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オタク、人生初のファンレターを書く

5人体制でのKing & Prince最後のMステに元祖私の最推し・スピッツの出演が決定したとの発表から2日が経ち、やっと冷静さを取り戻せた。

気づけば人生の半分以上を推してきたスピッツは、情熱を傾ける時期はとうに過ぎ今では私のlifeの一部になっている。
スピッツとは私の、生活であり、人生であり、命なのだ。
推しを推したいという気持ちを募らせた先にこの境地が待っていることを、私はスピッツで知ってしまった。

先日、スピッツの武道館ライブのチケット先行販売の当落発表があった。
私は全落ちした。先行なのでまだ一般発売の機会はあるが、一般は先着順受付なので私の参戦は絶望的状況。
それでも私の心は折れない。
私の好きなスピッツがライブ参戦も叶わぬほどの大人気バンドであることが誇らしい。
世のたくさんの人がスピッツを好きでいることが本当に嬉しい。
スピッツの演奏を生で見たいという気持ちがないわけではないのだけど、スピッツがスピッツとして活動してくれていることが何よりも大切で、それに比べれば私自身がライブに参戦できるかどうかなど私の中では些細なことなのだ。

スピッツはデビューに際し、レコード会社の方からお声が掛かったのはボーカルの草野マサムネさんだけだった。レコード会社が欲した才能はボーカルの持つ唯一無二の歌声と独自の世界観を紡ぐ詞、それだけだった。
しかしマサムネさんは「このメンバーでなければ契約はしない」と突っぱねた。業界の人に見出されたこの才能は、4人でなければ発揮されないからだ。
そして4人でたくさん話し合って、スピッツとしてデビューさせてくれるレコード会社と契約した。鳴かず飛ばずの時代を経てミリオンヒットバンドへ、そして今に至る……と言うわけだが、その間に私を「推しの健康お祈りオタク」にしてしまった出来事が、2008年に起こる。

ギターの三輪テツヤ氏が、肺癌を患い手術を受けていたことをファンクラブ会報で報告したのだ。

当たり前のことだけど人はいずれ死ぬ。
永遠につづくものなんてない。
それでも推しにはいつまでも健やかでいてほしい。
何より、スピッツは4人揃ってスピッツなのだ。
そう言ってデビューした4人なのだ。
何らかの事情でメンバーが1人でも活動を継続することが困難になったら、スピッツは活動休止あるいは解散もありうるのではないか。

これは私の勝手な考えなので、実際のところどうなるかなんてわからないしそんな日が来ることは考えたくないけれど、生まれたその日から一歩ずつ死に向かって歩いていく事実には誰も抗うことができない。
だからただ、ひたすらに祈ることしかできないのだ。
推しの健康とそれから、推しを推し続けるための私の無事を。

……とまあ、うっかりスピッツの話ばかりしてしまった。

ティアラのお嬢様たち、もし心に余裕があれば次のMステはぜひスピッツの演奏もお楽しみください……と言いたいところだけれど、私自身そんな余裕がないかもしれない。

今の私は寝ても覚めても岸くんのファンなのだ。

そう、それで岸くんの話。

先週の『VS魂』の岸Dの背徳グルメ爆食コーナー。
そこに少しだけ出演されていたケンコバさんが、ご自身のことを「ツキヨミの岸くんのソロで魅力に気づいた日本一歴の浅い岸くんファン」と称されていたけれど、それで言うなら私はキンプる。で鰻の蒲焼を頬張る岸くんの可愛らしさに魅了されて岸くんのファンになったきっかけも動機も浅浅の、ファンを名乗るもおこがましい存在だ。
時間だけで言うなら少なくともデビュー時からMステも観ていたし紅白だって毎年必ず観ていたというのに、岸くんが頑張ってきた歌やダンスのことをただぼうっと眺めていただけのあの時間の、何ともったいないことか。
「オレはなんて無駄な時間を……」と涙し、ぐれていた過去の自分を悔やむ三井寿の気持ちが痛いほどわかる。
そんな超超超の超がつくニワカの私だけれども、岸くんのファンであることを憚らない。

何せ他の誰に何に較べることなく岸くんが好きなのだ。

岸くんはこの世に1人しかいないけど、私だってこの世に1人しかいない。
この世に1人しかいない岸くんは、この世に1人しかいない私に推されているのだ。

アイドルとオタク、立場は違っても私たちは皆生まれたその日から等しく死に向かって歩いていく。
だからこそ同じ時代に生まれて、出会えて、好きになれて本当に良かったと思う。
流れる時間の速さは万人に平等で、その時間を誰に何のために使うかが人生のキモなんだと、この歳まで生きてふと気づく。

そして私はたいそう自分本位の人間なので、誰かのために自分の時間を使いたくない。
私の時間は私のものだ。
岸くんを推すために使った時間は、岸くんのものではなく、私が私のために岸くんを推すことに使った尊い時間だ。

岸くんを推している今が、私は楽しくてたまらない。
岸くんを応援している時間を、有意義と言わずして何と言おう。
その時間をテレビを見たりCDを聴いたりするだけでは飽き足らず、今日の私は岸くんにファンレターを書いた。

人生初のファンレターである。

人生初のファンレター

送り先を調べたところジャニーズへのファンレターはすべて

〒150-8550
ジャニーズファミリークラブ内
(グループ名)
○○○○様

で届くらしい。
専用郵便番号なので住所はなくともOKとのこと。
これだけで如何に日々ジャニーズに届く郵便物が多いか推して知るべし。

これは、何が何でも「今」出さねばと思った。

岸くんへのファンレターは、今ならまだ King & Prince の岸 優太様に宛てて出せるのだ。
キンプリ脱退後も岸くんはしばらく事務所に残るので、所属をしている間は少なくともファンレターをジャニーズに届けることができる。
でも、King & Princeの岸 優太に手紙を出すチャンスは今を逃すと金輪際巡ってこない。

返事は来ない、そもそも読んでもらえるかもわからない手紙を書くのは初めてのことで新鮮だった。
ただ、端から返事がないものと思えば案外するすると伝えたい言葉が出てくるもので、岸くんへの感謝の気持ちとご多幸を願う類のメッセージを便箋1枚に綴ることができた。
岸くんに伝えたいことはたくさんあるけれど、あんまり長いと読むのも大変だし、何より岸くんの元には日々読みきれないほどのファンレターが届いていることだろう。

でも、岸くんのことを思いながらレターセットを選んで、スマホで文面を考えて、ノートに下書きして、便箋に清書して、綺麗に折って封をして、丁寧に宛名を書くのは、とても楽しかった。

ああ、ファンレターを書くのってこんなにも楽しかったのか。

本当に今さら、こんなことにも気づかせてくれた岸くん。
感謝してもしきれない。

岸くんに手紙を出すために買った紫色のレターセット、まだ残りがあるので岸くんがジャニーズ事務所にいる間にまたファンレターを出してみようかな。


かわい いねこの可愛い猫と岸くん

ファンレターを出す前に記念に写真を、と思ったが絵面があまりに味気なかったのでアクスタ岸くんを並べてみた。
せっかくアクスタを引っ張り出してきたので、可愛い猫と岸くんのツーショットも撮ってみた。
岸くんは一瞬で猫毛まみれになった。
Oh……

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