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コロナ禍の状況で業績の好不調を分けたこと

いつも熱中する組織のnoteをお読みいただきありがとうございます。
今週は中島が投稿致します。

今回は「コロナ禍の状況で業績の好不調を分けたこと」について取り上げたいと思います。

コンサルティングを実施しているクライアント企業様の多くは、3ヶ年計画書(3年の中期計画)を導入しています。3月が期末(4月が期初)のお客様も多く、この3ヶ年計画の振り返りが概ね出揃いました。

その振り返りの結果を拝見し、あることに気づきました。
それは、このコロナ禍における業績の好不調がはっきり分かれ、それには3ヶ年計画書が寄与していそうだ、ということです。

つまり、業績の好不調の原因の一つに「3ヶ年計画書の運用度合いの違い」があるのではないかということです。もちろん、それだけが原因ではありませんが、少なからず、そこに原因の一旦はあると感じました。

今回は私なりの考察を示し、皆様の組織おいて「自社は大丈夫か」という視点で点検され、もし課題が見つかった場合でも「何をすべきか」のヒントに繋がるようなことをお伝えできればと思っております。

(1)業績の好不調を分けたポイントとは

ビジネスの進め方の基本を簡単に言ってしまえば、①あるべき姿(目的)を描き、②現状を把握し、③あるべき姿と現状のギャップをはっきりさせる。それから、④そのギャップを埋めるためにやるべきことを洗い出し、やるべきことを実行することであるべき姿に近づき、最終的には実現する、ということでしょう。
以下のスライドのような形です。

これら全てを可視化(言語化)したものが3ヶ年計画書というわけです。この3ヶ年計画書を導入し、一番長く運用し続けているクライアント様では既に7年以上になりました。

こうしてコロナ前から3ヶ年計画書を導入してきたからこそ、業績の好不調の差について、この運用度合いが影響していると気づくことができたわけです。運用し続けたクライアント様では業績が好調の確率が高く、一方、残念ながら運用が停滞したクライアント様では業績が不調になっている確率が高い、という結果でした。

では、なぜ、3ヶ年計画書の運用度合いが業績の好不調に繋がったのでしょうか。

以下の3つのポイントが考えられます。
①「あるべき姿」を見定め続けることができたか
②常に最新の現場感を持ち続けていたか(現状把握ができていたか)
③コロナを言い訳にせず、「やるべきこと」を完遂したか

この3つのポイントにそって、業績の好不調の分岐点がどこにあったのかについて、解説できればと思います。

(2)業績の好不調の分岐点はどこにあったのか

①「あるべき姿」を見定め続けることができたか
コロナというこれまでに経験したことがない状況に陥り、描いていた「あるべき姿」の実現が難しいという状況になった企業や組織は多かったのではないでしょうか。知らず知らずのうちに「あるべき姿」が下がってしまっていたというケースも少なくなかったと思います。

ここでのポイントは、このような状況になった時でも「あるべき姿」をしっかり見定め続けることができたのか、ということだったと感じます。

業績が好調の組織では、「あるべき姿」を描き直したり、その状況でもこの「あるべき姿」を実現するのだと覚悟を決め直したりしていました。一方、業績が不調の組織では、なし崩し的に風化してしまった印象でした。

ここでの教訓を挙げるとすれば、マネジャーはどのような状況になったとしても3ヶ年計画書の中で「3年後のあるべき姿」を見える化し、メンバーの目線を上げ続ける、ということでしょう。

②常に最新の現場感を持ち続けていたか(現状把握ができていたか)
コロナで多くの方がステイホームを迫られ、企業は在宅勤務を含むテレワークの導入を余儀なくされ、突然、働く環境は大きく変わりました。そして、働く環境が変わることで、仕事のしかたや求められるスキルなども、これまでとは変わったのではないかと思います。

ここでのポイントは、そのような環境になったことを社員の立ち場になって理解することができたか、ということだったと感じます。

業績が好調の組織では、社員の立ち場に立って「やるべきこと」がやり切れるのかを考え、もしかするとやり切れないのではないかというリスク(不確定要素)を想定し、対策を講じていました。一方、業績が不調の組織では、特段リスクなどの洗い出しはせず、そのまま進めた結果、「やるべきこと」がやり切れなかったという印象でした。

ここでの教訓を挙げるとすれば、マネジャーはメンバーを観察することで、常に最新の現場感を持ち続ける、ということでしょう。

③コロナを言い訳にせず、「やるべきこと」を完遂したか
「あるべき姿」の実現に向け、「やるべきこと」を完遂しようと思えば、自社だけでは難しく、お客様や取引先の協力が必要です。しかし、世の中がコロナ禍の状況であり、お客様や取引先の協力が得られず、もどかしい思いをする状況も続いたと思います。

ここでのポイントは、そんな中でも自分たちがやれることに焦点を当て、「やるべきこと」を完遂しようと取り組めたのか、ということだったと感じます。それには3ヶ年計画書で見える化されていることが大きかったと思うのです。

業績が好調の組織では、コロナを言い訳にせず、何とか「やるべきこと」を完遂しようと自分たちができることに焦点を当て、さまざまな工夫をされていました。一方、業績が不調の組織では、コロナを言い訳にし、完遂へ向けた工夫などもせず、最初から諦めてしまっていた印象でした。

ここでの教訓は挙げるとすれば、マネジャーはどんな状況でも「自分たちができること」に焦点を当て続け、覚悟を持ってメンバーを牽引する、ということでしょう。

さて、このように業績の好不調の一つの要因として、3ヶ年計画がいかに寄与したかについて、ご理解いただけたのではないかと思います。ただ、ここで注意しなければならないのは、単に3ヶ年計画書を作成すればいいという訳ではないということです。

3ヶ年計画書を作成し、繰り返し運用することで、組織の目的実現力が磨かれ、その効果が発揮されたことで、コロナというこれまでに経験したことがない状況に直面しても、好業績を残せたということではないでしょうか。やはり当たり前のことを愚直にやり続けられる組織が一番強いということなのでしょう。

(3)最後に

今回もいかがでしたでしょうか。

3ヶ年計画(3年の中期計画)の必要性は、拙著『組織に「成長」と「成果」をもたらすマネジャーの教科書』でも取り上げております。

もし、業績の不調や停滞を感じるようであれば、是非、3ヶ年計画書の導入をオススメします。熱中する組織では、3ヶ年計画書の導入サポートも行っておりますので、以下のリンクよりご用命いただければ幸いです。

さて、実は今回で初投稿から52回目の投稿となりました。これまでは毎週の投稿でしたが、今後は月一回(第3水曜日)の投稿とさせて頂ければと思います。少し投稿の頻度は落ちますが、今後とも熱中する組織のnoteをご覧頂ければ幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。

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