートやインタビューをするのか、それともすでにデータがあるのかなど。

4.現状を把握する
分析対象のデータや自分が所属している事業の現状を把握する。
時系列や競合他社と比較したときに良いのか悪いのか、重要な指標は伸びているのか落ちているのかなど。指標が良いのか悪いのか把握していないと、どこを改善したり伸ばせばいいのか判断がつかないのでとても大事なプロセス。

5.傾向や因果関係を把握する
データの傾向や因果関係から、どこを改善すれば重要な指標が伸びるのかを明らかにする。
4までだと改善する動機になっても、改善のアクションまでが遠いので、それを近づけるためのプロセス。

6.アクション後のデータの変化を観察する
施策を打ってどのように指標が変化したのかをモニタリング。
想定通りに変化したのか想定外だったのか、その場合何が要因で想定外の動きをしたかを振り返る。

※依頼されている分析であれば4,5が終わった段階で内容をまとめて依頼者に伝える、というプロセスが発生する。
基本的にスライドを作るなりBIツールに落とすなり、Excelやテキストベースでわかりやすく伝えるのが一般的。

■具体例

具体的に4,5,6当たりのプロセスはこのようなことをやっているのではなかろうかという図。KPI設計はプロセスに含めていないが、分析の介在価値はとても高いと思うので書いておく。

■蛇足

今回は定量的な分析をイメージして作成したが、定性的な分析でもある程度応用できそう。ただ、現状把握するプロセスがどうなるのか想像できないので、3→5にスキップすれば応用できるかもしれない。

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