短編小説|ロスト・アーモンド no.2
とりあえず管理会社に連絡をしようとスマホを手にし、結局そのスマホはテーブルに置く。
考えてみれば、大家さんがすぐ隣に住んでいるのだし、そちらをあたってみることにする。
大家さんは自宅に二匹の猫を飼っている。きっとこの黒猫の赤ん坊を、どうにかしてくれるのではないかと考えたからだ。
早速Amazonの箱ごと子猫を抱え、大家さんを訪ねてみる。
インターホン越しに事情を説明すると、大家さんは玄関から急いで出てきてくれた。大家さんは独り身のお婆さんで、僕とは顔を合わせると、