千星 健夫(NECKTIE design office)
デザインのつくりかた(2020年の年賀状製作)
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デザインのつくりかた(2020年の年賀状製作)

千星 健夫(NECKTIE design office)

あけましておめでとうございます。デザイナーの千星(ちぼし)と申します。NECKTIE design officeという名前でGRAPHIC / WEB / PRODUCTを中心にデザインをさせていただいております。


2020年の年賀状のデザインの製作過程をまとめてみました。

過去の年賀状はこんな感じで

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午年に金に塗装した蹄鉄を送ったり

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アクリルをレーザーカッターで切ったり

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薄紙をレーザーカッターで梅型に切り抜いたり

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酉年に金のたまごを送ったり

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真鍮で知恵の輪をつくったり、


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シャーレに言葉を詰めたりしていて、

今年2020年は

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といった形で「シール」をメインにデザインを製作いたしました。

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シールって聞くとどんな印象ですか?

スケジュール帳に貼って大切な予定につけたり、表紙などにデコレーションとして使っているイメージでしょうか。お店だと値札のシールもあるだろうし、宅急便の宛名のシールだったり、製品の注意書きとして貼られていたり。プロダクトを作っている身からすると「シール貼り」と聞くとパッケージにつけるバーコードや色識別のためのシールがパッと思い浮かびます。


年の瀬も迫ってきて、2020年の年賀状はどんなものにしようかなぁとあれこれ考えていたんですが、ふと息子(4歳)が、楽しそうにシールを貼ってるのを見たんですね。ひらがなの書き取りがうまくできたら自動車や電車の絵が描いてある「よくできました」のシールが貼れるようになっていて、シールのために頑張って書き取りしてる。それで、すごく楽しそうにシールを貼るんです。

子どものお菓子にはとにかく付録でシールがついてることが多くて、プラレールの車両やら箱やらなんやら手当たりしだいに貼りまくる。うちのトミカのパトカーはもう全面にキラキラのシールが貼られて、もうパトカーではなくお菓子の宣伝カーみたいになってる。こちらとしては「後から剥がすの大変だなぁ」とか思うんだけれど、とにかく貼るのが楽しいみたいできゃっきゃいいながら、はみ出したり自分でカスタムしながらシールを貼ってます。

そこで「シールを貼るって行為自体はそもそも楽しいもんだよな」と思ってシールをメインにデザインを考えていきました。そしてこちらでシールを貼るだけではなくて、届いた人もシールを貼ることで年賀状が完成する。面倒だなと思う人もいるとは思うけれど、受け取る人はある程度僕のことを知っている人たちだし、新年の晴れやかな気持ちだと「貼ってみようかな」という気になるのではないかと思ってデザインを進めていきました。

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年賀状はOPPの袋に入っていて

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一緒にシールが同梱されています。

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2020の「0」の部分にシールを貼り付けるとこんな形で完成します。

2020年は東京オリンピック(五輪)の年ということもあり、お送りした方々にたくさんのマル(正解・良い・平和)が訪れるようにという願いをこめて、たくさんのゴールドの丸型シールを使ってデザインしています。

また箔押しなどの特殊印刷ではできないシールならではの、シールにしかできない特徴を活かしたデザインにもしています。

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小口に回り込んでシールを貼ったり

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OPP袋にも貼って奥行きを見せたり

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ドールアイというぬいぐるみに貼る目玉のシールを使ったり、

といったデザインに仕上げていきました。

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【製作の過程】

作っているときはTHE内職といった様相で、コツコツとひとつひとつシールを貼っていっています。

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今回のメインのシールは大・小のゴールド丸シールと目玉シール。

まずは同梱用の丸シールをカット

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次に二つ目の0の部分に小口を巻き込みなからシール貼っていきます

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続いてaの部分に小さい方の金シールを貼って

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次は目玉シール

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pの部分に貼っていきます

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いったんOPPの袋にいれて

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同梱用のシールを入れる

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いったん封緘して、OPP側にも丸シールを貼っていく

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あとはひたすらに量産化!

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小口部分は重ねるときれい

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最後に宛名とDM便のシールを貼って完成。
みなさんのところにたくさんのマルが届きますように!


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【主体性とモチベーションについて考える】

作っているときにふと気づいたんですが、子どもが貼るシールやスケジュール帳に貼るシールは楽しいのに、業務で貼るバーコードなんかのシールはあんまり楽しくない。ここの違いって、自分の意思でやってるかやらされているかの「主体性」の差が大きいよなぁと思ったんですね。

楽しい行為も「強制」ってつくと楽しくなくなる。強制カレー、強制観覧車、強制旅行。仕事も強制労働っていうとなんだかムチを持った怖い人たちに囲まれいる場面を連想してしまったりします。

あと数も重要。はじめのうちは楽しくできるけれど、同じことがたくさん続くと楽しくなくなる。飽きてくる。

つまり、やらさてる仕事はつまらない。

本当にありがたいことにフリーランスになってからも楽しい仕事ばかりさせていただいているのですが、こうやって楽しく感じられるのも主体性を持ってやれているからかもしれません(もちろんおもしろい仕事をご依頼くださるクライアントのみなさまに感謝です)。

自分の意志ですること、飽きないこと、はとても大事なことなんだなぁと、あらためて思った2020年の年賀状でした。

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最後に少し宣伝です。1月6日発売の雑誌『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』(2020年2月号)にデザイナーとして紹介していただきました。

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ディスカバージャパン04

ディスカバージャパン05

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ありがたいことに100号という記念の号に7ページもの誌面を割いて紹介していただいています。ありがとうございます。

これまでのデザイナーとしての歩みや考えてきたことなどをまとめていただきました。これまでずっと目の前の仕事をひとつひとつ向き合ってきたつもりですが、それが積み重なって評価していただいたようでとても嬉しいです。


これからも真摯にデザインに向き合って精進してまいります。


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千星 健夫(NECKTIE design office)

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千星 健夫(NECKTIE design office)
NECKTIE design officeデザイナー。GRAPHIC・WEB・PRODUCTとジャンルをはみ出してデザインしています。写真撮影・活版印刷もしています。 https://necktie.tokyo