音をめぐってグールグル

 私は音痴である。それもものすごい音痴らしい。自分では自覚がない。そもそも自分で自覚できるのならきっと音痴ではない。
 
 小学校のころは音楽の先生に授業のたびに怒鳴られたり叩かれたりしていた。私の歌はお経みたいだといわれ、校内合唱コンクールでは口をパクパクさせるだけにして、歌わないようにという指示まで受けた。いまなら問題化しそうだが、昭和の時代の話だ。

 しかし、いっぽうでは私は「地獄耳」だと言われ、他の人がぽろっと話したことや、聞こえるはずのない声みたいなものも子供のころから聞こえたりしていた。

 英語を学ぶようになると、英語がよく聞き取れることがわかった。ネイティブの人がしゃべる発音の真似をするのも上手だとわかった。

 他の言語でもききとりや発音はすぐに上手になり、上級者だと勘違いされてしまって、コミュニケーションに困ることもたびたびあった。

 しかし、どの言語でも大丈夫かというと、そういうわけでもない。

 中国語、特に、普通話の発音がさっぱりできないことがわかった。

 あのまーまーまーまーとかってやってる四声がさっぱり発音できない。その前にちがいがききとれない。スマホ相手に話してみてもさっぱり認識されない。Duolingoもこれで断念。これが同じ中国語でも広東語だとなぜか真似しやすいのも不思議。
 
 最近読んだ本では歌は感情を表すもので、感情を表現することができない人はお経みたいになるとかいてあって、なるほどな、と思った。

 私は小さい頃からいろいろと我慢しすぎて、あまり感情表現が得意でなくない、というのはわかります。

 音痴克服への道、というか、自分の中の長年の疑問、「なぜ自分は言語のききとりは得意なのに音痴なのか」ということをしばらくまとめていきたい。