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The Messenger -PS+エクストラ探訪-
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見た通り、忍者龍剣伝にオマージュを捧げた2Dアクション。素材につけレベルデザインにつけ丁寧に作られており、絵面の懐かしさに惹かれた人は無論、古の文化に興味がある若い方の御眼鏡にも叶う完成度を持っている。が、注意すべき事もある。
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低難易度且つプラットフォーマーに振った忍者龍剣伝。基本部分は共通ながら原作のストレス要素を徹底して潰してあり、軽快に進んで行く爽快なプレイ感になっている。龍剣伝RTAの様なサクサクプレイが初見時から可能で、「昔のクソ難しいゲームのオマージュ」と尻込みする必要は無い。
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一方、原作の味だったジャンプと攻撃のタイミングを狙い澄ますプレイは残されている。足場を塞ぐ敵を着地直前の攻撃で排除するアレや、ジャンプ中に突っ込んで来る敵をギリギリで捌くアレだ。長いとは言えないリーチの先端を当て続けるプレイは、コントローラをブン投げてFCをバグらせたあの頃を想起させるだろう。
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しかしそれでも1ミスで穴に叩き落されて戻し作業が始まったりはしない。ちゃんとこなさないとダメージは嵩むが、落下は受け身技でリカバリー可能だしチェックポイントも頻繁。前進し続けながら瞬間的な判断で敵を捌いていくハイテンポなプラットフォーマーを、瞬発的なシビアさは確保しつつも全体としては緩く進めて行ける。覚えゲー感が無くなった龍剣伝だ。
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龍剣伝の残り香を纏うプラットフォーマーは魅力的なのだが、問題は中盤からゲームが変わる事だ。原作を思わせる面クリ型は序盤のみで、中盤以降はメトロイドヴァニアになる。一本道プラットフォーマーの楽しさにだけ浸っていられた序盤から一転、アッチでもないコッチでもないとマップを右往左往するゲーム性に変貌する。
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ファストトラベルも限定的で、同じマップを何度も踏破し直す作業がプレイ時間の大半を占める様になる。この唐突な変化が本作唯一の難点だ。序盤の進行テンポが良かっただけにゲーム性の転換はプレイヤーを戸惑わせるだろう。「マップを行き来するのはメトロイドヴァニアの醍醐味だ」と、サッサと切り替えられる人なら問題ないが。
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ただ、周回作業になるとはいえ、マップは変わらず『緩い龍剣伝』としての楽しさを維持している。プラットフォーマーの気持ち良さ自体はクリアまで一貫しており、繰り返しへのウンザリ感も限凸する前にラスボス戦を迎える。終えてみれば「楽しかったな。DLCもやってみるか」と思わせてくれる範囲に収まっているのも確かだ。
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プラットフォーマーという魅力の本体は一貫した上で、進行の軽快さが失われる事を許容できるかどうかが楽しめるかどうかの分かれ目になるだろう。中盤以降もレベルデザイン自体は丁寧に作られており、完成度は始終高い水準をキープしている。プレイするなら、変化への心の準備だけしておいて欲しい。