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税理士試験記録四年目 本試験二度目(簿記②・財表②)

大学四年生になり税理士試験は2度目の受験になります。

周りの同級生は就活して内定が決まり始めている中、今年こそ一科目でも合格科目を出せなければならない、というプレッシャーを感じ始めます。


二度目の答練期で歓喜

12月の結果発表から4か月もすれば直前期に突入します。

直前期に入れば毎週の答練に追われて、あっという間に本試験になる印象があったので、思ったより一年って早いものだと感じました。

受験勉強をしていると合格科目を出していないと前進している実感がないので、取り残されている気になって焦りを感じ始めていました。

焦っても、やることは机に向かって電卓をたたき、理論を暗記することなので(地味)、これまでと何も変わりませんでしたが、気持ちだけソワソワしていました。

前年は簿記と財表とどちらも不合格なので、自分なりに反省をして今年に活かそうと思っていましたが、反省して結果を出せるかどうかは答練を受けてみないとわかりません。

簿財二年目ともあって苦手論点を克服する時間はたくさんあり、やりたい勉強もやりきって準備は出来ていました。

答練の範囲は見ずに何が来ても対応できるようにしていました。

そして、その年の初の答練を受けました。結果は上位10%に入ることができました。

結果発表から4か月、不安の中での勉強が結実したという喜びで、答練期の結果で生まれて初めて喜ぶことができました。(笑)

しっかり準備ができたことと、答えを覚えるのではなく考えながらの勉強がよかったと思います。

それまではとにかく量を解いて答えを覚えているような勉強だったので、初見の問題に全く対応できていませんでした。

その答練の問題ももちろん初見ですが、目標点数が取れたので勉強法が間違っていなかったのかも、と自信につながりました。

その後も答練は難しくなっていきましたが、上位30%には確実に入り続けて地に足の着いた勉強ができている実感を得られました。


魔の本試験

自信を付けながら本試験を迎えることができて、最高のコンディションで本試験当日を迎えることができました。

前年のような不安もなく、絶対に合格を確信して受験をしました。簿記論は第一問でちょっと変わった問題が出ました。

解いたことのない問題でしたが、これまでの知識があれば解けるはずだと自信がありました。

しかし、いくら考えても答えが導きにくい問題でした。

あと少しで答えが出そう、出そう・・・と気づけば試験開始から45分が経過していました。

普段なら第一問は20分~25分で切り上げるのですが、見たことのない問題に動揺してのめりこんでしまいました。

解答用紙を満足に埋められずに、第二問、第三問と進みましたが、第三問に時間を割けずに時間切れとなりました。

実は第三問が易しめで得点源となっていることに後から気が付きました。

終わった瞬間に不合格を確信して呆然としてしまいました。

前年の簿記も不合格を確信しましたが、今年は受験前から合格の自信があっただけに精神的なダメージが凄まじいものでした。

席から立ち上がれないレベルでしたが、財表があるので心を整えなければなりませんでした。

財表はオーソドックスな問題でしたので、落ち着けば取れる問題でした。

ただ、簿記を引きずっているので、より慎重に解き進めて一問一問点数を積み上げていきました。

そうして二度目の簿記財表の受験は終えました。財表は合格を確信できる手応えでした。


自己採点と年内の勉強

試験後の自己採点では簿記がボーダー下15点くらいで、財表はボーダー上10点で確実ラインを超えていたと思います。

財表は手応えと自己採点の結果から合格を確信できましたが、簿記は・・・ちーん(泣)という感じでした。

簿記は実力不足というより本試験ならではの不慮の事故だと思いました。

第一問のよくわからない問題は、むずかしすぎて解かなくてもよく、合否に関係ない問題でした。

本試験ではそういう問題もでます。誰が解けるんだよっ!っていう問題が出ます。そういう時は無視するに限ります。

無視できずに解いてしまったり、気になって他の問題に集中できないとケアレスミスを誘発して足元をすくわれてしまいます。

簿記は不合格を確信しましたが、結果発表後から勉強しても本試験に間に合う自信があったので、次の科目に進むことにしました。

とにかく、時間のある学生のうちに税法に手を付けたい一心で法人税・相続税にチャレンジです。

法人税のみに絞ってもいいと思いましたが、試験に専念できる学生のうちにできるだけ理解を深めておきたいし、問題をたくさん解きたいと思っていたので、地獄の国税二本立てに挑戦しました。

