291.『動く植物』
『動く植物』
光が射すのを待っていても
他力本願じゃアテにできない
根っこを足に、葉を腕に
はいつくばって動くんだ
身体中に光が満ちる所まで
葉がゆがむほど激しく呼吸
茎も疲労でぐねぐねになる
でも、動かず枯れるよりは
悪くないさと思えるんだ
アテはなくても近づいてる
動いていると他の植物の
種子がくっつき、落ちていく
ついでに他の何かの役に立つ
それだけで既に意味はあった
一つ一つの意味が励みになる
根は足、葉は腕らしく変化した
だから、きっとたどり着けるよ
目標と自信を持てたなら
そこがどこであっても
もう身体中に光は満ちていた
2020年11月7日作
ラジオNIKKEI「私の書いたポエム」
2020年11月22日放送分
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