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【読書メモ】ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)、(下)/R.P.ファインマン、大貫昌子訳

以前、量子力学の知見を得たいと思い、
ファインマン物理学を解説したブルーバックの本を読み、
そこからこの本に辿り着きました。



1.ファインマン氏とは何をした人か?

Wikipediaより

ファインマン氏はアメリカ出身の物理学者で、
1965年に量子電磁力学の発展に大きく貢献したとして、日本人の朝永振一郎氏らとともにノーベル物理学賞を共同受賞しています。

また、大学で物理系を専攻した人にとっては
ファインマン物理学」の教科書の存在を一度は聞いたことがあるでしょう。

2.本書の内容

「物理学者の本」「岩波現代文庫」ということで難しいと思われるかと思いますが、
読むのに物理学等の知識は必要なく、
内容はファインマン先生の日常のエッセイ集で、文系の方でも楽しく気軽に読める内容となっております。

本書を通じて、ファインマン先生の性格・人柄が伝わってくるでしょう。
また、一流の科学者に必要な要素も見えてくるのではと思います。

クセは強そうですが、面白く、好奇心旺盛で、科学に対しては真摯。
物理学以外の学問にも足を踏み入れたり、
絵画やドラムを嗜んだり、
なかなかアクティブな人のように感じました。

3.最終章「カーゴ・カルト・サイエンス」について

各エピソードを読めば、何となくファインマン先生の考え方、どんな人かが見えてくるかと思いますが、
手っ取り早くファインマン先生の科学に対する考え方を知りたい、という人は下巻の最終章の「カーゴ・カルト・サイエンス」を読むだけでも価値があるでしょう。

この章はカリフォルニア工科大学の卒業式式辞で読まれたもの。
ファインマン先生の科学に対する臨み方が読まれています。

科学に必要なのは、「誠意を尽くす」姿勢
人間は自分で自分をごまかしてしまうことがある。自分自身を欺かぬ心がまえが必要。己というのは一番騙しやすい。
「だろう」という憶測によらず、実際に示す。

科学だけでなく、仕事や真っ当な他人に対してもそうでありたいです。


それでは。

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