9月から気合を入れて勉強を始めて驚いたことがあって、前年にもこの二科目をしたときに覚えた理論や計算を記憶の片隅にも残っていなかったのですが、改めて税法の理論暗記をしたときに苦しまずに暗記できました。

計算も一年前はチンプンカンプンでしたが、一年越しに講義を理解することができました。

びっくり!脳が本人の知らないところで勝手に知識を整理して理解してくれたのでしょうか。当時、理解できないなりに反復勉強したことが一年後に効果が出たのでしょうか。

いまだに謎なんです、不思議な脳みそメカニズムです。

そうして税法に手応えを感じ始めていましたが、結果発表が近づくにつれて勉強が手につかなくなり始めます。

合格→今の税法の勉強が役立つ!不合格→今の税法の勉強無意味!

みたいな思考に陥って、不合格だったら・・・と悪い結果ばかり想像してしまいます。

なかなか難しい受験生時代の葛藤でしたが、振り返ると、未来にどんな結果が待ち受けていようと、過去にどんな後悔があろうと今を全力投球することが人生において有意義です。

全力投球に無駄はありません。そのように今は思いますが、当時の苦しい状況で自身を俯瞰できるほど人間が出来上がっているわけでもなく(今でも)、結果待ちの4か月は難しい時期でした。


本試験二度目の結果発表

その年の結果は、財務諸表論の合格でした。そして簿記Bランクで不合格。

Bランクは合格点より20点マイナスくらいで、惜しいとは言えないような点数だったと想像します。

財表の合格を喜ぶべきところでしょうが、簿記の不合格、まさかのBランクということですごく落ち込みました。

理解度や準備に関しては申し分がないと思っていたし、答練で結果も出せていました。

まさかが起きてしまったという感じです。

大舞台でコケるとか、本番に弱いということなのだと思います。

トラウマになるような大失敗の簿記でした。

来年は、法人税と簿記を受験することにしました。簿記のみの選択はありませんでした。

一科目受験で、今回のようなコケ方をしたらそれこそ立ち直れませんから。

法人税と相続税と簿記の三科目受験は私の能力的に格不可能と判断しました。

三科目受験すれば、おそらく簿記に時間を割けずまた簿記が不合格になりかねません。

最低でも簿記は来年、必ず合格しなければ、と心に決めていました。そして法人税と相続税のどちらを受けるかは、ボリューム的に法人税かなと思いました。

簿記が三年目でそこまで多くの時間を割かなくてもいいので、その分、法人税をたっぷり勉強したいと思いました。

相続税は少しボリュームが足りない気がします。いずれ法人税を受験するなら早めに終わらせたいという私の性格的なところも考慮し、大変なものからやっつける戦法で行きました。


簿記の反省

財表はいいとして、簿記は自信喪失して反省どころではありませんでした。

事故処理して振り返りたくない案件です。もちろん日商簿記とかならそれでいいかもしれませんが、年一回の人生がかかった税理士試験では、このような事故が頻発する気がして怖くなってきました。

なので、なぜこのようなことが起きたのかじっくり考えると、やはり自信過剰かなと思います。

なんでも解けると思って、解けない問題が出ることを想定していない、時間内に解ける前提、という姿勢でした。

税理士試験の本試験を知らないの?と言いたくなりますが、二年目で答練受けるうちに勘違いしてしまっていたのかもしれません。

税理士試験は、解けない問題がでるし、そもそも時間内に解けない問題量、という鬼畜試験です。

原点に返り、簡単なところから解く、解けるところから手を付ける、を実践するしかありません。

これを肝に銘じて、三度目の簿記と初受験の法人税に向かいます。

次回は本試験三度目で、大学卒業後の初めての本試験です。早い・・・。

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