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腱板断裂手術日記15


5東出世部屋

ここが私の新しい病室。
年齢順に、肩脱臼の岩田さん、外反母趾の中川さん、交通事故の岡田さん。

 私が、廊下側、手前のベッドでA

隣りのBベッドが、肩脱臼の岩田さん。
74歳の岩田さんは、車の免許を持っていないので、どこに行くにも自転車で出かけるという。
その日も、自転車で買い物にでかけ、ある公園の横を通ったら、突然何かが飛び出して来た。
慌てて、両手でブレーキかけた。
いつもの感覚だとこの位置で止まるはず、のところで止まらず、自分の体を置いて、自転車が先に行って
転んでしまったと。
自転車で、両手でブレーキかけたら、こうなるでしょう?
でもね、左手がブレーキ握って無かったのよ!
手が、フェンス握ってたの!
おかしいわよね。
片手運転なんてして無いのに、どうしてフェンスを握るのか?
どうてかわからないけど、腕が異様に伸びてて、あ〜  外れたってスグ分かったわ。
でも、指がギュッと握ってて取れなくてね。
近くにいた男の人達に、
指を1本ずつ外してもらったのよ。
何かしらね?アレ。
自分で、フェンスから手を離せと思っても、取れないのよ。
人の体ってわからないわねー。
と笑っている。
チャキチャキの江戸っ子のような話し方をする人だった。

そのお向かいさんがCベッドの、中川さん。
セレブの奥様風。
話し方もゆったりとしていて、この人に任せておけば大丈夫という雰囲気をかもしだしている、この部屋のボス的な感じ。
両足外反母趾の手術なのだが、膝と違い、リハビリが永くなるので、片足づつの治療で、1回手術して、落ち着いたら、反対の足を手術するそうだ。
外反母趾も、酷くしてしまうと大変なんだなと、めげずに、両足やるなんて凄いなと感心する。
食事時は、ベッドの脇から、おかずが出てくる。
ここは、食事があんまり美味しくないから、娘に持ってきて貰うの。
おかず、煮物と漬物、ご飯のお供の佃煮や梅干し、下手すると、デザートまででてくる。
部屋の出窓は、中川さんの本棚になっていて、本が好きな中川さんは、そこにたくさんの本を置いてあった。

中川さんの隣り、Dベッドが岡田さん。
岡田さんが、原付で走っいたら、一旦停止の交差点を止まらずに出てきた車とぶつかったと。
そのまま、救急車で運ばれ入院することになった。
次の日先生に言われたことば
"ここは、こういう大変な手術をしてないから、もっと大きな病院に紹介します。ここはA市ですけど、隣りの病院の方が、先生が良いので、そちらに紹介します"
だったら、1晩待たずに、初めからそっちにしてくれよ〜

うん、よく分かる。
その気持ち。
痛いのに、1晩待って、また違う病院に行って、、、
お気の毒、、

"でもね。もし、救急車で運ぶ時、その病院が断ったら、A市のA病院だったんでしょ?
良かったじゃない。こっちに来れて〜"
中川さん、ナイスフォロー って感じで、皆んなでカーテン開けて、おしゃべりタイムはとても楽しい。

3時頃になると、給湯室でお茶入れて、誰がとも無く、誰かがお茶菓子用意しておしゃべり。
私以外の3人は、ここに来る前、4階の時も同じ部屋だったという事で、気心がしれてる、仲良しだった。

新参者ですがよろしく〜

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