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行動に着目してメンバーを成果創出へ導く!

いつも熱中する組織のnoteをお読みいただきありがとうございます。
今週は中島が投稿致します。

今回は「行動に着目する」をテーマにしたいと思います。

メンバーが「やらない」「成果が出ない」理由として「意志が弱い」「やる気がない」ことも多々あると思います。

ただ、それだけで片付けてしまうのは非常にもったいないでしょう。

もし「意志」や「やる気」以外にも理由があるのではないか、そう考えられると対策の幅が広がり、 「やらない」「成果が出ない」という問題に一筋の光明が差すかもしれません。

その一つが「行動科学マネジメント」です。

今回はこの「行動科学マネジメント」の考え方の一部を知って頂き、目標達成の現場にどのように取り入れ、成果を出したのかをお伝えできればと思います。

1.「行動科学マネジメント」との出会い

行動科学マネジメントを知ったのは、私がある機械メーカーの営業部長として出向していた頃のことです。

当時、ある製品の販売台数を増やすため、これまでとは異なる売り方にチャレンジしていました。ただ、その売り方がなかなか営業担当者へ浸透していかない。それに加え、入社年次の浅い営業担当者やベテランの営業担当者の比率が高い、という状況でした。

どうしたら「新しい売り方を営業担当者へ浸透させられるのか?」と悩んでいる時に出会ったのが、石田淳氏著「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」という本でした。

実は、以前の投稿で何回かご紹介している「成功行動プロセス」の考え方は、この「行動科学マネジメント」の考え方をヒントに生まれました。

2.「行動科学マネジメント」とは?

「行動科学マネジメント」は、前述した著者の石田氏が生み出しました。石田氏は、アメリカで生まれた行動分析学をベースに、日本型の手法を融合させ、自社のビジネスで実践を重ねられて「行動科学マネジメント」を確立されました。

「行動科学マネジメント」を一言で言えば、意志ややる気などの「心」の部分ではなく「行動」に焦点を当てたマネジメント手法、と言えます。

そして、「科学」という言葉が入っているだけあって、再現性を重視しています。つまり、いつ、誰が、どこでやっても同じ結果を得ることが再現性であり、科学です。

ビジネスの現場では「絶対」と呼ばれる成果を出せるやり方はないかもしれませんが、いつ、誰が、どこでやっても成功確率を高められるやり方はあると感じています。

3.人が動く理由ーABCモデル

この「行動科学マネジメント」の考え方の中で、特に参考にし、実践したのが「ABCモデル」の考え方です。

こちらも簡単に説明すると、望ましい結果が得られることを学習したとき、人は同じ行動を繰り返そうとする、それを以下のようなABCモデルで説明しています。

ABCモデル
「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」P.115の図を元に作成

例えば、こういうことです。

A:先行条件「評判のそば屋。出前もしてくれる」
B:行動「天ぷらそばを注文する」
C:結果1「おいしかった」
C:結果2「まずかった」
再び出前を注文するのはどちらだろうか。
「短期間で組織が変わる行動科学マネジメント」P.118

答えは明確であろう。結果1の場合は再び行動する。結果2の場合は、別の人にこのそば屋を勧められても行動はしないだろう。

そして、ここからは私の解釈が入りますが、人は期待する結果が見えている時は、何の苦もなく行動する、ということです。

例えば、
A:「ビルの中で打合せ。入り口に自動ドアがある」
B:「自動ドアに向かって歩く」
C:「自動ドアが開く。歩いて中に入る」
つまり、自動ドアの前に行けば、自動ドアは自動的に開くと分かっているから、いちいちドアの前で止まらない。自然に行動しているのです。

目標達成においても、なんとかメンバーをそういう状態に近づけないか、そう考え生み出したのが「成功行動プロセス」だったのです。

4.成果を出す現場での実践

ここから分かることは人が行動する時に重要なのは、「先行条件」よりも「結果」ということなのです。

多くのマネジャーは、目的やゴール、仕事の説明、ポリシー、締め切り等でメンバーを動かそうとします。ただ、これらは「先行条件」に過ぎません。それらによってメンバーが動いた結果、得られた結果が望ましいものであれば、人は行動を繰り返します。しかし、もし、望ましいものでなければ、行動をしなくなります。

こうして行動しなくなった人に、目的やゴール、仕事の説明等の「先行条件」を繰り返しても行動する方向へはいかないのです。

さらに、ビジネスにおいて厄介なのは、唯一絶対の正解がないということです。特に提供する価値を広げようとチャレンジしていればなおさらでしょう。

だからこそ、マネジャーは望ましい結果が生まれるようチームに仕掛け、小さくてもいいから成功事例(望ましい結果)を出すところに関与すべきなのです。これこそがマネジャーの主たる役割と言っても過言ではないでしょう!

前述の機械メーカーの時は、本社部隊で徹底して成功事例を生み出すようにしました。そして、成功事例を分析し、成果に繋がる行動をまとめたものが「成功行動プロセス」だったのです。

そうやって本社部隊で「望ましい結果」を出し、それを「成功行動プロセス」にまとめ、本社以外の営業所の営業担当者の「先行条件」にしていったのです。

私が営業部長で着任した当初よりは、新しい売り方を実践する営業担当者は遥かに増え、代理店の営業担当者へも教育した結果、成功事例も全国へ広がっていきました。

5.最後に

さて、今回は「行動に着目する」についてテーマにしました。

いかがでしたでしょうか。

「意志」や「やる気」のような「心」の部分が大切でないと言いたい訳ではありません。むしろ、そのアプローチも大切にしつつ、「行動」にも着目することで、「心」と「行動」の両輪が揃えば、メンバーの成果創出の確率は格段に高まるでしょう。さらには、その効果が組織全体へ波及させることもできるのです。

是非、明日からメンバーの「行動」に着目するようにしましょう!

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