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編む

自分から逃げたくせに、まだ受け入れてもらえると期待してまた戻ろうとした。
そしてもう呆れられてしまったとまた逃げた
不安定で嫌になる。

その不安定さすら、彼のせいにしようとしていた
ごめんなさい。

そういうわけで、私は今、編み物をしている。
不眠、反省、修行には編み物か読書がよい。

日本の編み物の本は編み図、記号の意味注釈、使う糸、注意すべき点やコツが綺麗に配置されていて、とてもわかりやすい。
ただ、「この通り編まないと知らないよ」という圧を勝手に感じて、緊張するし、一目間違えたらほどくスタイルなので、途中で飽きることが多い。
編みかけのものがいっぱいあるが見ないフリをしている。

先日、初めて海外の編み方のレシピを購入したところ、内容が簡単に書かれすぎていて、難解で意味の理解に手間取った。
でもその不親切な感じが「考えたらできるでしょ」とこっちを信用してくれているような気もするし、「だいたいでいいのよ」と言われているようでもある。
脳内イメージでは銭婆に教えてもらっている感じ。
なんだか楽しくなり、楽しいまま完成。
こっちのスタイルの方が私にあってる。

今、編んでいるレシピは、日本の作家さんのものだが、「P1K2SSK…」という記号の羅列が続くのみ
の編み図なしのタイプで、海外レシピに近い。

解読すると「裏目1、表目2目、表の右上2度一目…」となる。
これらの記号がずっと書いてあるだけなのである。
少しの概略説明はあるが、基本的にはずっと記号を変換して編んでいくだけ。
全貌をなかなか教えてくれない感じはベストキッドのワックスがけを思い出させる。
とても今の私の気分にあっている。
瞑想効果もある(気がする)。
編み物は楽しい。

反省もどこかへ行くぐらい。

しかし圧倒的に普通の編み図があるものを編む方が早く、一向に完成しないから、そのうち瞑想して解脱できてしまうかもしれない。

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