非常勤の徒然:誠実な常勤の先生も苦労されている
昨日Twitterをぼーっと眺めてたら,こんな呟きが流れ来ました…
…お,お疲れ様です…できるものならその折れてしまった心に何か注入したい(わたしもあちこちよく折れるタチ).
Togetterにもまとめられてました.大学教育に直接は関与していない人々からは「普通に留年にして落とせばいいよね」「そのまま社会に出てこられても(ましてや部下や同僚になられた日には)迷惑だから」という意見が標準っぽく,家人(一般企業勤務)が見せる率直な反応と同じである意味安心してます.
一方で身に覚えのある大学教育関係者から「留年させろとかそんなに簡単に言うなよ…」「来年どうすんだよ…また同じ学生担当するのは嫌だよ…同僚の引き受け手もいないだろうし…」という大きな溜息が聞こえてきます…本当に!本当にお疲れ様です!!…常勤には常勤の苦労がありますよね!
わたしは非常勤として自分の担当領域を超えた責任まで取るつもりはないので,せめて自分が担当した科目のレポートくらいはしっかり見て「講義の内容を理解して書いたとは思えないし,そもそもレポートというものがわかってないみたいだから,大学生なら参考書を探して,それで書き方の勉強から始めよう?」というメッセージを直接投げつけて終了にします.大学によってはレポートの書き方とか,コピペがダメなこととかを新入学時に教えるカリキュラムもあるようですが,自分で実際に書くという立場になってみないとわからないことはあるのでしょう.
それでもあまりに不合格者が多かったときがあり,わたしの教え方の問題と大学の方から評価されるかな?非常勤切られるかな?と心配に思ったこともあるのですが,ある程度の割合の学生がきちんと講義の内容に沿う形でレポートという成果にまとめて提出してくれている以上,わたしの教え方以前にいろいろ足りてない学生が一定数いるのだと割り切ったら,少し気が楽になりました(非常勤の契約の話が終わったらそれはその時).また,事務方の人には「きちんと真面目にやっている学生に合わせてくださって,足りない学生はそれで評価いただいて結構です」とも言われましたんでね.常勤の先生方がそれを期待しているかどうかはわかりませんが.
それにしても,わたしが在籍した大学(身分は学生/アルバイト/非常勤含めいろいろ)というごく限定的な感覚ではありますが「文系学部も夏休み前に中間発表とかがあって,夏休み明けに休み中の成果をゼミとかで報告してる気がしたんだけど…それもないのかな?」という素朴な疑問はあります.理系は実験とか実地調査とかで途中経過を記録したり発表したりが頻繁にあって,あとはM論生とかD論生とかの悪い見本が目の前を過っていたりすると「少しずつ何かのネタを文字で綴らないとそのまま”BAD END → GAME OVER”まっしぐらだな」と予感できる気がします(少なくともPowerPointにまとめるか,場合によっては紙で配るから,その程度の文章化はしてないと公衆に晒されて,いくら鈍感な学生でも自分が恥ずかしくなるのでは?…いや,そうならないのか?…わたしなら恥ずかしい…っていうか何もネタがなくて1度は逃げた黒歴史).理系学部は最終的な論文が白紙という最悪の事態であっても,途中の文章素材はありそうかな?…文系学部ではそれすらしない学校が標準なのかな?
ただ,学生がきちんとした文章を書けない問題は,某大学の教授が学部内の研究会の議事録ですでに20年以上前に全く同じことを書いていたのを発見してしまいました.そうですね,もうこれは昨日今日起きた問題ではなく,その後も大学の先生の諸環境(予算・研究資金・教育時間・事務作業等々)は悪くなることしか聞かないので,とくに常勤の先生にいろいろ余裕が無い以上,このままでは良い方向にはならないんだろうなあと諦観してます(上記議事録では,問題の指摘だけではなく,添削で鍛えている某教授の研究室の学生の状況はかなりマシであったという救いの報告も…教えたらきちんとできる素地はあるんだろうと思います).まあ,真面目で誠実な常勤の先生が病まないようにその熱意と職が保持されることを遠くから祈念してます…わたしはいろいろあって,常勤への道はほとんど諦めました…非常勤としてゆるゆると,関われるだけ関わるスタンスでいくことにします…
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