経験を通して得た、沢山の宝物ー[毎日]-米津玄師-【MV Dancer&Choreographer WS】に参加してー

 今日(2024年7月21日)はね、辻󠄀本知彦さん主催のダンスのワークショップ、”毎日WS”に参加してきたの。米津玄師さんの”毎日”のMVに出演しているダンサーの方々である、Sakurako Horikoshiさん、ノダミズキさん、SHIRYU SEJIMAさん、そして辻󠄀本知彦さんと益田妃奈さんの、4つのクラスがあったの。私は、13:50〜15:20のSHIRYU SEJIMAさんのクラスと、15:30〜16:50の辻󠄀本知彦さんと益田妃奈さんのクラスに参加したの。完全なるダンスど素人の私にとっては、このワークショップに応募するのは勇気がいることだった。

 事前に、SHIRYU SEJIMAさんのInstagramで、SHIRYUさんのキレッキレのダンスを見てマジでビビっちゃったよね。初級レベルと言いながら、私は参加して大丈夫なのでしょうか…??しかも、最強レベルという良い意味で、ラスボス感ある辻󠄀本知彦さんと益田妃奈さんのワークショップにも参加できることになった。前日は緊張しちゃって、景気づけにチューハイロング缶2本飲んだのに、深夜1時まで寝付けなかったよね。ダンス未経験者なのにどんだけ欲張りやねん、って自分でも思ったけど、こんな贅沢な機会ないからね。楽しまないと損だよね。

 初めに参加したのは、SHIRYU SEJIMAさんのクラス。初級レベルといえども、参加者の皆さん踊り慣れていたよね。SHIRYUさんは、ダンス超初心者にも伝わるように、わかりやすく教えてくれていた。小学生くらいの子から私のようなアラフォーまで、さまざまな人たちがいたから、みんなが楽しく基本的な振りを覚えられるよう、運動会の紅白対抗のレースみたいなこともしてくれて、みんなで盛り上がった。動きも、スローモーションで、噛み砕いて教えてくれていた。スローなうちは、私も見よう見まねで何とか真似できていた、と信じたい。でも、いざ音楽に合わせると、速すぎてついていけなかったの。他のみんなはすんなりついて行っていたの、みんなすごすぎ!

 米津玄師さんの”毎日”は他のクラスでも踊っているだろうから、かぶらないように、あえて別の曲にしてみた、とSHIRYUさんはみんなに話してくれた。JUNG KOOK&Lattoの”Seven”には、”Monday Tuesday Wednesday”って出てきて、米津さんの”毎日”とも共通してるよね、って。振付も、月曜日から金曜日までをイメージした動きで、月曜日は月、火曜日は火、水曜日は水泳、木曜日は木、金曜日はお金を表した動きでおもしろくてかっこよかった。それをSHIRYUさんが曲に合わせてやるとめっちゃキレッキレでキマってて、すごくかっこいいの。私狙っていたわけじゃないんだけど、みんなで鏡の前に座って、他の参加者の方たちやSHIRYUさんのダンスを観る時間があったんだけど、私たまたまど真ん中の特等席で観れて、本当ラッキーだった。キッズの方たちも含め、他の参加者の方たちもばっちりキマっててすごかったな。

 自分は何回やっても最後までちゃんと踊れなかったけれど、あの振り付けは頭の中に残っている。かっこよくて楽しい、すてきな振り付けだから、みんなにも見てもらいたいよ。頭の中にはちゃんとあるんだけれど、残念ながら私の身体はそれを再現できないの…涙。私はこれから毎日、米津玄師さんの”毎日”とJUNG KOOK&Lattoの”Seven”を交互に聴き続けることにします!

 SHIRYU SEJIMAさんのクラスは、みんなで楽しみながら、振付をかっこよく踊れるようになるところまで進めていく感じで、限られた時間の中で振付をマスターすることに重点を置いている印象だった。それによって得られる達成感や充実感。一方、辻󠄀本知彦さんと益田妃奈さんのワークショップでは、決まった踊りを踊るのではなく、各参加者が相互に影響しあいながらも、音楽やリズムに合わせて、各人の内側から湧き上がってくる個の表現に重点を置いているように感じられた。それぞれのダンサーの方のワークショップにおけるアプローチ方法の違いがとても興味深かった。これも、実際に体験してみないと分からないことだよね。

 辻󠄀本知彦さんと益田妃奈さんのワークショップでは、辻󠄀本さんは、言葉を発さずに、ダンスで会話する意思表明をしていて、妃奈さんがそれを言葉で翻訳してくれていた。もうさ、言葉はなくとも、辻󠄀本さんの身体が、ダンスそのものが、みんなに語りかけていたよね。

