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カウンセラーのための社会構成主義その2

 我々は生まれ落ちた時から家族や地域、社会に囲まれています。日本で育ては「人に迷惑をかけてはいけない」と言われるかもしれませんし、部活に入れば上級生が絶対かもしれません。家庭によって「約束を守る」「時間を守る」などいろいろな約束事を守るでしょう。よくも悪くもそうした「約束事」「正しいこと」を周囲から刷り込まれていきます。

 成長するにつれ、そうしたことに疑問を感じたり反発したり、自分の好きに振る舞うこともあると思います。しかし一方で特にごく初期(例えば小さい頃、あるいは仕事であれば初職で習ったこと)に刷り込まれたことはなかなか消えないかもしれません。もちろんそのままで悪いということではないのですが。

 人生のステップが変わる時期(例えば中学から高校、学校から会社、定年退職して余生へなど)には、人は何らかの選択をする必要があります。改めて過去・現在を振り返って、どういう選択をすれば自分にとって理想の未来となり得るのか、親や周囲の環境の影響も考慮しつつ、親や周囲の言うことに流されないように慎重に検討する必要があります。

 キャリアカウンセリングのシステムアプローチを呼称するマクマホン&パットンは、クライエントに紙の中心に「私」を描かせた後、その周囲にクライエントに影響を与えた人や文化、経済政策、歴史的背景等を描かせ、クライエントがが周囲からどんな影響を受けてどんな選択をしてきたのかを考えさせます。その影響を今後とも維持するのか変化させるのか、改めて考えるように仕向けるのです。

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