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心の栄養

ずっと、私の心の栄養は、養分は、彼から与えられるものだという暗示にかかっていた。

彼からLINEがあると生き返った気持ちがするし、彼と会うと心がふっくらしたからだ。

でも、彼と出会う前の私はもう少しちゃんと自給自足で生きていた。

彼からもらう養分はとても優しくて幸せな気持ちにさせてくれたから、どんどん中毒のようになっていったんだな。
そうか、これが俗にいう「沼らせる」という状態なのだ、と理解した。
彼は私にそうしていること、自覚していたのかな。

2年と7ヶ月ずっと魔法をかけてくれてた。
それが中毒や依存、というものだったとしても、私は彼と会っている間はずっと、幸せだった。
ありがとう。

魔法が解けていくのは悲しい。
私はまた自給自足して生きていかなくてはならない。
「どうせずっと待っててくれるでしょ」と彼は言った。
彼は冗談で言ったのだろうけど、本当にたぶんずっと待ってしまう。
魔法が解けて、自給自走できるようになってもそれは変わらない。
仕方のないことだ。

先日からウチに来た苔くんは自分で空気中の水分を取り入れるらしい。
枯れても休んでるだけで死なないらしい。
自らのクローンをつくり、増えることもできるらしい。
私は何もせず、愛でるだけでいいのだ。
大変たくましい。

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