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手帳の話

スケジュール管理が苦手だ。とくに自宅仕事だと、仕事に追われて自分の創作や勉強に手が回らない。でも毎日複数の作業を少しずつ進めていけば、理論上は、仕事も創作も勉強も同時進行できるはず。ということで、手帳を使って毎日の作業をコントロールし、出来高を上げようという作戦だ。

まずは来年の手帳に、今年と同じものを買った。マンスリーにメモがたくさんついているもので、ちょいお高めのブランドものだ。ドイツのブランドなので、ドイツ語学習者の私にはちょうどいい……と思いきや、中身はほぼ英語なので語学学習にメリットは特にない。

この手帳が値段相応に役に立ったからリピートした、というわけではない。むしろ使いこなせていなくてもったいなかったなと思っている。同じものを買ったのは、今年の手帳へのアプローチが間違いだった可能性に気づいたからだ。

それに気がついたのは先日のことだ。たとえば3か月分のスケジュールを一目で確認したいな……と思ったら、私はインデザインで3か月分のマス目を作って印刷して手帳に貼り込んだりする。先日もそれを作って出来に満足していたところ、似たようなマス目が手帳の前の方にあったのを発見した。よくよく見たら、いろんな区切り方をした1年分のマス目がすでに印刷されていたのである。マンスリーとメモのページしか見ないから気づかなかったのだ。

たしかに、私はマンスリーとメモだけを使いたいと考えて、あえてウィークリーやデイリーが載っていないこの手帳を選んだ(複数のページを行ったり来たりするのが面倒なため)。そして、脇目もふらずマンスリーとメモのページのみを使っていた。

しかし、この使い方はもしかすると、「私はお前をこう使うぞ」という気持ちを、手帳に一方的に押し付けている……といえるかもしれない。もちろん、どんな道具であっても、自分が使いたい機能だけを使うことは間違いではない。しかし、私は自分が使いたい機能だけですら使いこなせていなかったのだ。ならば今、そのやり方を改め、この手帳のことを知り、それからこの手帳とどう関わっていくかを考えるときが来ているのではないだろうか。一方的なコミュニケーションから、相互のコミュニケーションへ。手帳の発する言葉に耳を傾けるのである。

ところで、書きながら気づいたのだが、私は、バーチカルやほぼ日型手帳のように時間単位の細かい予定を管理するよりも、月や年といった長期的な予定を俯瞰的に見たい……という欲求があるようだ。時間を指定するような細かい予定は少ないし、スマホにアラームをセットするので、書く必要がないというのもある。ある程度先の予定を眺めることで精神の安定を得たいのかもしれない。

どうやら「具体的な行動の時間を指定して実行させる」ような機能は、私は手帳に求めていないようだ。しかし、「具体的な行動を時間を指定して実行する」ことなく、どうやって複数の作業を予定通りに仕上げていけばいいのだろうか。

これについては、手帳とは別のシステムが必要だろう。手帳は、この具体的な行動を決めるための長期的な見通しのために使うものとしよう。また、具体的な行動に必要な情報はメモに書いておく。「1日の中で何をどういうスケジュールで行うか」についてだけ、別途やり方を考える。たぶんここが大きな問題になる気がする。手帳に書くよりももっと強制力があったり、達成感があったりするような方法がいいと思う。

つづく!

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