Missing…言葉にできるなら少しはマシ/ある歌人神官がみた明治(12)
会いたくて会いたくて震えていた葦の舎あるじである。つのる想いとは裏腹に、彼に訪れた運命とは。
前回はこちら
まるで織姫・牽牛みたいに逢えない二人だねって ボクは
前回から引き続き、逢いたいのに逢えない恋に、葦の舎あるじの心は乱れていた。
七夕に詠む歌も、あきらかに逢えない自分を仮託している。
明治29年の七夕。葦の舎あるじは帰郷中だったと思われる。おそらく東京にいる我が織姫を思い浮かべ、再会を待ちわびていたことだろう。
だが、9月になって彼が須磨で途中下車して