お薦め in Steamサマセ_2022(済)
セールのド真ん中にSunbreakが控えているため、ゲームを買い控えている御仁も多いだろう今回。数少ない椅子を与える価値がありそうなゲームを数本紹介。参考迄に。
Aeon Must Die!
2480円→992円(-60%)
簡易な格ゲーのシステムを持った2Dアクション。一体ずつ出現する雑魚敵達を順番に殴り倒していくという、疑似的な格ゲーになっている。
このゲーム、格ゲーよりもソウル系が好きと言う人にお薦め。コンボ要素が薄く、差し合いとカウンターを重視した戦闘や、一体ずつ確実に処理していくプレイはソウルライクの戦闘の楽しさに近い。
2Dソウルライクはメトロイドヴァニアを兼ねている場合が多く、「ホロナもソルトも面白かったけど、戦闘の部分だけやりたいな」という神の家の住人も多いだろう。探索という雑念が無いため、ダクソよりSEKIROが性に合った人向けだ。
一方でかなり癖の強いゲームでもある。判定が判りづらい独特の表現や煩雑なシステムに慣れるまでは、返金の選択肢が頭を過るだろう。最初の一時間はワケも判らず凹され続ける事を覚悟して手を出して欲しい。慣れてしまえば、狙い澄ましたジャストガードと回避からの反撃が癖になる。
Warstride Challenges
2800円→2100円(-25%)
熟練者の『競技』であるスピードランの楽しさを、手軽に味わえる様にしたスポーツ系FPS。一つ一つのレベルを極短い物にする事で「戻し作業」を排除している。
RTA等を見ていると、一発の被ダメ、一か所のジャンプ失敗だけで数時間のプレイが水泡に帰すという場面を見かけるだろう。見世物としてのスピードランの醍醐味だが、多くの人はアレを見て「自分も体験したい」とは思うまい。
Warstride Challengesは本編を一面一面が極短い面クリ型にする事で徒労感を排し、注いだ努力がタイムに直結する喜びだけを抽出している。「マップを覚える」→「良いルートを探す」→「繰り返して精度を上げる」→「良い結果が出る」というスピードランの楽しさを手軽に何度も体験出来る。
コンセプトの近似するNeon Whiteというゲームも登場したが、此方はQuakeの様に高速で跳ね回るムーブと、DOOMの様に残酷で爽快な演出が特長だ。Neon Whiteも高評価なので、表現がより好みな方を試し、気に入ったらもう片方も買ってしまおう。
SCARLET NEXUS
9020円→4510円(-50%)
昨年6月、バンナムが鳴り物入りで送り出し、Tales of Ariseに前座として喰われた悲運の大作。異能バトル物のARPG。
戦闘、ストーリー共に単純な完成度はTalesの方が上だが、方向性の違う魅力を持っている。アクションと同時に最適なエンチャの判断やオブジェクト利用の決断が連続する戦闘は、多数のゲージを一つの目的(コンボ継続)に収斂させるTalesとは違った頭の使い方をする。中二病全開世界だから活きるアニメチック異能バトルやセルルック3Dのビジュアルも、好みさえ合うなら深くに刺されるクオリティだろう。戦闘も見て呉れも、Talesの陰で朽ちるに任せるには勿体ない出来だ。
そして何より、Talesでは抑え気味だった開発の性癖がこちらでバーストしている。高嶺の優等生を装った天然コミュ障、露出の無さがエロを加速するムチムチお姉さん、内気メカクレ、幼馴染み元気娘、仁義系筋肉、大義への不信を抱えたショタ、憧憬とプライドの間で揺れる少年等々、ファンタジーより中二異能バトル物にこそ馴染むキャラが多い。
キャラにつけ戦闘につけ、Talesと別方向の魅力を備えているので、あちらがイマイチだったという御仁には此方を試してみて貰いたい。
Kind Words
520円→416円(-20%)
放流型のコミュニケーションソフト。匿名のメッセージを投げると、どこかの誰かが優しい言葉で返事をくれる。返事に再度返事を返す事は出来ない、後腐れの無さを重視した揮発性コミュニケーションツールだ。上辺の物と判っていても、優しい言葉が必要な時はあるだろう。
面白いのは、放流する側には字数制限がある事だ。Kind Wordsで優しさにありつくには、吐き出したい物を言葉にし、簡潔な文章へ推敲するというステップが必要になる。一見面倒臭いこの言語化の作業が、心を覆うモヤモヤの正体を暴く筈だ。漠然とした不安に名札がつく事でその成分が判り、返ってくる言葉と合わせて心を楽にしてくれるだろう。
Crystar
6290円→2516円(-60%)
変身ヒロイン+アクション+胸糞ストーリーがコンセプトのARPG。正直本作は、本来ならこの種の記事で薦められる程の完成度を有していない。未調整なアクションと前時代的な演出が没入感を削いでおり、何らかの都合でブラッシュアップが足りないままリリースされた事が垣間見える。様々な事情で凡作の谷底から這い上がれなかった悲運の野心作なのだろう。
しかし、ゼロ年代風の泣きゲーをARPGに落とし込むというコンセプトは、この一作で終わらせるには惜しい。コンソール版に対してSteam版の評価が妙に高く、身も心もボロボロの美少女が嘲笑を浴びながら朽ち果てる描写が結構な数の紳士にブっ刺さっていた様だ。
FURYUはCrystarプレイヤー向けに「本作のどこが気に喰わなかったか」的なアンケートを採った事もあり、そういった情報に敏感らしい。Steam版がこのまま伸び続ければ、次回作(企画段階)に本腰が入るかもしれない。変身ヒロインがボロ雑巾にされる属性がある紳士ならば、半ばお布施と割り切った上で手を出す価値は有る。
あとFURYUはOPムービー中の零ちゃんのお尻のアップ消したの戻せ。