2月13日:怒号飛び交うキッチンのパスタ

15連勤の終わりを告げるレジスターの音がした。
2月前半の活動のレシートのようなnoteが沢山吐き出された。 

ご褒美と言い毎回の勤務後にご飯を食べているが、今日は一味違うことにしたい。お酒でも飲もう。
そう思い、駅前にあることを知ったデニーズへ向かった。バイト先の最寄り駅にファミレスなんてあると思わなかった。それがガストでもなく、デニーズ。ちょうどいい。

レジの受付に顔を見せれば、会計待ちの人とばったりタイミングが被り、先に会計の案内。
「お先にお好きな席へどうぞ」と会計片手間に案内された。
選んだ席はお店の端っこ、窓際2人がけ席。左側が喫煙可能の席でガラスで区切られている。
前に単発でバイトした時に気になっていたジェノベーゼパスタを頼んで待っている。
すると、店内から怒号が、聞こえてきた。誰かを怒っているようだった。「怒号飛び交うキッチンで作られた僕のジェノベーゼパスタかぁ」と思い少しナーバス。そんな哀れなパスタを待っていると「お席はこちらでよろしいですか?」と店員が声をかけてきた。なんでだろう?そんなに案内しないで通してしまったことを謝るような態度で。まあ、角の席好きだし、すみっコぐらしいみたいで可愛くてええやん。
それでも、怒号は鳴り止まない。
会話内容を聞こうとイヤホンを外すが、聞こえない。まあ、聞くものでも無いか。そう思い、パスタを口へ運ぼうとするとまた怒号が聞こえる。いい加減気が悪くなってきた。キッチンの方に目をやる、耳をやる。でも、声のありかのようには思えない。その場に、目を回すと声の正体が分かった。

ガラス越しにおじさんが、僕に向かって吠えている。
目が合った。なんか、すっごい言ってる。おもろい。

いや、怖い。もう目を合わせれない。
それと同じくらい興味が勝つ。
「なんて言ってるのか?」「そもそもなんで俺に向かって吠えてるのか?」
なんで!が溢れる。

でも、めんどくさいことではありそうだ。

「ぼちぼち、隙を見て逃げるか」
そう思い、タイミングを伺ってると、警官が入ってきた。めでたしめでたし。



蛇足。

ココ最近は本当に時間がはやい。
「20歳!?なんでも出来るじゃん。」
その考えには間違いは無いと思う。身に染みて分かっている。有効的に使おうとも思ってる。
まだ、それなりの将来を担保に無責任になにかを目指したり、なにかになることが出来ると思う。世間では無敵の子供のように思われてるのではないか、と思う。
でも、なにかになるためには時間がない。空白的な時間じゃなくて、感覚的な話。あっという間に期限の20歳を追い越して、どうしようもない歳になり、目の前の社会に飛び込まざるを得なくなると思う。
20歳を無敵と言うには体感時間が短すぎる。

「人生の体感時間は年齢に反比例する。」という言葉がある。X軸が年齢、Y軸が人生の割合。1歳の子はその生きた1年が人生の全てであるから、1年が100%。反対に今年の僕は20分の1。割合で言えば、5%。たったの5%。イキリ大学生が飲むお酒のアルコール度数より低い。こんなものじゃ低パーセントじゃあ、満足出来ない。こんな期間に無敵を与えられても困る。

無敵と分かった上で、時間は早く過ぎていく。
こんなにも日々は楽しくて、濃密で刺激的な日々なのに、時間は老いていく。今が無限に続けばいいのに、とずっと思う。退屈な時間は長く感じる。長く感じる時間は心を老けさせるらしい。いつも新鮮でアチアチの日々を過ごしたい。そうすれば活気の心でいられると思ってる。でも、そうすると時間はまた早く流れていく。5%だと証明するように、楽しい時間も無下に過ぎていく。もしも、この先に幸せで楽しい未来が待っていたとしても、今よりも時間が早く過ぎてしまうとしたら。僕はとても悲しい。だから、今で時間を止めたくなる。「人生で1番若いのは今」と言いたいわけじゃない。もっと、こう、悲観的な。この先の楽しみ幸せのために生きてみたいのに、その時間が呆気なく過ぎてしまう。そんな気がしている。

でも、人間今を生きてる。
思い出に浸るための今でもないし、来世を考えるには明日を考え尽くしてない。全てが早計だ。とやかくうるさい。自分だ。今は貴重だ。間違いない。


最近はnoteで悲しい話しかしてない。
こんなしょうもない話をする人もいなければ、相手にもされない。こんな話じゃなくとも、最近は話したいことも上手く話せない。世の中の流れに置いてかれてるような気がしている僕は、友達の今の話の輪の中には入れない。入れないことをずっと嘆いている。入れなかった僕に似た人達は今や、あちら側に行ってしまって、変わってないのは僕だけで。でも、それも全部分かってる。変われない自分を良しとしている。変われないまんまでいることにした。全部分かってる。友達と話して、話題についていけないことも、話題に入れてくれないことも、それで傷つく自分のことも。全部分かってる。そのうえで、もうそれでいいのだ。それがいいのだ。