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AURORA写真塾 ダイジェスト 2022.04

毎月1回、NHK文化センターにて開催しているオンライン講座『AURORA写真塾』について、どんな内容なのか時々問い合わせをいただくことがあるので、4月〜8月分までを、ダイジェストとして少し紹介していこうと思います。

4月は機材や便利なアイテムの紹介が中心。なぜそのレンズに拘るのかなど、これまであまり触れてこなかったような内容についてもお話ししています。

そんな中から今回はレンズの選び方について簡単に紹介します。著書『the moment of SLOW LIVING 写真で紡ぐ、暮らしの時間』 や、こちらの記事でも紹介していますが、テーブルフォトは、商品の紹介など宣伝目的であるケースも多く、被写体の形を綺麗に写すことが大切だと思います。そのためには被写体から離れて撮影することをおすすめします。これはスマートフォンなどで撮る場合も同じです。近距離から撮影すると、パースが強調されて被写体の形が不自然に写ります。

次の3枚の写真は、上から順に、焦点距離85mm、50mm、35mmの単焦点レンズで、それぞれ撮影距離を変えて、同じくらいの画角になるように撮影したものです。

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焦点距離85mm
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焦点距離50mm
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焦点距離35mm

3枚を比較すると、85mmのレンズで撮影したものは長方形のカッティングボードが一番自然な形に見え、後ろに置いたオレンジも、手前のオレンジと同じサイズ感に見えます。一方35mmで撮影したものは、カッティングボードの手前が引き伸ばされたように台形に写り、後ろのオレンジも遠くにあるように見えますね。またテーブルに注目すると、35mmの方は、奥の方の幅が狭く、パースが強調されているのが分かります。35mmの場合は、85mmと同じ画角で撮ろうと思うと、被写体に近づいて撮ることになるので、パースがより強調されて写ります。そのため、被写体の形が実物と異なって見える場合があるのです。

被写体やシーン、アングルによっては、35mmでも気にならない場合や、35mmの方が向いている場合もありますが、上記のようなケースでは広角レンズは不向きです。テーブルフォトでは、焦点距離は標準から中望遠くらいが使いやすいと思います。標準レンズと中望遠レンズはどう使い分けたら良いのかというと、切り取りたい画角で使い分けるようにします。私は、真俯瞰や斜俯瞰でテーブル全体を画角に収めたい場合は50mm、カップとプレートが写る程度の、一人分の軽い食事を狭い画角で切り取りたい場合には90mm前後のレンズを使うことが多いです。レンズの焦点距離は、構図にも影響します。構図を決めるのが難しい、特に配置が難しいと感じる方は、レンズを見直してみるのも良いかもしれません。もう少し詳しく知りたいという方は、前述した書籍も併せて読んでみてください。撮影距離の話なども詳しく説明しています。

以上、初回講座のダイジェストでした。次回は5月のダイジェストについて紹介したいと思います。


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