 音楽のチョイスも最高だと思った。大好きなDua Lipaの”Houdini”やEd Sheeranの”Shivers”も流れて嬉しかった。他にも、Apple Musicの海外のプレイリストに入っているような旬な曲もかかっていた。それらの曲に合わせて、ウォーミングアップのような感じで、全員で同じ動きをするのが楽しかった。シンプルな動きでも、みんなで合わせると一体感があって、ダンスしてるな、ってダンス慣れしていない私でも感じることができて嬉しかった。あと、日本語の男性ラッパーの曲もめちゃくちゃ良かった。私にはアーティスト名も曲名もわからないんだけれど、かっこいいだけじゃなくて、胸を打つような、感情に訴えかけてくるようなラップの曲だった。あと、これもわからないけれど、James BlakeやRadioheadのような雰囲気の内省的な感じのする曲も、ダンスのワークと合っていてすごく良かった。益田妃奈さんは、ワークショップの中で、音やリズムを身体で、動きで、内側から表現していくことを教えてくれていた。妃奈さんの動きは、かっこいいんだけど、ただそれだけじゃなくて、常にアーティスティックだった。どんな音でもリズムでも、身体で表現する豊かな表現力としなやかな身体性が美しかった。音楽が、リズムが、各人の心と身体に働きかけながら、身体をさまざまな動きへといざなっていくのを目の当たりにした。他の参加者の方たちの表現力に、私は見入っていた。

 余談だけれど、私は合計3時間で、500mlペットボトル2本を飲み干したのに、トイレに行きたいとは全く思わなかった。それだけ汗をかいたということ…!?3時間でこれだけの汗なのだから、普段から長時間ダンスをする人たちって、本当にすごいね。

 いろんなワークがどれも貴重な体験だったんだけれど、私にとって特に印象的だったのは、みんなで中央に集まって、身体と身体、手と手を触れ合いながら、絡まるように、時にくるくる回りながら踊ったこと。優しく手に触れたときの感触や、手の温もり。触れ合う身体。ダンスを通して、他者と自身の身体性を直に感じることができたのが、すごく良かった。他にも、全員で床に寝そべりながら、時に這うように、転がるように、身体を動かしたこと。私はその時モップ人間になった。ダンススタジオの床のほこりをめいっぱい絡め取ってキレイにした自信、ある。

 ワークショップの最後に、米津玄師さんの”海の幽霊”にあわせて踊る益田妃奈さんが、とても美しくて妖艶で、かっこよかった。辻󠄀本知彦さんも途中から一緒に踊っていて、アクロバティックでしなやかな身体の動きの迫力がすごかった。30〜40cmくらいの距離でおふたりのダンスを真近で観れた、それだけで、ものすごく尊かった。憧れというか、尊敬のまなざし。私の念願は叶ったね、ありがたし。

 このワークショップにいらっしゃったダンサーの皆さんを見て思ったけれど、身体の美しさ、筋肉やラインの綺麗さはもとより、その身体能力と体力が、本当にすごかったよね。まじですごいわ、まじで尊敬します!

 私ね、ダンスが下手とか通り越して、ど・下手だったんだけどさ、踊っていくうちに、だんだんと、上手に踊れない恥ずかしさがどうでもよくなっていって、今この瞬間、一期一会を楽しんで、味わうことが大事だって思えたんだよね。まず、こんなワークショップに参加できるだけでも最高にうれしくて幸せなことだから。この経験のおかげで、何だか日常生活でも、何でもチャレンジして楽しもう、っていう勇気を前よりも出せそうな気がする、やったね!

 ところでみんな、辻󠄀本知彦さんの本『生きてりゃ踊るだろ』絶対読んだ方が良いよ。まず、本としておもしろくて、ためになって、すごく興味深いの。辻󠄀本知彦さんという1人のダンサーの人生のストーリーでもあるし、ダンス、踊ることそのものについての根源的な問いや深い考察、コンテンポラリーダンスの文脈や歴史的背景についての知識などが、ご自身の経験に基づいて生き生きとリアルに描写されていて引き込まれるし、読んでいてとても勉強になるの。ダンスへの好奇心が湧いて来る本なの。私は1日で読み切った。今の自分がこの本を読めて本当に良かった。ただ、無理な話だけれど、学生の時にこの本に出会えていたら、私は学生の頃からもっとダンスについての知的好奇心を持てていただろうなあ、とも思う。

 私はこの本を黒色のマジックとともに、米津玄師さんの空想ツアーグッズのリュックに大事に忍ばせて、このワークショップに参加した。ダンススタジオの隅の方でウォーミングアップ的に踊っていらっしゃった辻󠄀本知彦さんに近づき、私は本にサインをお願いした。辻󠄀本さんは快く、かわいいイラスト付きのサインを書いてくださり、「僕はこの本のあとがきが好き」とおっしゃっていた。私は帰宅後、そのあとがきをゆっくりと読み返した。私にとって大切な宝物が増えました。ありがとうございました。

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