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絵本と個性の話。『そっといいことおしえてあげる』

子供の頃、幼稚園でもらった絵本で大好きなものがある。
『そっといいことおしえてあげる』という、世界中のいきものとやさしい交流をしていく(ことを想像させる)絵本だ。

そっと いいこと おしえてあげる。
あなたが うまれた そのときに、あなたの ともだちも うまれたよ。
そして あなたに あいたいと、ずうっと ずうっと、まっている。
おおきな おおきな ちきゅうの どこかで、
あなたを まっているんだよ。

おのりえん(作)・垂石眞子(絵)『そっといいことおしえてあげる』

絵柄もほっこりやさしくて、文章のリズムも良い。
子供ながらにこの絵本がだいすきで、母親に数えきれないほど読んでもらった。
今でも実家にあるはずだけど、ボロボロになっている記憶がある。

これ以外にも30歳を超えた今でも強く記憶に残っている絵本はいくつかあって、今でもふとした時に思い出して読みたくなることがある。
そういう本はもしいつか自分が子供を持つことがあったら読み聞かせたいなと思うので、なぜ好きだったんだろうなあと考える。

というわけで、結構前だけど、中古で買った!

わくわくする設定ばかり

この絵本に登場するのは以下の8人(?)

  1. 子供=あなた(つまり読み手)

  2. ひとりぼっちのきりん

  3. はずかしがりやのかば

  4. がんばりやさんのたんぽぽ

  5. ちょっときどったトナカイ

  6. おっとりのんきなコンドル

  7. うんとちいさなむし(てんとうむし)

  8. こわがりやさんのうさぎ

各いきものごとに見開き4ページ分つかって、「あなたのともだちがこの子なら、こんな日のこんなときに訪ねるといい」というおすすめのシチュエーションと、そうするとどんな素敵な時間を一緒に過ごすことができるか、という内容が、やさしいイラストにリズミカルであたたかい文章で綴られる。

その一緒に過ごす時間がそれぞれの個性が活かされたほっこりする内容で、個性をとても素敵なものと捉えている感覚がすごく好きだ。いつどこでだれと過ごすかで体験が全然違って、こちらの感じ方次第でそれがどれも素敵な時間になるんだと感じられる。

たとえば「ひとりぼっちのきりん」がともだちなら・・・

もしも あなたの ともだちが、ひとりぼっちの きりんなら、
とおい アフリカの サバンナで、あたなを まっているのなら、
みかづきの よるに いくと いい。
せいたかのっぽの あたまに のせて、
つきの はしっこ かじらせてくれる。

おのりえん(作)・垂石眞子(絵)『そっといいことおしえてあげる』

やさしくにっこりするきりんの頭にのって、うれしそうに三日月にかじりつこうとする子供の姿が描かれている。子供が想像するようなちょっとしたファンタジーでわくわくする。

世界中のどこかにきっとともだちがいるということ、そしてどんな個性も素敵だという前提の上に成り立っている文章なので、読んでいて安心するのだと思う。
今でも読むとやっぱりあたたかい気持ちになるので、これは子供には絶対読んであげたいなあ。

私の人生のテーマは「楽しいと感じる体験をたくさんする」こと、
こうありたいと思う姿は「個性や考えを理解する」こと(これがすごく難しい)。
今思えばこの絵本にも多少影響を受けているんだろうか。笑

ちなみに他に大好きで大人になってから再購入した絵本!
『たあんき ぽおんき たんころりん - たんたん たのしい うたづくし』

これもすごく個性的なキャラクターがたくさん登場して、リズムがとにかくたのしい!
ちょっぴり不気味だったりもする。これは大人でも超楽しいと思う!

大人になってから新しく絵本を読む機会ってほぼなくなっちゃったけど、たまには本屋や図書館に出会いにいきたいな。

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