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思い通りにテーブルフォトを撮るための基礎知識 #2 光の向き

今回は、室内の自然光を使う場合の「光の向き」について説明していきます。ちなみに大前提として、自然光で撮影する場合は室内の照明は消しましょう。色被りの原因にもなりますし、不自然な影ができてしまいますよね。一般的な住宅用照明は演色性が高くない場合が殆どで、実際の色を表現するのが難しいのですし、ミックス光は後で調整するのも大変なのでおすすめしません。

光の向き

窓から入る自然光を使う場合、大きく分けて次のような光の向きがあります。

・順光
・半順光
・サイド光
・半逆光
・逆光

天窓がある場合はトップ光もありますが、通常は上の5つの向きになります。(厳密に言うと、自然光はこれ以上に多くのことを考える必要があるのですが、今回は基本的なことだけを説明します。)図で表すと次のようになります。

光の向き図

どう表現するかによって最適な光の向きは異なりますが、特にテーブルフォトで覚えておきたいのが半順光、サイド光、半逆光、逆光の4つです。また、室内に届く自然光には、大きく分けて、太陽の高度が低い時間帯に東や西の窓から強く差し込む直射光のような光と、拡散されて届く柔らかい光があります。(本当はもっと複雑ですが。)

光の向きによる印象の違い

光の向きによる印象の違いについては、ヒーコの記事などで何度も解説しているので、基本的なことは省略します。今回は簡単に、無花果の写真を例に、順光、サイド光、半逆光の印象の違いを見てみましょう。

順光(拡散光)

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こちらは柔らかい順光で撮影したもの。色が綺麗に表現できているのが分かります。影は被写体の裏側にできるので立体感はあまり感じられず、フラットな印象になっているのが分かります。硬い光の場合はもっとコントラストが高くなります。

サイド光(拡散光)

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こちらは柔らかいサイド光で撮影した例です。左の窓からの光で撮影しているので右に影が落ちています。左後ろの無花果を見ると、左側は光が当たって色が綺麗に見える一方で、右には陰影があって立体感が表現できているのが分かります。

半逆光(拡散光)

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こちらは柔らかい半逆光で撮影した例です。左後方からの光で撮影しているので右手前に影が落ちています。左後ろの無花果を見ると、サイド光よりも影になっている面積が増えているのが分かります。また、左手前の無花果を見ると、艶があって瑞々しさが表現できています。

どう使い分ける?

先程の無花果を例に挙げるならば、艶を表現したい場合は半逆光で撮影する、というように、何をどう表現したいかで光の向きを決めます。この時あれもこれもと欲張れないのが自然光だと思います。自然光の場合、光源は一つで、光源を当てたい場所から自由に当てることができないからです。よって表現についても、優先順位を決めておくと、光の向きを決めやすくなります。叶えたい要素が多い場合には、ライティングを使う必要があるかなと思います。

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