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【鑑賞前には絶対読まないでください・ネタバレ】「君たちはどう生きるか」鑑賞記録

前回に引き続き、「君たちは〜」のこと。
ついに鑑賞してしまった。
嗚呼、鑑賞してしまったという気持ち。

私は、まだジブリ美術館に行ってないので、未鑑賞の宮崎作品はあるのですが、
全国公開の作品は最後かもしれないし、
それを初めて観るという体験はもうないかもしれないし、
貴重な体験だった。

ストーリー自体を咀嚼できた感は全くないし、
果たして、ストーリーとか関係あるのか無いのか、夢の中のような映画でもあった。
しかし、そこには観賞後も残ってしまう何かがあった。

それを、家に帰る前にただ書き殴ったメモを紹介してみたいと思います。

ジブリファンの戯言。
主観一杯上等。

・「悪意」というものを超えていく物語
・「理不尽」に対する「悪意」を超えていく物語
・自分の中の「悪意」を認め、それを何回も何回も諦めずに破壊して超えて、生きていくこと。それが宮崎さんが人生全部をかけて学んだ生き方なんだと思った。
・主人公は、少年。まだ純粋なマヒトは、母親を戦争でなくし、さらに母親の妹と父が結ばれるという中で、大きな「悪意」という壁に始めてぶつかる。戦争という理不尽、その結婚については当たり前のように何も言わない父親、マヒトを本能的には認められない義理の母親の隠しきれない拒絶感、都会から来たマヒトを疎む友達。。
・物語は、その「悪意」の象徴であったナツコの失踪から動き始める。
・自分の心に忠実な主人公、アシタカ、パズーにも負けない強力主人公!
・最後に、大叔父が務めていた世界の番人をマヒトは断り、一人一人が「悪意」という欠損を認めながら生きている世界へ戻っていく。(シンエヴァと一緒じゃん!)
・純粋な真っ直ぐな少年時代は終わりを告げ、「悪意」を超えた先が良かったのか悪かったのかは分からないけど、「大人になる」ということなんだと思った。
・「女は怖い」「お母さん大好き」が伝わってきた。

・最初の戦火のシーンは、今書かなければ、伝えなければ、という覚悟を感じるシーンだった。

・マヒト→宮崎さん、青鷺→鈴木敏夫、ヒミ→お母さん、保田道世、高畑監督 かな。。。

・マロさんにたいするメッセージ「これが本当の冒険だし、魔法だよ!」。庵野監督に対する「俺の描く欠損との戦いはこれだよ!!」が透けて見える気がして、やばいぜ!

・エンドロールに、数々の名スタッフ、スタジオカラー、ポノック、地図の名前まであり、さらに声優は鈴木敏夫の愛すべき人々でいっぱいで、愛しか感じなかった。マフィアかよ!

・アニメーションの動き、キャラクターデザイン的には今までにないチームの違和感も少しあるけど、宮崎さんの「覚悟」が伝わる非常にヤバくて素晴らしい作品だったと思う。

鑑賞直後メモ

・マヒトが継ぐことをきっぱり断ったのは、新しい世代への応援だった気もする。今までのジブリの作り方や組織をこえて、頑張れよと。
あの後、大叔父はあの世界に残って、組織という積木をこうしたらああしたらという世界に居続けるのだろうか。
世界の枠組みは、きっと縦じゃなくなって、ひとつの石や、ひとつのお守りおばあちゃん人形のように、個人が個人を謳歌し、助け合う生き方になっていくというメッセージかなあ。
でも、そんな生優しいものではなくて、孤独と向き合いつつ、挑み続ける世界というメッセージの様な気もする。

・マヒトの人生は続いていく。人の悪意は変えられない(きっと、お母さんの拒絶も変えられない。人は変えられない)。それも認めつつ、生きていくしかない。人の悪意も、自分の悪意の鏡なのかもしれない。それを抱えているから、破壊も怒りもあるけれど、その先にどう生きるべきかを真剣に考えて進むしかない。能天気な父親も、臭いものに蓋をする母親も、全部嫌いだと拒絶したってしょうがないし、その先どう生きるかは自分次第だ。そんなことを言っている気がする。

鑑賞数日後メモ

これは、あくまで私の眼鏡をとおした「君たちは〜」。
夫も別日に鑑賞したが、全く違う見方をしていて面白かった。
他の人がどの様に感じたか、ぜひ話をきいてみたい。
話をきいてみたくなる映画でした。

もう一回観れるかな〜。

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